昨年夏以降再開したこのエントリーですが、タイトルを”前週トップ10初登場曲の最新動向”とした上で、副題を新たに設けています。前週の内容はこちら。
ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と考えます。週間単位で上位に入るのは好いことですが、他方で所有指標が極度に強い曲は加算2週目に、また接触指標が所有指標的な動きをなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が大きく後退し、総合でも急落することが少なくありません。
この急落は毎週のようにみられます。ソングチャートのトップ10は多いときで5曲程度が毎週入れ替わり、ロングヒットするか否かが極端に分かれます。主にライト層の支持が反映されるストリーミングがロングヒット曲では強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、これらを1週分のチャートの順位およびポイントのみで判断することは、現状では難しい状況です。
そのため、このブログエントリーではビルボードジャパンに対しチャートポリシー(集計方法)の改善も提案していますが、あくまで自分なりのと前置きしつつもチャートの見方を提示したいと考えたのが、エントリー掲載の理由です。
<2025年10月22日公開分 ビルボードジャパンソングチャート
前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>
※CHART insightの説明
[色について]
黄:フィジカルセールス
紫:ダウンロード
青:ストリーミング
黄緑:ラジオ
赤:動画再生
緑:カラオケ
濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)
(Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)
ピンク:ハイブリッド指標
(BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)
[表示範囲について]
総合順位、および構成指標等において20位まで表示
[チャート構成比について]
累計における指標毎のポイント構成
・BE:FIRST「Stare In Wonder」
10月15日公開分 3位→10月22日公開分 16位
・=LOVE「ラブソングに襲われる」
10月15日公開分 4位→10月22日公開分 17位
・ Juice=Juice「四の五の言わず颯と別れてあげた」
10月15日公開分 6位→10月22日公開分 100位未満
・MATSURI「アガベの花」
10月15日公開分 9位→10月22日公開分 100位未満
・スピッツ「灯を護る」
10月15日公開分 10位→10月22日公開分 22位
当週のストリーミング表はこちら。



今回紹介した5曲の中で、2週続けてトップ10入りした作品はありませんでした。=LOVE「ラブソングに襲われる」はLINE MUSIC再生キャンペーンを実施していたものの9月20日までであり(Xのポスト参照→こちら)、またLINE MUSIC以上にApple Musicの週間順位が高いことに注目しています。アイドル/ダンスボーカルグループの中でフィジカルセールスのみならずストリーミングにも強い歌手に成っていくかもしれません。
他方、同じ女性アイドルグループでもハロー!プロジェクト所属で初週フィジカルセールスの高さが見込まれる歌手については、現時点でもサブスク未解禁のまま。Juice=Juiceの最新フィジカルシングル「四の五の言わず颯と別れてあげた」はストリーミング指標未加算となっています。
そのJuice=Juiceですが、公式YouTubeチャンネル(→こちら)をみると今作のダブルAサイド曲である「盛れ!ミ・アモーレ」の展開がより大きいことが見て取れます。
「盛れ!ミ・アモーレ」では上記ミュージックビデオ公開後、ライブパフォーマンス、ダンスプラクティス動画が相次いで公開。そして今週には2本目となるライブパフォーマンス動画が投稿されています。
2本目のライブパフォーマンス映像はバンドを伴ったものであり最初のライブ関連動画と形態は異なるのですが、このような複数バージョンの投入を興味深く感じています。
一方で、Juice=Juice「盛れ!ミ・アモーレ」が今後話題になったとしても、ビルボードジャパンソングチャートで100位以内に登場する可能性は低いものと捉えています。
ビルボードジャパンソングチャートでは複数のAサイドが設定されたフィジカルシングルにおいて、フィジカルセールス指標は1曲のみに加算される仕様となります。Aサイド扱いながらこの指標が加点されない曲についてはデジタル、特にストリーミング指標が有効であることは米津玄師, 宇多田ヒカル「JANE DOE」(「IRIS OUT」とのダブルAサイド)からも明らかであり(下記参照)、やはりサブスク解禁は必須といえるのです。

ハロー!プロジェクト所属歌手のサブスク完全解禁がいつになるか、注視していきます。









