イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

Buono!「初恋サイダー」の100位以内再登場を踏まえ、ハロー!プロジェクトのサブスク充実を提案する

最新11月26日公開分ビルボードジャパンソングチャート(集計期間:11月17~23日)では、Buono!初恋サイダー」が63位にランクイン。2012年1月25日公開分の54位(初登場時)以来、13年10ヶ月ぶりとなる100位以内返り咲きを果たしています。

 

Buono!初恋サイダー」のソングチャート再浮上については、以下の記事からその背景を確認できます。

ベストヒット歌謡祭2025』(読売テレビ/日本テレビ 11月13日放送)におけるカバー披露が原曲人気につながっているのですが、番組放送の4日後が集計期間初日となる最新ソングチャートで再登場を果たしたということに注目です。ビルボードジャパンソングチャートにおけるBuono!初恋サイダー」のCHART insight(直近11週分)はこちら。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)

テレビ番組のパフォーマンス映像は特にダウンロード指標(CHART insightでは紫で表示)に反映されるのですが、そのダウンロードが100位未満→28位に上昇したのみならず、ストリーミング(青)が100位未満→62位、動画再生(赤)が300位未満→100位未満(300位以内となり加点対象に)、そしてカラオケ(緑)が300位未満→98位に、それぞれ上昇を果たしています。

新曲の上位進出が少なく、長く支持される曲が強さを発揮するカラオケ指標での再登場は、Buono!初恋サイダー」へのアイドルファン全体からの支持が元々高かったこと、そして番組でのカバー披露のタイミングにてその支持がじわじわと再燃したことが見て取れます。

 

Buono!初恋サイダー」において更なる注目は、デジタルの接触指標群が加点されているということです。

また、今回のバイラルヒットには、ハロプロ所属のグループやアーティストが、音楽配信サブスクリプションサービスを解禁しつつあることも大きく影響しているだろう。Buono!の公式YouTubeチャンネルで公開されている「初恋サイダー」MVのコメント欄にはこの楽曲、そしてユニットをディグるうちにMVにたどり着いたという声も多く見受けられる。これは「初恋サイダー」が世代を超えた名曲になりつつある証拠である。

実際、Buono!においては今年1月3日にサブスクが解禁されています(ハロー!プロジェクト 過去の楽曲から一部サブスク解禁が決定! - ニュース詳細|ハロー!プロジェクト オフィシャルサイト(1月2日付)より)。テレビ番組でのカバー披露を機にサブスクに辿り着いた、もっといえばサブスク解禁されていること自体知らなかった(偶然見つけた)という方も、少なくなかったのではないでしょうか。

先述した「初恋サイダー」のCHART insightにおいて右上に掲載されている累計ポイント構成比をみると、ストリーミング指標の割合が全体の7割程度を占めていることが解ります。その点からも、サブスク解禁の影響力を読み取ることができるはずです。

 

 

さて、Buono!が所属していたハロー!プロジェクトですが、現役で活動し且つ初週10万枚前後のフィジカルセールスが見込める歌手の作品はサブスクを解禁していません。

それゆえ、フィジカルセールス指標(CHART insightでは黄色で表示)が初めて加算されるタイミングにてビルボードジャパンソングチャートでトップ10入りしたとしても、翌週急落する曲は少なくありません。またフィジカルセールス指標はAサイドが複数設定されたシングルにおいて一曲のみに加点されるため、同指標未加点の曲がソングチャート100位以内に登場することも稀です。

Juice=Juice「盛れ!ミ・アモーレ」が現在人気を博しています。同曲は先月の段階で一度採り上げたのですが(前週トップ10初登場曲の最新動向、そしてハロー!プロジェクト所属歌手のサブスク動向を注視する(10月25日付)参照)、最新11月26日公開分では動画再生指標が100位未満から18位に急浮上。これは集計期間中に「盛れ!ミ・アモーレ」がTHE FIRST TAKEで披露されたことに伴うものです。

これまでの流れ、またCHART insightの動向も踏まえれば、Juice=Juiceは最新シングルにおいてフィジカルセールス指標が加点される「四の五の言わず颯と別れてあげた」以上に、ダブルAサイドながら同指標が加算されない「盛れ!ミ・アモーレ」がより注目を集めていることが分かります。そしてその流れを決定付けたのが、後者におけるTHE FIRST TAKE披露といえるでしょう。

ダウンロードや動画再生指標の差を踏まえれば、ファンのみならずJuice=Juice自身も「盛れ!ミ・アモーレ」を今後推していくものと思われます。そして仮にJuice=Juiceがサブスク解禁を行っていたならば、ストリーミング指標を獲得し、総合ソングチャート100位以内に登場した可能性は十分あったでしょう。接触指標群(動画再生とストリーミング)は順位が比例する傾向にあるため、尚の事です。

 

Buono!初恋サイダー」の再浮上によりコアファンそして所属事務所側も、デジタルアーカイブの重要性が実感できたものと考えます。ハロー!プロジェクト側がサブスク解禁に意欲的でないのはフィジカルセールス優先という姿勢ゆえと思われますが、フィジカルの位置付けが今ではコアファン向けであることを考えれば、コアファンに昇華し得るライト層に届ける意味でもサブスク解禁は必須でしょう。方針の転換を希望します。