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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

最新の英ソングチャートで最多トップ10入りのオリヴィア・ディーン、米でも上昇していることについて

ビルボードソングチャートや英ソングチャートではトップ10ランクイン曲をカウントダウン方式で紹介する動画が用意されています。ビルボードジャパンでも同種の動画を用意することを、個人的には希望しています。

現地時間の10月24日に公開された最新の英ソングチャートでは9位までを女性曲が占めています。テイラー・スウィフトは『The Life Of A Showgirl』のリード曲「The Fate Of Ophelia」が3連覇を果たし、同曲を含む3曲がランクイン。またHUNTR/X(ハントリックス)(イジェ、オードリー・ヌナ & レイ・アミ)が2曲を送り込んでいますが、女性歌手で最も多くの曲をトップ10入りさせているのがオリヴィア・ディーンです。

 

最新の英ソングチャートでは、オリヴィア・ディーンによる「Man I Need」が2位(最高位は1位)、「So Easy (To Fall In Love)」が6位(最高位更新)、「Nice To Each Other」が8位(最高は4位)を記録。これらはいずれも最新アルバム『The Art Of Loving』収録曲となり、同作は英アルバムチャートにてテイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』が首位初登場を果たす前週、(こちらも)首位初登場を果たしています。

 

英ソングチャートに話を戻すと、最新チャートではオリヴィア・ディーンがサム・フェンダーと共演した「Rein Me In」が10位に上昇。元々サムによるアルバム『People Watching』(2月21日リリース)に収録されていたのは単独版でしたが、シングルカット時にオリヴィア・ディーンとの共演版をメインに据える形でリリースされています(なお共演版はアルバムのデラックスエディション(12月5日リリース予定)にも収録予定です)。

 

オリヴィア・ディーンのバイオグラフィーディスコグラフィー、そして「Man I Need」についての解説は上記をご参照ください。英出身のオリヴィアによる最新アルバム『The Art Of Loving』は最新の米ビルボードアルバムチャートで最高位を更新しています。

続いて今週6位には、オリヴィア・ディーンの『ジ・アート・オブ・ラヴィング』(36,000ユニット/前週比5%増加)が先週の7位から順位を上げて最高位を更新。8位にデビューした10月11日付のチャートから、3週連続でワンランクアップした。

TOP10に初登場した作品が翌週以降に順位を上げて最高位を更新したのは、2025年のチャートでは以下に続く3作目のタイトルとなる。

サウンドトラック『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』:初登場は8位で登場12週目に最高位の1位を獲得

・バッド・バニー『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』:初登場は2位で登場2週目に最高位の1位を獲得

 

2週前の米ビルボードアルバムチャートで8位初登場を果たしたオリヴィア・ディーン『The Art Of Loving』は、その初登場時に43,000ユニットを記録。この段階で「Man I Need」が既に人気を博していたこともあってか、ストリーミングによるアルバム換算分(SEA)が32,000、アルバムセールスが11,000を記録していましたが、同作は以降7位/35,000ユニット、6位/36,000ユニットと推移。所有指標が後退する2週目のユニット数低下は自然なことといえますが、そこから上昇に転じていることに注目です。

 

そのオリヴィアによる「Man I Need」が、次週11月1日付米ビルボードソングチャートで初のトップ10入りを果たすと見込まれています。米ソングチャートを予想するXアカウント、Talk of the Chartsは初期予想の段階で9位に上昇すると示しています。

そして「Man I Need」がトップ10入りする可能性は、米ビルボード自身も紹介。テイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』収録曲の低下、またリカレントルール"強化"によりロングヒット曲の多くがチャートから外れたことを踏まえ、次のように記しています(なおリカレントルール"強化"については米ビルボードソングチャート、2026年度初週にリカレントルールを強化したことについて(10月21日付)をご参照ください)。

Olivia Dean, “Man I Need” (Capitol/Polydor/Republic):

(オリヴィア・ディーン「Man I Need」(キャピトル/ポリドール/リパブリック))

 

If there’s one rising pop star actually making a noteworthy impact in this period of total Taylor Swift dominance, it’s Olivia Dean. The U.K. throwback singer-songwriter has been gradually entrancing bigger audiences on both sides of the pond for all of 2025, and it’s resulted in her new album The Art of Loving not only debuting atop the U.K. Official Albums Chart and in the top 10 of the Billboard 200 — but climbing one spot on the latter chart in each of the two weeks since its bow, as multiple songs from it continue to grow on streaming.

(テイラー・スウィフトが完全に支配するこの時代に、実際に注目すべき影響を与えている新進ポップスターが一人いるとすれば、それがオリビア・ディーンです。英国出身のレトロを基調とするシンガーソングライターは、2025年を通じて大西洋の両岸で着実に、より多くの聴衆を魅了し続け、結果的にニューアルバム『The Art of Loving』は英アルバムチャートで首位デビュー。また米ビルボードアルバムチャートでもトップ10入りしたのみならず、初登場から2週続けて順位を1つずつ上げています。アルバムに収録された複数の曲がストリーミングで着実に成長を続けているためです。)

The biggest of those breakout songs is easily the jubilant advance single “Man I Need,” which first crossed over to the Hot 100 in August. “Man” bounded its way up to No. 12 on the chart earlier this October, before getting buried (like the rest of the chart) under Swift’s The Life of a Showgirl avalanche, falling to No. 20. This week, it begins its rebound, climbing back to No. 17.

(成長を続ける曲の中で最も大きな存在感を示したのが、8月に初めて米ビルボードソングチャートに登場した陽気な先行シングル「Man I Need」であることは間違いないでしょう。同曲は10月11日付で12位まで急上昇したものの、その後は(他の歌手による作品同様に)テイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』収録曲の大挙初登場に押される形で20位にダウン。一方、最新10月25日付では17位に浮上しています。)

It should have even more room to grow soon. Not only will some of the Showgirl songs start to slip out of the top 15, but there are additional openings in the chart’s top tier now thanks to recent Billboard rule changes allowing for songs to go recurrent on the Hot 100 quicker than they used to — with such long-running chart smashes as Teddy Swims’ “Lose Control,” Lady Gaga and Bruno Mars’ “Die With a Smile” and Benson Boone’s “Beautiful Things” falling off the chart this week as a result.

(「Man I Need」については、さらなる成長の余地が生まれることでしょう。テイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』収録曲がトップ15から後退するのみならず、米ビルボードソングチャートが10月25日付にてリカレントルールを変更したことで登場曲が以前より速くリカレント専用チャートへ移行するようになり、チャート上位に空白が生まれるため。このルール変更によりテディ・スウィムズ「Lose Control」やレディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」、ベンソン・ブーン「Beautiful Things」といった長期ランクイン曲が最新週に姿を消しています。)

With those hits out of the way, and Swift’s songs losing momentum in their third week of release, it could be a clear path for “Man I Need” to become Dean’s first Hot 100 top 10 hit in the next week or two. Also helping: Radio has begun to embrace the song, as it debuts at No. 40 on Radio Songs this week, and rose 30% in airplay audience over the first four days of the current tracking week (Oct. 17-20), compared to the previous period, according to Luminate.

(ロングヒット曲がリカレントルール抵触に伴い姿を消し、またテイラー・スウィフトの曲もリリース3週目で勢いが収まりつつあることから、今後1~2週間のうちに「Man I Need」がオリヴィア・ディーンにとってキャリア初のトップ10ヒットと成る、その道筋は開けています。追い風となっているのはラジオでの支持拡大であり、最新10月25日付のラジオソングチャートで40位に初登場。ルミネイトのデータによれば、次週11月1日付における集計期間前半4日分(10月17日~20日)でのエアプレイ聴取者数(インプレッション数)は前週比30%増となっています。)

 

 

※ ()内はDeepL翻訳を基に、意訳したものです。

 

オリヴィア・ディーン「Man I Need」においてはストリーミングのみならず、米ビルボードソングチャートにおいてロングヒットのもうひとつの要たるラジオでも上昇傾向にあることが解ります。これを踏まえれば、次週には「Man I Need」が米ソングチャートでトップ10入りする可能性は十分といえるでしょう。同曲の動向、そしてアルバム『The Art Of Loving』が上昇を続けるかにも注目です。