2020年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2024年7月分です。前の月にリリースされた曲を中心に選出しています。ミュージックビデオ等動画がない曲も含め、エントリーの最後に掲載したSpotifyプレイリストでチェックしてください。
これまでの私的トップ10ソングス等についてはこちら。Spotifyを利用し、New Music Wednesday、New Music Friday Japan、New Music FridayおよびMonday Spinといったプレイリストを毎週チェックしています。
なお、"私的トップ10ソングス"とあるように、月イチで紹介するこのエントリーは完全な私見に基づくベストソング選出企画となります。音楽チャート等紹介の際、個人的な作品への思い入れを乗せないよう心掛けています。
10位 モーゼス・サムニー「Gold Coast」
今月初めにリリースされたEP『Sophcore』からの先行曲。繊細ながら棘や毒気のあるボーカルと、息継ぎを用いた(ような)リズムの融合が中毒性を高めています。
9位 RYUSENKEI「タイムトラベラー」
(公式動画はありません。)
クニモンド瀧口さんによるユニット、RYUSENKEI。4月にリリースされたアルバム『イリュージョン』ではSincereさんを新たなボーカリストに迎えアルファミュージックからリリース。江口ニカさんがボーカルを務めたセカンドアルバム『TOKYO SNIPER』(2006)のようなボーカルの味わい深さ、シティポップムーブメントの正当な続編という印象を強く抱きます。
(なお同曲を知ったのは7月に入ってからゆえ、遅ればせながら選出しています。)
8位 コモン & ピート・ロック「Dreamin'」
レジェンド同士の共演、そしてフックにはアレサ・フランクリンによるソウルクラシック「Day Dreaming」(1972)のサンプリング…これで胸踊るのはともすれば年配者と揶揄されるのかもしれませんが、硬派なビート、そしてコモンによるストーリーテリングの格好良さにはやはり痺れます。
7位 ジー・マローズ「Not Today」
イントロのもたつくように聴こえるリズムには一瞬驚かされるものの、ピアノの音色、Aメロやサビのメロディがとにかく美しい、ただただ身を委ねてしまいたくなる逸品です。
6位 ウェイジア・プロジェクト「Takes Me Back Home」
緩やかに盛り上がっていくアレンジ、ストリングスの挿入、そして出だしのメロディは日本でも受け入れられやすいのでは。メンバーのひとりで俳優としても活動するウィリアム・ガオは母親が中国の方ということもあり、オリエンタルなムードを作り出すことに長けているのかもしれません。
5位 Galileo Galilei「SPIN!」
リリースの毎に高い評判を耳にしていたGalileo Galileiですが、ここまでBPMの速い作品を用意するとは正直意外でした。たまごっちみたいなドットのキャラクター、また2000年代的な音像に懐かしさを抱きつつ、考えるのを忘れてただひたすらに踊りたくなる作品です。
4位 ラケル・ロドリゲス「Out Loud」
くぐもったコーラスと硬めのビートが心地よい直球R&B。Nao Yoshiokaさんも在籍するSWEET SOUL RECORDS発と知り強く納得です(というより、逆に彼女の存在をそれまで知らなかった自分を恥じてもいます)。
3位 優河「Don't Remember Me」
不穏さをにじませた独特のグルーヴ…このイントロだけで勝負ありといった感のある優河さんの最新曲。自分はこの曲から、来日公演を行ったばかりのジャム & ルイスが手掛けたシャンテ・ムーア「Mood」(1994)がオルタナティブなリミックスを施したならばこんな形になるのかもと勝手ながら想像しています。
2位 ベルリオーズ「Open This Wall」
初のフルアルバムのタイトルトラックを2位に。ポエトリーリーディング的なボーカル、淡々としたリズム(ピアノを含む)とサックスの心地よい融合は、自分が以前プレイリスト化したラウンジミュージック的ポップソングにピッタリだと思うなど。プレイリストについては美しき大人の色気…KAT-TUN「Ain't Seen Nothing Yet」から想起した曲プレイリスト(2022年4月4日付)にて紹介しています。
1位 Kaco「FOOL.ヒマラヤ」
既に3年半ほど前にはデモが公開されていた(YouTubeはこちら)、Kacoさんによるこの曲を7月のトップソングに。Aメロやサビ前半における突拍子なく聴こえかねないメロディ、2番サビ直前のアレンジの盛り上げ方からは矢野顕子さんや戸川純さん的、1980年代前半のポップネスを想起しています。コケティッシュなKacoさんの声も見事に合致。懐かしくも新しく、尖っているようで自然…この心地よさはとんでもないですね。
以下、次点として10曲。
・DÉ DÉ MOUSE & MON/KU「Awful」
・レキシ feat. あんみつ姫「エレキテルミー」
・BINI「Cherry On Top」
・エレベーション・ワーシップ feat. クリス・ブラウン & ティファニー・ハドソン「When Wind Meets Fire」
・レジャー & トゥー・アナザー「Oh Why」
・マーティ・ホロベック feat. 井上銘 & 石若駿「Campfire」
・パット・バレット with ジョン・マーク・マクミラン「Happily Hidden」
・ラーヒム feat. アイザイア・フォールズ「Imisstoronto」
・トミー・ジェネシス & オースティン・ミルズ「Church」
・SUMIN & Slom「Why, Why, Why」
トイズファクトリー発となるレキシ再始動第一弾シングル。地味に聴こえかねないものの中毒性は抜群、且つ小泉今日子さんを"あんみつ姫"名義で起用したセンスも見事です。
Spotifyのプレイリストはこちらに。
今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。