イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2024年6月の私的トップ10ソングス、選びました

2020年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2024年6月分です。前の月にリリースされた曲を中心に選出しています。ミュージックビデオ等動画がない曲も含め、エントリーの最後に掲載したSpotifyプレイリストでチェックしてください。

これまでの私的トップ10ソングス等についてはこちらSpotifyを利用し、New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spinといったプレイリストを毎週チェックしています。

 

なお、"私的トップ10ソングス"とあるように、月イチで紹介するこのエントリーは完全な私見に基づくベストソング選出企画となります。音楽チャート等紹介の際、個人的な作品への思い入れを乗せないよう心掛けています。

 

 

10位 ラッキー・デイ「Think Different」

6月最終週にリリースされたアルバム『Argorithm』はロックテイストが強い作品ながら、その根底にはソウルネスが漂っているということがこの曲からも実感できます。それにしても、全編ではないとしても今作にも関与したDマイルの、プロデュース作品の信頼度の高さもあらためて実感した次第です。

 

9位 エス・ティ・ワイ「Party in the dark」

プロデューサーとしての才能は最早言うまでもなく、歌手としての実力も素晴らしいエス・ティ・ワイさんによる新曲。歌声は技巧にも優れながら心地よさが勝り、そしてメロディメイクの上手さ(特にBメロで盛り上げてからサビでクールダウンさせるその対比)が唯一無二たる理由。アルバムリリースを心待ちにしています。

 

8位 mei ehara「まだ早い果物」

アレンジのリフレインが心地よいソウルミュージック。このリフレインは先日のタイニーデスクコンサートでも披露されたチャカ・カーン「Sweet Thing」を思わせるに十分。年内リリース予定の3作目となるアルバムに期待が高まります。

 

7位 折坂悠太「ハチス」

アルバム『呪文』のラストに置かれたのは、戦争の足音が近づいている(ただしこれは日本における形容であり、実際に戦火はあちこちで発生してしまっている)状況への祈りを歌った作品。マーヴィン・ゲイのプロテストソング的アプローチが、曲の持つ説得力を高めています。日本のエンターテイナーが政治や社会問題への言及を未だ避ける(そしてそれが格好いいとすら思われている)中、折坂悠太さんの思いに共感します。

 

6位 シオン「karōshi!」

ドイツ生まれ、韓国人歌手による、"過労死"と冠した作品。音像はコーネリアス的でもあり、サビの高音メロディとAメロでの低音ピアノの上モノという対比が主人公の忙しない心情を想起させてくれます。

 

5位 デイトリック・ハッドン「Without You」

リリースは5月中旬ながら翌月にその存在に気付き、今回選出。ゴスペルの中でも世俗的に近いインスピレーションナルR&Bアプローチを施すデイトリックならではの、それも今作においてはゴスペル界のプリンスと形容されたこともあるトーネイ(現B・スレイド)を想起したサウンドが癖になります。

 

4位 優河「Sunset」

首位で挙げた歌手とは違った形で、こちらは1990年代後半のいわゆるオーガニックソウル/ネオソウル(エリカ・バドゥやエンジェル・グラント等)が漂わせていたクールネスを湛えた作品。それでいて、優河さんのボーカルは温かみがあり、アレンジとの対比が心地よさを増幅させています。

 

3位 レイラ・ハサウェイ feat. マイケル・マクドナルド「No Lie」

前作から5年以上を経てリリースされたアルバム『Vantablack』はMC ライトやジェラルド・アルブライトといったベテランからウィローといった若手までが参加。「No Lie」はあのマイケル・マクドナルドを迎えたタイムレスなソウルミュージックで、アルバム全体に漂う上質な空気を凝縮。レイラの低音ボーカルにも磨きがかかっています。

 

2位 賽 feat. Daichi Yamamoto「Dreamin'」

ジャズを主体とする賽の作品にラッパーのDaichi Yamamotoさんが参加。ヒップホップ自体がそこまで得意ではない自分にとって、Daichiさんによるラップの聴きやすさもさることながら、リリック(特に"俺の得意技またネガティヴが後ろで待つ出番"という部分)が強く刺さります。

 

1位 ラヴィーナ feat. JPEGMAFIA「Junebug」

ボーカルに若干の不安定さは感じつつも心地よさが勝り、2000年代前半主体のR&Bを踏襲したアレンジにマッチ。涼しさ溢れる好ミディアムで、2024年のサマーアンセム誕生と呼びたくなる作品。この曲から想起した作品を別途プレイリスト化した次第です。

 

 

以下、次点として10曲。

・水槽 feat. 相沢「文学講義」

・MON/KU「産毛」

・YONA YONA WEEKENDERS feat. 大塚愛「Orange Moon」

・カミラ・カベロ「Chanel No.5」

・ドー「Right Where You Are」

・グリフ「Anything」

・ジャズ・カリス & リカード・バンクス「Tequila」

・カリード「Adore U」

・モーゼス・サムニー「Vintage」

・PJモートン feat. ファイヤーボーイDML「Count On Me」

YONA YONA WEEKENDERSに客演参加した大塚愛さんの最近の活動に注目しています。昨年リリースの『marble』では川谷絵音さんやミトさん、大沢伸一さん等が参加しながら大塚さんのボーカルの存在感が見事に確立されていたのですが、今回の「Orange Moon」もまた同様。直球ポップなイメージが強いかもしれませんが、どんなジャンルでも自分のものにできるという大塚さんの実力をあらためて実感した次第です。

 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。