2020年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2024年3月分です。前の月にリリースされた曲を中心に選出しています。ミュージックビデオ等動画がない曲も含め、エントリーの最後に掲載したSpotifyプレイリストでチェックしてください。
これまでの私的トップ10ソングス等についてはこちら。Spotifyを利用し、New Music Wednesday、New Music Friday Japan、New Music FridayおよびMonday Spinといったプレイリストを毎週チェックしています。
なお、"私的トップ10ソングス"とあるように、月イチで紹介するこのエントリーは完全な私見に基づくベストソング選出企画となります。音楽チャート等紹介の際、個人的な作品への思い入れを乗せないよう心掛けています。
なお4月7日に開始したStationhead内番組『imaoto on the Radio』にて、トップ3について一足早く紹介しました。番組アーカイブ(期間限定の模様)、および制作目的については下記をご参照ください。
Stationhead【imaoto on the Radio】、第1回目のアーカイブが公開されました。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年4月7日
不慣れな部分もありますが、是非お聴きください。
https://t.co/cb6Ck5N6Lm
10位 ザ・ウォー・アンド・トリーティー「Stealing A Kiss」
フォークやカントリー等を基調とする夫婦デュオの新曲。10年近いキャリアがありながら今年のグラミー賞で最優秀新人賞にノミネートされるという事態は意外ですが、言い換えればこのデュオの魅力にようやく気付いた方が多いということ。妻のターニャは以前R&Bシンガー(ターニャ・ブラウント)として活動しており、ビヨンセ以前にカントリーで活躍する黒人歌手としてその地位を築いています。
9位 ケイシー・マスグレイヴス「Too Good To Be True」
ニューアルバム『Deeper Well』収録曲。ザ・ウォー・アンド・トリーティー「Stealing A Kiss」とはまた違った形で、カントリーの王道を歩むような曲調に。アルバムは米ビルボードアルバムチャートでキャリア最高位となる2位を記録し、自身の持つ週間最多ユニット数も更新しています。
8位 ジョーダン・ラカイ「Learning」
5月にリリースされるニューアルバム『The Loop』からの先行曲。諦めと希望という相反する感情が、重厚感のあるコーラスやストリングス、そしてニューアルバムにて自身のボーカルを中心に据えたいと語っているジョーダンの声からも強く伝わってきます。
7位 マシーンドラム feat. ティナーシェ「Zoom」
来月リリースのニューアルバム『3For82』から、R&B歌手のティナーシェを迎えた先行曲。ドラムンベースを基調としたダンスサウンドで、サビ前まで昇り続ける感情とサビでのクールダウンという対比が癖になる作品。ダンスミュージックとティナーシェとの相性も非常に好いですね。
6位 ウィウィ「Winter Blossom」
メロディの構成に一切の隙がない一方で、冬の終わり/春の始まりを思わせるサウンドや歌声が心地よく、それらの絶妙なバランスに魅入られ幾度となくリピートした作品。ダンサブルなボーカルグループの印象が強いK-POPにあって、興味深いR&B作品も多いことを実感しています。
5位 Travis Japan「T.G.I. Friday Night」
特にSixTONESやSnow ManのCDデビュー以降、事務所所属歌手のサウンド面での個性が際立つようになったと感じる中、Travis Japanはダンスも武器にしながらBTSの英語詞曲(「Dynamite」「Butter」等)に近いポップネスを追究。J-POPに新風を吹き込んでくれる存在といっても過言ではないでしょう。なお、海外に多い”TGIF”作品等、「T.G.I. Friday Night」から想起した曲をまとめたプレイリストを以前掲載しています。
4位 カマシ・ワシントン「Prologue」
不穏なイントロから一転して疾走するドラム、力強く奏でられるブラスが見事。8分強があっという間に感じます。同曲から想起したのは、3月に終了したJ-WAVE『GOOD NEIGHBORS』の最終回、そのラストでクリス智子さんが選んだパット・メセニー・グループ「Last Train Home」。番組終了は悲しいことですが、終わりは次の始まり(”Prologue”)につながるわけで、この2曲は自分の中で対に成っています。
3位 MAZZEL feat. REIKO「ICE」
BMSG所属、BE:FIRSTの後輩にあたるMAZZELによるファーストアルバム『Parade』収録曲。個人的にR&B、それもメロディアスで情愛を歌う作品が好みということも選出の理由ですが、この曲にて要所要所で登場するKAIRYUさんのボーカル力(エッジボイス、細かなビブラート、主人公の感情表現)は近年のダンスボーカルグループの中でも屈指の実力ではないかと感じています。
2位 Taishi Sato「抱擁」
ODD Foot Worksのサポートメンバーにして、グループのプロデュースも担当するTaishi Satoさんによる初のリーダー曲のひとつ。インタビューにてチャンス・ザ・ラッパーの名前が出てくることからゴスペルに精通していることがうかがえるTaishiさんの、新世代ゴスペルと呼べる内容に圧倒されます。いい意味で変則的な音像は、ヘッドフォンで聴くとより鮮明に。今後のリリースが非常に気になる存在です。
1位 Sara Wakui feat. 中村佳穂「行間」
たゆたうように自由に音を奏でる中村佳穂さんのボーカルと、Sara Wakuiさんによるオーケストレーションが最高の形で合致した作品。とりわけボーカルに宿る熱は、中村佳穂さんのリーダー作以上に高いのではと感じるほど。ミュージックビデオにおける三浦透子さんの起用や演技も含め、演者の高次元でのコラボレーションに圧倒されます。
以下、次点として10曲。
・AAAMYYY「拝啓生きとし愛おしきあなた
・NakamuraEmi「晴るく」
・Furui Riho「SAPPORO TOKYO」
・アリアナ・グランデ「The Boy Is Mine」
・シー・シー・ワイナンズ「Come Jesus Come」
・シャーロット・ローレンス「I Don't Wanna Dance」
・トム・ウォーカー「Lifeline」
・V「FRI(END)S」
・ウィロー「Symptom Of Life」
・ズー & サブリナ・クラウディオ「Settle For Less」
サブスク未解禁ゆえ20曲に選ぶことは控えたのですが(音源リリース自体不明)、なにわ男子「NEW CLASSIC」は3月のベスト級と捉えています。
ヴィヴァルディ「四季」より、有名な「春」のフレーズを引用したことで、新たな始まりという感覚をより強く打ち出すことに成功。二段階のサビ後半でのボーカル処理(ユニゾンのボリュームを抑える(ように聴こえる)ことでクラシックとの融合がより心地よく聴こえる点)、2番サビ前のメロディの閉じ方、そしてなにわ男子の得意な音楽ジャンルの確立という点において、「NEW CLASSIC」は新たなスタンダードになる気がします。
(だからこそ、好い作品を純粋に勧められるような環境の整備を、旧ジャニーズ事務所側に対し強く願っています。)
Spotifyのプレイリストはこちらに。
今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。