イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2025年2月の私的トップ10ソングス、選びました

2020年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2025年2月分です。前の月にリリースされた曲を中心に選出しています。ミュージックビデオ等動画がない曲も含め、エントリーの最後に掲載したSpotifyプレイリストでチェックしてください。

これまでの私的トップ10ソングス等についてはこちらSpotifyを利用し、最新曲のみで構成されるプレイリスト(New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spin)を毎週チェックしています。

 

なお、"私的トップ10ソングス"とあるように、月イチで紹介するこのエントリーは完全な私見に基づくベストソング選出企画となります。音楽チャート等紹介の際、個人的な作品への思い入れを乗せないよう心掛けています。

 

 

10位 ヴルフペック「Tender Defender」

個人的には時に組曲的な、良い意味で奇をてらった作品が好みであり、日本の作品ならば歌謡曲的なメロディを落とし込まないものに惹かれるのですが、2月の作品にはひたすらにまっすぐで、温かみのあるポップミュージックが多いと感じています。1980年前後の、ビリー・ジョエルのような美しく楽しいピアノミュージックを再現したこの曲のワクワク感には、やはりかないません。

 

9位 レヴィン・カリ「Are U Still」

ソウルミュージック然としながら、ロックやAOR的な要素も持ち合わせた作品。1番(という括り方は少し違うかもしれませんが)におけるメロディがBメロとサビとで基本的に変わらないながら、リズムの変化や激しいドラムの挿入により世界観が大きく変わるのもポイント。

 

8位 デュランド・バーナー「Overqualified」

アース・ウインド & ファイアー meets ネオソウルというべき構図の作品は昔から沢山あるのですが、この心地よさには抗えません。2番の終わり後の大サビから間奏にかけての展開にもまた美しく、2月は良質なR&Bソウルミュージックが多く生まれていることを嬉しく思います。

 

7位 lo-key design「煌めき」

全編フルセットにて進行するミディアムR&B。以前からこの方の作品には注目していましたが、本作でもメロディラインの美しさと、エッジィでもあるボーカルとの相性の良さに感心しています。

 

6位 藤井風「真っ白」

1970年代のニューミュージック的なアプローチを採用した、今年初の作品。サブスク時代にあっては昔の短さがヒットの法則と言われる中、5分近く尺を誇り、さらに1番の終わりから30秒以上の間奏を設けているところに、プロダクションの自信と藤井風さんの自由さを感じます。そしてこの間奏もまた、ノスタルジックを掻き立てる効果を有しています。

 

5位 サカナクション「怪獣」

3年ぶりの新曲はSpotifyデイリーチャートで歴史的記録を樹立。ボーカル、ピアノ等ひとつひとつの音がサビ前まではっきり立ち上がりながら、サビになると美しく溶け合う姿に、バンド再開の意志を感じた次第。サカナクションファンには良い意味で異質の曲らしいと伺うも、間違いなく彼らの代表曲の1つとなるはずです。

 

4位 Hiromi's Sonicwonder feat. ミシェル・ウィリス「Pendulum」

ジャズテイストのR&Bが好きな者として、このようなアプローチは最高の一言に尽きます。メロディラインはシンプルながら、その繰り返しに伴い熱を帯びていくバンドとボーカルとのセッションは見事。ミシェル・ウィリスのボーカルは力強すぎず、そして美しく、バンドと調和しています。

 

3位 Nosh feat. ACE COOL「智衆」

演者の年齢からはタイトルの元になる俳優(笠智衆さん)のことを存じないのではと思いつつ、小気味よいフロウ、滑舌の良さ(あくまで個人的にですがこの点は特に重要と捉えています)が見事。シンプルでクールなビートも相まって、ヒップホップがそこまで得意ではない筆者にも深く刺さる作品に。

 

2位 アディソン・レイ「High Fashion」

妖艶さを備えつつ、しかしそれがトゥーマッチではないため継続聴取するうちに沼にハマる、そんなタイプの作品。高音のAメロからはじまりサビの低音(を主体としたハーモニー)に至る落差も中毒性を高めるに十分。ミックスにより美しさとミステリアスな世界がより引き立っています。

 

1位 岩崎太整 feat. 優河「next to you」

大ヒット中の映画『ファーストキス 1ST KISS』エンディングテーマとなるこの曲。映画は未見ですが、曲の持つ明るい日差しのような温かさが、名作と評判の高いこの作品により深い余韻を与えているものと想起。優河さんについては昨年度の年間ベストに「Love Deluxe」を選出しているのですが、このような寄り添うタイプの作品もこなせることに、才能の豊かさを感じずにはいられません。

 

以下、次点として10曲。

・Ayumu Imazu「THRIFTED」

・Vaundy「Somebody help us」

・コイ・リレイ「Keep It」

・エマ=ジーン・サックレイ feat. カッサ・オーバーオール「It's Okay」

・ハル「Back And Forth」

・キャメロン・マーロウ「If You Stay」

・リトル・シムズ feat. オボンジェイヤー & ムーンチャイルド・サネリー 「Flood」

・オンリー・ザ・ポエッツ「I Keep On Messing It Up」

サム・スミス「Love Is A Stillness」

・サーペントウィズフィート「Wanderer」

最後までトップ10入りを迷ったのが、キャメロン・マーロウ「If You Stay」。オーソドックスなカントリー曲ですが、ドラマティックな(しかし大仰になりすぎない)普遍的な美しさを持ち合わせています。

 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。