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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

美しき大人の色気…KAT-TUN「Ain't Seen Nothing Yet」から想起した曲プレイリスト

KAT-TUN「Ain't Seen Nothing Yet」の美しさ、堪りません。

この曲が「STING」共々リード曲と位置付けられたアルバム『Honey』は、ジャニーズ事務所所属歌手で初となるオリジナルアルバムでのフィジカル/デジタル同日解禁を果たしました。

KAT-TUNの攻めの姿勢は「Ain't Seen Nothing Yet」にも表れた形と言えます。流麗なアレンジ、ファルセットを多用したサビ、特に亀梨和也さんの声の麗しさが混ざりあった大人の色気溢れる逸品。個人的には3月リリースの作品でベスト級と捉えています。

 

というわけで、このKAT-TUN「Ain't Seen Nothing Yet」から想起した曲でプレイリストを作成してみました。

 

欅坂46「エキセントリック」(2017)

クラブジャズとしてWikipediaで紹介されているこの曲は、自分が以前担当したラジオ番組で別のDJの方から教えていただき、衝撃を受けました。

KAT-TUN「Ain't Seen Nothing Yet」では抑えめだったピアノが「エキセントリック」では前面に配置され、特に大サビでジャズ的コード進行を採っているのが面白いですね。音楽理論を持ち合わせていないのでコード進行を解説できないのがもどかしいのですが、このピアノの存在が曲を美しくする大きな武器になっていることは断言できます。

 

・ソーニャ・マリー「And I Gave My Love To You」(1995)

ミュージックビデオおそらく未制作のこの曲は、ホイットニー・ヒューストン主演の映画『Waiting To Exhale (邦題:ため息つかせて)』主題歌。サウンドトラックはグラミー賞の最優秀アルバム賞にノミネートされるほどの高クオリティで、ベイビーフェイスが全面プロデュースを手掛けています。

先述した欅坂46「エキセントリック」を2017年の私的邦楽ベストソングスに選んだ際、紹介文で形容したのがこの曲。ソーニャ・マリーによるポエトリーリーディングをピアノで支えるのがパトリース・ラッシェンというのも贅沢な配置です。「And I Gave My Love To You」や『Waiting To Exhale』サウンドトラックについては下記ブログエントリーでも紹介しています。

 

FANTASTICS from EXILE TRIBE「サンタモニカ・ロリポップ」(2022)

ここからはソングライターつながりで。Ain't Seen Nothing Yetには3名が作曲でクレジットされていますが、そのうちフェリックス・バックが手掛け今年リリースされたのが「サンタモニカ・ロリポップ」。この曲でも薄くピアノが敷かれ、特にイントロが「Ain't Seen Nothing Yet」を想起させるに十分。いやむしろ、出だしは「And I Gave My Love To You」とほぼ一致しているのが面白いですね。

 

w-inds.「CAMOUFLAGE」(2017)

(上記は公式オーディオとなります。)

フェリックス・バック共々KAT-TUN「Ain't Seen Nothing Yet」を手掛けたアンドレアス・オバーグおよびニノス・ハナ(ハンナ)はサウンドグラフィックス所属のクリエイター(同社ホームページはこちら)。アイドルを含むJ-PopやK-Popアクトへの提供を多数実施。このふたりはw-inds.「In Love With The Music」(2015)も手掛けています。

その後w-inds.橘慶太さんによるセルフプロデュース作が増加し、またその橘さんのファルセットボイスが進化した印象があります。橘さんのセルフプロデュース曲で好事家の注目を集めた「We Don't Need To Talk Anymore」(2017)を含むアルバム『INVISIBLE』(同年)に収録された「CAMOUFLAGE」は全編ファルセットという異色の作品で、橘さんは実力をいかんなく発揮。亀梨和也さんのファルセットから思い出した次第です。

 

 

KAT-TUN「Ain't Seen Nothing Yet」から想起した曲は現段階ではそこまで多くありませんが、流麗な大人の色気(欅坂46においては抵抗)を支えるピアノの敷き方やファルセットが印象的な作品群となっています。

このブログエントリーを書いて思ったのは、w-inds.KAT-TUNの相性はきっと好いはずだということ。橘慶太さんに曲提供してもらうというのは現実味が低いとして、可能性はゼロではないでしょう。双方が活きる作品が誕生する予感がします。

そしてKAT-TUNがアルバムもサブスク解禁に至ったことで、サブスクでのプレイリスト作成が可能に。未解禁の他の歌手も追随して欲しい、そう心から願っています。