パリオリンピックがはじまり、音楽チャートにも影響が出始めています。
日本における7月27日付Spotifyデイリーチャート。50位以内の再生回数はどちらかといえば、前日より上昇している曲が多い状況です。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年7月28日
首位は55日連続で #MrsGREENAPPLE「#ライラック」。再生回数前日比99.5%、403,015回再生を記録しています。
日本のSpotifyデイリーチャートでは、平日の中で金曜の再生回数が最も少ない一方、金曜から土曜にかけては大きく、且つ50位以内においてはほぼすべての曲が伸びる傾向にあります。一方でオリンピックのような関心度の高いイベントが、音楽聴取の時間を五輪視聴へ移行させる傾向があることについては以前お伝えしました。

ビルボードジャパンソングチャートでの2022年度以降を期間とするSpotifyデイリーチャート200位推移をみると、直近の7月27日土曜付における再生回数は46,411回。再生回数が高くなる土日祝日では、4月20日土曜付における45,611回以来の低水準となります。ユーザー数ならびに全体の再生回数が順調に上昇しているであろう他のサブスクサービスでも、この1ヶ月ちょっとは低調が続くものと思われます。
(ちなみに日本の7月27日付Spotifyデイリーチャートにおいて、再生回数前日超えを果たしたのは50位以内が29曲だった一方で51~100位では6曲と大きく異なります。これはオリンピック視聴に可処分時間を充てた(音楽聴取から移行した)方が多い中、今ヒットしている曲をまとめたトップ50プレイリストを引き続き聴く方(主にライト層)が多いことも示しているといえます。)
そんな中、日本における最新7月27日付Spotifyデイリーチャートでは、前日から再生回数が5%以上伸びた曲があります。今回は該当の4曲を主体に、オリンピック期間中も再生回数が変動しにくいだろう曲について考えます。
日本における7月27日付Spotifyデイリーチャート、100位以内で再生回数前日比5%以上上昇曲。#JIMIN「#Who」 再生回数前日比107.9% 2→2位#CreepyNuts「Bling-Bang-Bang-Born」(#BBBB) 同105.2% 4→4位#Number_i「#GOAT」 同112.4% 46→33位#V「#LoveMeAgain」 同111.6% 90→67位
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年7月28日
直近のSpotifyデイリーチャートで勢いをキープできた曲にはいくつかの傾向があります。
まずは夏がテーマの作品。あいみょん「マリーゴールド」が再生回数前日比102.9%をマークし105→86位に上昇、また2008年リリースのYUI「SUMMER SONG」が167位に初登場を果たしています。他にもテイラー・スウィフト「Cruel Summer」(122→106位)、aiko「花火」(165→138位)、ゆず「夏色」(200→164位)、Mr.Children「HANABI」(196→165位)等が順位を大きく伸ばしたことも、夏曲の勢いを感じるに十分です。
続いてはスポーツやその関連曲。直近のSpotifyデイリーチャートではバスケットボールを題材とした映画『THE FIRST SLAM DUNK』(2022)のエンディング主題歌、10-FEET「第ゼロ感」は再生回数前日比101.6%となり、113→95位に上昇しています。またSEKAI NO OWARI「最高到達点」は前日から微減(99.96%)となりながら106→93位、Ado「新時代」は131→117位となり、勝利や前向きな感情を謳った曲が強い状況です。
パリオリンピックではBTSのJINが聖火ランナーを務めていましたが、そのBTS関連曲は再生回数が増加。JIMIN「Who」は2位をキープしながら再生回数前日比107.9%となり同曲初のデイリー40万回再生を突破したほか、ジョングク feat. ラトー「Seven」(再生回数前日比102.3% 28→28位)、JIMIN feat. Loco「Smeraldo Garden Marching Band」(同101.7% 66→61位)、V「Love Me Again」(同111.6% 90→67位)が上昇しています。
K-POP以外でも、たとえばNumber_iの3曲がいずれも再生回数を前日より伸ばしていることに注目です。「GOAT」は再生回数前日比112.4%を記録し46→33位に急伸したほか、「BON」は同102.2%で39→35位、「FUJI」は同103.4%となり190→159位となっています。
K-POP、また日本の楽曲の中でもファンダムの熱量が高い歌手による作品は土曜の再生回数が他の曲に比べて伸びにくいという傾向があると以前紹介しましたが、今回はむしろ伸びているようにみえます。これは見方を変えればファンダムがライト層より可処分時間のオリンピックへの移行が小さく、推す歌手の作品を普段から聴いているためオリンピックの影響が受けにくくなっているといえるのかもしれません。
最後に。Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」(再生回数前日比105.2% 4→4位)についてはUGC("踊ってみた"等に代表されるユーザー生成コンテンツ)やTikTok、カラオケといった活用での人気が高く、子どもたちが休みとなる土日に伸びることが以前から示されていました。活用の人気曲においてはYOASOBI「アイドル」も再生回数前日比103.9%を記録、24→21位に上昇しており、夏休みに入ったことが影響したものと考えます。
無論、オリンピック開始間もない1日分の動向だけで傾向のすべてを断言することはできません。しかしながら今回は再生回数の変化が如実に表れたゆえ、ビルボードジャパン総合ソングチャート共々注目する必要があるとして紹介した次第です。