(※追記(11月13日20時09分):紅白の出場歌手が11月13日に発表されたことを踏まえ、出場歌手の傾向を分析したエントリーを記載しました。このエントリーの最後にリンクを掲載しています。)
大晦日に放送される『第74回NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 以下”紅白”と表記)の出場歌手予想、今回は最終予想となる第三回です。
このブログでは9月に第一回(→こちら)および第1.5回(→こちら)、10月に第二回と銘打った予想を掲載しました。
予想第1.5回の用意はジャニーズ事務所所属歌手が出場しない可能性を踏まえてのものでしたが、後にNHKは今年の紅白にて同事務所所属歌手の出場がないことを半ば明言した形です(下記リンク先参照)。そして第二回予想発表の前には放送時間、司会者およびテーマの発表が行われています(第二回予想リンク先に掲載)。
メディアによる紅白出場歌手の内定報道については下記エントリーにてまとめています。
内定報道の精度は上がったと感じるものの完全ではないということは認識する必要があります。また紅白についてはいわば”くさす”報道も散見されますが、たとえば昨年の紅白はネットで話題となり見逃し配信も多かったことから、リアルタイム視聴率(それ自体テレビ全体で下がっていることをまずは認識すべきです)がすべてではない、そしてネットの活用に積極的になっているということを知る必要があります。
というわけで今回、今一度今年の紅白出場歌手の予想を掲載します。なお放送時間は変わらないことから、紅白共に22組、および特別枠数組を紹介します。また今回の予想は旧ジャニーズ事務所所属歌手未選出を踏まえたものとなります。
昨年の出場歌手および披露曲、曲順は下記リンク先をご参照ください。
紅白では出場歌手の選考基準を、【今年の活躍】【世論の支持】【番組企画にふさわしいか】と定義しています。
【今年の活躍】については、ビルボードジャパンによる上半期各種チャートも参考になるものと考えます。また、特に初登場歌手の選考においてはビルボードジャパンによるトップアーティストチャート(ソングチャートとアルバムチャートを合算したもの)での安定性が重要であるということについて、このブログで紹介しています。
【番組企画にふさわしいか】については、【NHKタイアップがあるか】や【NHKの(音楽)番組に出演しているか】と置き換えてもいいでしょう。その他にも【周年記念のタイミングか】、また【年末年始のリリースはあるか】も基準に成るものと考えます。前回予想して以降、後者においては年末年始のリリース作品が続々アナウンスされており、そちらも考慮しています。
(なおこれらの選出基準については、音楽ナタリーに寄稿したコラム(リンク先は後述)にて記しています。またピンズバNEWSでの電話取材でも同種の内容について説明しており、こちらについては「チャートアナライザー」の検索結果|ピンズバNEWSから辿ることができます。)
ということで、紅白出場歌手の最終予想(三回目)を掲載します。
<『第74回NHK紅白歌合戦』 出場歌手予想>
※ 前年同様、紅白各22組にて予想しています。以下敬称略。
※ 初出場(予想)には"(初)"、復帰(予想)には"(復帰)"と記載しています。
※ 前回予想との変更点に加えて、昨年からの入れ替わりについても記載しています。
・紅組
新しい学校のリーダーズ (初)
Ado (初) ※前回は"ウタ"名義で出場
ano (初)
宇多田ヒカル (復帰)
XG (初)
TWICE
NiziU
NewJeans (初)
日向坂46
松田聖子 (復帰)
MAN WITH A MISSION × milet (初) ※前回はmilet単独で出場
YOASOBI (復帰)
LE SSERAFIM
和田アキ子 (復帰)
(前回の予想から外した歌手:島津亜矢)
(2022年から入れ替わった歌手:IVE、ウタ、Aimer、工藤静香、篠原涼子、Superfly、SEKAI NO OWARI、Perfume、milet、milet×Aimer×幾田りら×Vaundy)
・白組
INI (初)
imase (初)
Official髭男dism
JO1
純烈
Stray Kids (初)
SEVENTEEN (初)
Da-iCE (初)
10-FEET (初)
Vaundy
back number (初) ※前回は特別枠として出場
BE:FIRST
藤井風
ポルノグラフィティ (復帰)
Mrs.GREEN APPLE (初)
米津玄師 (復帰)
(前回の予想から外した歌手:なし)
(2022年から入れ替わった歌手:関ジャニ∞、KinKi Kids、King & Prince、Saucy Dog、鈴木雅之、SixTONES、Snow Man、なにわ男子、三浦大知、ゆず)
※ 予想一回目ではジャニーズ事務所所属歌手や関連歌手として白組にKing & Prince、SixTONES、Snow Manおよびなにわ男子を、特別枠にて男闘呼組を予想していましたが今回外しています。また男闘呼組メンバーがすべて在籍するRockon Social Clubについても同様です。
・特別枠
結束バンド
ジョングク
(前回の予想から外した歌手:なし)
今回の予想は前回から大きく変えてはいませんが、谷村新司さんのトリビュートとして天童よしみさんが「昴」を歌うのではないかと考え、島津亜矢さんから差替えています。尤も島津さんもこの曲をカバーされていますが、連続出場している歌手がカバーを披露するほうがスムーズと局側が判断するかもしれません。またメディア露出を踏まえればAdoさんや米津玄師さんは難しいと思いつつ、今回も出場予想に含めています。
今回は前年の紅白からの入れ替わりについても記していますが、およそ半数近くが刷新されるという形となりました。白組は旧ジャニーズ事務所所属歌手がおそらく出ないだろうことを踏まえてのものですが、その白組のみならず紅組においても"今年ヒット曲を輩出した歌手をきちんと優先する"というスタンスにて選んでいます。
そのスタンスに伴い、予想にて出場可能性が高くないと判断したのがSuperflyやPerfume、鈴木雅之さん、そしてゆずですが、現実的には世論を踏まえ中堅やベテラン歌手は数組選出されるかもしれません。
🎍🔴⚪紅白歌合戦 出場者予想 2023🔴⚪🎍
— 音楽ナタリー (@natalie_mu) 2023年10月26日
ミセス? NewJeans? 10-FEET? サザン? 今年のラインナップをライターたちが徹底予想https://t.co/xMM2EnCLfn
予想するのは
🔸Kei
🔸柴那典
🔸てれびのスキマ
🔸西森路代
の4人です
その中にあって、自分も寄稿した音楽ナタリーでの出場歌手予想コラムにて、てれびのスキマさんおよび西森路代さんが予想した香取慎吾さんが(中堅という位置付けとして)出場することは十分考えられます。旧ジャニーズ事務所所属歌手が出場しないならば、目玉とも成り得るでしょう。新しい地図のメンバーである草彅剛さんが朝ドラ『ブギウギ』に出演していることからも、その可能性は低くないかもしれません。
一方で、香取慎吾さんがSEVENTEENとコラボした「BETTING」(草彅剛さんが主演したドラマ『罠の戦争』(関西テレビ/フジテレビ)の主題歌)は、ビルボードジャパンソングチャートでの100位以内エントリーが2週にとどまっています。この点から十分なヒットと捉えることは難しいといえるかもしれず、今回はリストに含めませんでした。
ただしSEVENTEENが出演する可能性を踏まえれば、香取慎吾さんがゲストで登場しSEVENTEENと共演を果たすことも考えられます。
また、出場の可能性が十分考えられるとしながらも予想から外したのが、音楽ナタリーのコラムにて柴那典さんが選出しているマカロニえんぴつです。ストリーミング億超えが5曲となったのみならず、最新チャートにて「恋人ごっこ」が3億回を突破したことがアナウンスされています。
マカロニえんぴつ「恋人ごっこ」自身2曲目のストリーミング累計3億回再生突破 https://t.co/qIV0GQslMP
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2023年11月7日
上記はソングチャートとアルバムチャートを合算したビルボードジャパンによるトップアーティストチャート(Artist 100)のCHART insight(11月8日公開分までの60週分を表示)。マカロニえんぴつはストリーミング(青で表示)やカラオケ(緑)が高く、総合チャート(黒)でも安定した成績を示しています。
このチャートでの安定は出場に大きく作用するものと考えますが、一方で白組は若手バンドが多く(Official髭男dism、King Gnu、back number、Mrs.GREEN APPLE)、この中にあって今年を代表するヒット曲輩出という点では強くはないのではと考え、選出しなかった次第です。ただ、カラオケにて「サウダージ」が強いという理由で予想したポルノグラフィティが選ばれず、マカロニえんぴつが選ばれる可能性も有り得るでしょう。
(ポルノグラフィティの選出理由については第二回予想にて記載しています。またOfficial髭男dismはボーカルの藤原聡さんの療養に伴い現在ライブ活動は行っていませんが、今年はNHK全国学校音楽コンクール(Nコン)中学校の部に「Chessboard」を書き下ろしています。ライブ活動再開の場として紅白を選ぶ可能性もあるかもしれないと考え、今回選出しています。)
他にも出場の可能性がある歌手として、紅組は先述した島津亜矢さん(メディア露出を踏まえれば演歌・歌謡曲界を代表する存在でしょう)、松本梨香さん(出演したTHE FIRST TAKE動画が2千万回再生を突破)、白組はTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE(ベストアルバム発売前、LDHの中でも特に勢いがあります)が挙げられます。ともすればNHK関連作品のリリースを踏まえ、特別枠にてチェッカーズの登場もゼロではないかもしれません。
2023年9月にデビュー40周年を迎えるチェッカーズのNHKに残された貴重映像が高画質で Blu-ray化! 今も色褪せない名曲のパフォーマンス映像を4K映像同等のクオリティにアップグレーディングした、Blu-ray4枚組豪華プレミアムBOX仕様。
また、過去5年間に様々な形で四度の出場を果たしているYOSHIKIさんの動向も気になります。
最後に。今回の紅白には旧ジャニーズ事務所所属歌手がおそらく出ないという見方が主流となっていますが、一方で性加害問題の補償や立て直しの進捗状況によっては、もしくは一時限定にて復活した男闘呼組については出場の可能性がゼロではないという見方も、メディアは報じています。
その男闘呼組のみならず、旧ジャニーズ事務所に所属し昨年紅白に出場した関ジャニ∞、KinKi Kids、King & Prince、SixTONES、Snow Manおよびなにわ男子はいずれもサブスクを解禁していません。現状では嵐やTravis Japan等に加えて、Kis-My-Ft2がLINE MUSIC限定で解禁、またHey! Say! JUMPが今秋デジタルEPをリリースしましたが、特にフィジカルに強い歌手の大半は未だデジタルに明るくなっていません。
この姿勢は、NHKの音楽関連番組が(紅白も含めて)徐々に徹底してきているネットでの発信と、大きく異なるといえるでしょう。
このデジタルに明るくない歌手についてはジャニーズ事務所に限らずベテランでも散見されることについて、上記エントリーで紹介したばかりです。仮に今回NHKがデジタルに明るくない歌手を選ばないならば、来年以降の出場歌手選考条件に【デジタルをきちんと解禁しているか】が加わるかもしれません。
※ 引用部分における"上記エントリー"とは、XGのアルバムチャート制覇、Mr.Childrenの解禁スケジュールから考える、デジタルの重要性と日本の問題(10月6日付)を指します。
ともすれば今回の紅白にて予想した歌手の中にも未だデジタルに明るくない歌手がいらっしゃるかもしれませんが、NHKは『NHK MUSIC EXPO 2023』以降顕著になったと思しきYouTubeでの各歌手のフルでのテレビパフォーマンス配信を行うことを前提に、デジタルに明るくない歌手に対し毅然とした姿勢を示すかもしれません。海外でも番組が視聴可能ならば尚の事でしょう。
(『NHK MUSIC EXPO 2023』については『NHK MUSIC EXPO 2023』の施策から、テレビパフォーマンス映像のYouTube公開時における最善策を提案する(9月20日付)にて紹介。また今月の"完全版"と称した放送後にも、ほとんどの歌手によるテレビパフォーマンス映像がフルバージョンにて公開されています。最善は公開期間を限定せず、歌手側のYouTubeチャンネルにて発信することと考えますが、NHKの姿勢は注目すべきです。)
※追記 (11月13日20時09分)
紅白の出場歌手が11月13日に発表されたことを踏まえ、出場歌手の傾向を分析したエントリーを同日付にて掲載しました。つきましては下記リンク先をご参照ください。