イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ビルボードジャパン最新動向】Ado「唱」が6度目の首位にして最高ポイント獲得、次週以降の動向に注目

最新11月8日公開分ビルボードジャパンソングチャート(集計期間:10月30日~11月5日)ではAdo「唱」が2週連続、通算6週目の首位を獲得しました。

Ado「唱」は今週、同曲における最高ポイントを更新しています。

 

ポイント増加の要因について、ビルボードジャパンはこのように紹介しています。

各指標を見てみると、ストリーミングとダウンロード、動画再生数で首位、ラジオは3位、カラオケは6位を獲得。ダウンロード数やストリーミング数も増加したが、特にラジオとカラオケの伸びが大きく、ラジオは28%、カラオケは24%ポイントが増加するという結果となった。TikTok Weekly Top 20では3週連続首位、Top User Generated Songsは4週連続の首位を獲得するなど、ハロウィンを迎え、ユーザーに大きく広がった様子がうかがえる。

今回の集計期間2日目となる10月31日火曜がハロウィーン(ハロウィン)当日であり、またAdo「唱」が用いられたユニバーサル・スタジオ・ジャパン"ハロウィーン・ホラー・ナイト"のダンスショーは今回の集計期間最終日まで開催。ハロウィーンや関連イベントと重なったことで、ポイントがさらに伸びたと捉えていいでしょう。

 

 

一方で、Ado「唱」は次週のポイントを注視する必要があると考えます。イベントの反動が比較的大きく反映されると思われるためです。

当週、「唱」において特に大きく伸びた指標はラジオ(前週比28%アップ)およびカラオケ(同24%アップ)です。日本のソングチャートにおいては、ストリーミング以上にラジオに対して季節感が大きく反映される傾向にあります(米ビルボードのソングチャートとは対照的な動きです)。ゆえにハロウィーン後のラジオ指標は大きく下がる可能性が否めません。

また「唱」はTikTok Weekly Top 20およびTop User Generated Songsといった、接触指標群(ストリーミングや動画再生)に特に影響を与える関連チャートでも首位となり、いわゆる"活用"の強さが際立っています(この活用については、上記エントリーにて紹介しています)。これら活用が反映される関連チャートはイベント終了に伴い、ソングチャートに先駆けてダウンする可能性が高いといえます。

 

Ado「唱」において、ストリーミング指標にデータを提供するSpotifyのデイリーチャートをみると、今回の集計期間中における前週同曜日との再生回数比に大きな変化がみられます。10月30日付は前週同曜日比102.3%、翌日(ハロウィーン当日)は同102.4%となった一方、11月1日以降は98.4%、96.5%、113.2%、97.4%、94.7%と推移。11月3日付は祝日で連休初日のため前週を上回りましたが、それ以外は前週を割っています。

日本においてハロウィーン関連曲がストリーミングで急落することは考えにくいかもしれませんが、それでも次週において再生回数が前週より1割前後下がるかもしれません。加えてラジオやカラオケといった指標が減少する可能性を踏まえれば、次週11月15日公開分においてAdo「唱」のポイント前週比は1割以上ダウンすることもあるのではというのが私見です。

 

Ado「唱」は2位以下に大差をつけており、次週以降首位を獲得する可能性は十分です。現在は「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」と並び6週首位となってますが、近い将来「唱」がAdoさんにとって単独での最長首位獲得曲となるかもしれません。

加えて「唱」は現時点で10万近いポイントを獲得しており、年間チャートでの上位進出も見込めます。次週のポイント前週比のみならず、年間単位でこの曲の動向を追いかけていく必要があるでしょう。