今月中旬に放送された『NHK MUSIC EXPO 2023』の内容が興味深く、遅ればせながら今回紹介。下記ポスト(ツイート)でも記載されている、放送後のコンテンツが面白いことになっています。
◤🪩#NHK_MUSICEXPO 放送終了🪩◢
— NHK MUSIC (@nhk_musicjp) 2023年9月14日
ご覧いただきありがとうございました✨
📱#NHKプラス で見逃し配信👀
9/21(木) 22:44まで✅
👉 https://t.co/vbkvYXzvbT
このあともEXPOを楽しんでいただける
コンテンツをお届け予定🔜
投稿をお楽しみに😎👌
これからも
皆さんのボーダレスな活躍を願って📸 pic.twitter.com/ygWnz1aI7w
上記はNHK MUSICのYouTubeチャンネルにおける動画一覧(→こちら。キャプチャ自体は9月19日20時20分時点)。注目は、このチャンネルにおいては珍しく、番組内のパフォーマンス映像がフルでアップされているということです(ただし一部パフォーマンスは公開自体行われていません)。
先週の #NHK_MUSICEXPO は希少性の高い共演など紅白を先取りするような内容でしたが、オンエアからも多くのフル尺歌唱動画が公式YouTubeにアップされていますね。
— 徒然研究室(仮称)✍🏻 (@tsurezure_lab) 2023年9月18日
同チャンネル全動画の動画別視聴回数を可視化してみました。先週分の動画は公開数日にもかかわらず多く視聴されていることがわかります。 https://t.co/B8cU7jIRFo pic.twitter.com/bhGvHAhzDH
上記は一昨日夜の段階で徒然研究室(仮称)さんがアップした内容ですが、『NHK MUSIC EXPO 2023』関連動画の再生回数が如何に多いかがよく解ります。パフォーマンス映像を短尺化せずフルで配信することの重要性が理解できるはずです。
テレビ番組のパフォーマンス動画については4月以降、ジャニーズ事務所所属歌手がTVerでの見逃し配信に前向きになったのみならず、基本的にTVerでの解禁終了後に歌手側のYouTubeチャンネルにて期間限定で公開を開始。『CDTVライブ!ライブ!』を皮切りにTBSでその状況が徹底されていますが、今夏の音楽特番ではTBSのみならず日本テレビやテレビ東京でもその状況が敷かれています(上記リンク先参照)。
【THE RAMPAGEパフォーマンス映像公開!】
— music station (@Mst_com) 2023年8月31日
先日、8月25日(金)のMステ2時間SPで
「Summer Riot ~熱帯夜~」を披露した#THERAMPAGE のパフォーマンス映像を
MステYouTubeで特別公開✨✨
TVでご覧になった方も見逃した方も是非ご覧ください😆😆https://t.co/3Jtdtsmb2g
一方でフジテレビやテレビ朝日は番組もしくは局のYouTubeチャンネルにて公開する傾向に(上記参照)。そしてNHKではパフォーマンス映像の短尺版をYouTubeに用意し、フルバージョンはNHKプラスで視聴するよう促しています。今回の『NHK MUSIC EXPO 2023』関連動画でもテロップにその旨が記されていますが、それでもテレビパフォーマンスの映像を切らずに公開することは珍しく、この変化を興味深く感じています。
ただし懸念も。テレビ局や番組のYouTubeチャンネル発となる動画では、ビルボードソングチャートの動画再生指標でカウント対象となるISRC(国際標準レコーディングコード)が付番されていないことが多いといえる状況です(上記リンク先参照)。ゆえに今回の『NHK MUSIC EXPO 2023』関連動画が人気となってもチャートに反映されない可能性が高いと考えられます。だとすれば、はっきり機会損失だと断言していいでしょう。
さて、『NHK MUSIC EXPO 2023』出演者すべてのパフォーマンス動画がアップされいるわけではありません。YOASOBI「アイドル」については夏フェス出演時の映像が使用されたためその権利関係が影響しているものと思われますが、Travis Japan「Candy Kiss」についてはスタジオでのパフォーマンスながらアップされていません。
先述したように、ジャニーズ事務所所属歌手のテレビパフォーマンス映像は歌手側のYouTubeチャンネルにて公開される傾向にあり、ともすればNHKの映像でも同種の措置が採られるかもしれません(『NHK MUSIC EXPO 2023』のNHKプラスでの配信は明日22時44分までとなります)。しかし、なぜ「Candy Kiss」だけが外れるのかというのはやはり気になるところです。
このブログではテレビパフォーマンス映像のYouTube公開に関して様々紹介してきました。その上で弊ブログが考える最善策を記すならば、①放送から間を空けずに(番組の見逃し配信が終了するのを待たずに)、②歌手側の公式アカウントにて、③期間限定を設けず、④短尺化せずに、発信することです。実際、日本の番組においてはK-POP歌手の動画公開が先を進んでいると感じており、日本の歌手もできないわけではないはずです。
一方、②が叶わずテレビ局側のYouTubeチャンネルでの公開となった場合でも、⑤ビルボードジャパンソングチャートの動画再生指標でカウント対象となるISRC(国際標準レコーディングコード)をきちんと付ける、ということは絶対に必要です。これについては音楽業界がメディアに対し、ISRCについての意識付けをきちんと行う必要があります。加えて、⑥歌手の所属先で公開する/しないの差を設けない、ということも必須です。
<テレビパフォーマンス映像をYouTubeで公開する際の最善策>
① 放送から間を空けずに(番組の見逃し配信が終了するのを待たずに)公開する
② 歌手側の公式アカウントにて公開する
③ 期間限定を設けず公開する
④ 短尺化せずに公開する
⑤ (②が叶わずテレビ局側のYouTubeチャンネルでの公開となった場合でも)ビルボードジャパンソングチャートの動画再生指標でカウント対象となるISRC(国際標準レコーディングコード)をきちんと付けて公開する
⑥ 歌手の所属先で公開する/しないの差を設けず、公開する
今一度まとめました。これら6点が徹底されていくことを、心から願います。
今回の『NHK MUSIC EXPO 2023』の対応は、昨年の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 以下"紅白"と記載)での対応を進化させたものと捉えていいでしょう。紅白に関して、先述した徒然研究室(仮称)さんによるnoteを紹介します。
年末年始にぱらぱらツイートしてきました #NHK紅白歌合戦 の分析を #note に加筆修正してまとめました。
— 徒然研究室(仮称)✍🏻 (@tsurezure_lab) 2023年1月7日
紅白自体も分析もとてもワクワクしました。いまから今年の大晦日が楽しみです 笑
紅白歌合戦を「視聴率以外」のデータから視覚化してみる|こちら徒然研究室(仮称) https://t.co/edOm5egC0t
昨年の紅白では各歌手のパフォーマンス映像のハイライト部分を短尺版にてYouTube発信したことも大きな効果をもたらしています。リアルタイム視聴率が高くないとしてバッシングされがちな紅白ですが、YouTubeも含むネットの強化が関心の高さにつながりました。
楽曲のヒットを複合指標から成るビルボードジャパンソングチャートで判断するように、テレビにおいても複合指標から成る評価軸での判断が必要だと感じます。
7月クールの連続ドラマで大ヒットしたと多くの方が認識しているであろう『VIVANT』(TBS)の最終回の視聴率が昨日判明しました(上記参照)。この数値は以前ならば大ヒットとは言えないでしょうが、大ヒットと捉える方の多くは見逃し配信の多さや口コミの多さ等もその根拠に用いているのではないでしょうか。だとすれは、複合指標で判断するということが自然とできているということになります。
その考え方をより多くの方が共有でるよう、メディア側が複合指標から成る評価軸を用意し、時代に即してブラッシュアップすることを希望します。そうすれば紅白を"リアルタイム視聴率が低い"ゆえに叩くということが如何にナンセンスかが分かるはずです。メディアにはそのバッシングの熱量を、評価軸の作成やテレビパフォーマンス映像のYouTubeでの公開徹底を求める動きに変えることを願います。
『NHK MUSIC EXPO 2023』の動画の動向を番組や局側が検証し、紅白をはじめとする音楽番組に活かすと共に他局にも好事例を伝播させることを希望します。