(※追記(9月13日8時15分):このエントリー掲載後にジャニーズ事務所が行った会見、そしてそれに基づく反応を踏まえ、ジャニーズ事務所所属歌手が選ばれないことを前提とした出場歌手予想を作成し、エントリーを公開しました。このエントリーの最後にリンクを掲載しています。)
大晦日に放送される『第74回NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 以下”紅白”と記載)の出場歌手を予想します。
昨年の出場歌手および披露曲、曲順は下記リンク先をご参照ください。
紅白では出場歌手の選考基準についてこのように定義されています。
今年の活躍については、ビルボードジャパンによる上半期各種チャートも参考になります。
”番組企画にふさわしいか”については、”NHKタイアップがあるか”や”NHKの(音楽)番組に出演しているか”と置き換えてもいいでしょう。その他にも”周年記念のタイミングか”、また”年末年始のリリースはあるか”も基準に成ると考えます。年末年始リリースが不明な現状を踏まえれば今回の予想は叩き台にしかならないかもしれませんが、このタイミングで一度今年の紅白出場歌手を予想してみます。
<『第74回NHK紅白歌合戦』 出場歌手予想>
(※前年同様、紅白各22組にて予想しています。以下敬称略。)
・紅組
Ado × Vaundy
ano
結束バンド
島津亜矢
TWICE
NiziU
NewJeans
日向坂46
MAN WITH A MISSION × milet
MISIA & Rockon Social Club
YOASOBI
LE SSERAFIM
・白組
imase
Official髭男dism
King & Prince
純烈
なにわ男子
Vaundy
back number
BE:FIRST
藤井風
Mrs.GREEN APPLE
米津玄師
・特別枠
B'z
今年の曲目選考に欠かせないのは、まずはスポーツ。WBCやバスケットボール、この後にはラグビーのワールドカップも控えています。WBC関連ではさだまさし「マイアミの歓喜もしくは開運 ~侍ジャパンと栗山英樹監督に捧ぐ~」が『SONGS』で披露されています。NHKの音楽番組登場も紅白出場の可能性を高めると考えれば、監督や選手がゲストで登場した上でさださんが披露するという構図が比較的容易に浮かんできます。
NHKがラグビーワールドカップのテーマソングに起用したのはMISIA & Rockon Social Club「傷だらけの王者」。NHKタイアップ曲が披露されやすい傾向にあることは朝の連続テレビ小説主題歌起用歌手の動向から明らかですが、Rockon Social Clubは男闘呼組メンバーが所属していることもあり、特別枠にて男闘呼組が復活という流れも組めるものと考えます(なおジャニーズ事務所枠についての私見は後述します)。
もうひとつ。アニメソングのヒットも多く、今年は大きくフィーチャーされるでしょう。YOASOBI「アイドル」はビルボードジャパンソングチャートで前人未到の20連覇を現時点で達成しており、今年の復帰は濃厚。NHKの『18祭』にも登場し同番組向けに曲も制作するため、ともすれば2曲披露する可能性もあります。
白組のアニメ枠としてスピッツ、10-FEET、King Gnuが登場するかが気になるところ。10-FEETはバスケットボールを題材にした映画『THE FIRST SLAM DUNK』のエンディング主題歌となった「第ゼロ感」が大ヒット。バスケットボールワールドカップにて翌年のオリンピック出場権を日本が獲得した直後にこの曲がデジタルで再浮上していることもあり、スポーツ枠としても同曲は重宝されるでしょう。
またスピッツ「美しい鰭」が主題歌に起用された映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』が、シリーズ最高の興行収入を記録しています。スピッツ自体は朝ドラ『なつぞら』の主題歌「優しいあの子」での紅白出場を辞退していますが、現在は特別枠でフルパフォーマンスがしやすい環境が醸成されていることを踏まえれば、同枠でのパフォーマンスの可能性はゼロではないでしょう。
紅組の注目は結束バンド。テレビアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』内のバンドではありますが、セルフタイトルアルバムが今年度上半期に大ヒットに至っています。
さて、このブログでは昨年紅白が出場歌手第一弾を発表したタイミングにて下記エントリーを掲載し、トップアーティストチャートのCHART insightにおける安定性が重要であると述べました。
トップアーティストについてはこちらから確認できます。
ビルボードジャパンのトップアーティスト(ソングチャートとアルバムチャートを合算したもの)、CHART insightは下記リンクから”Artist 100”をタップ(クリック)してチェックが可能です。各指標毎に20位まで、また2021年以降における各週のチャートを確認することができます。https://t.co/4MJkwaZ6pu pic.twitter.com/GX2fGkNNj4
— Kei (ブログ【イマオト】/ラジオ/ポッドキャスター) (@Kei_radio) 2023年9月4日
【ビルボードジャパンのCHART insightについて】
— Kei (ブログ【イマオト】/ラジオ/ポッドキャスター) (@Kei_radio) 2023年7月14日
リンク先:https://t.co/NVZ8bHjac1
<色について>
黒:総合順位
黄:フィジカルセールス
紫:ダウンロード
青:ストリーミング
黄緑:ラジオ
オレンジ:ルックアップ(2022年度で終了)
水色:Twitter(2022年度で終了)
赤:動画再生
緑:カラオケ
【ビルボードジャパンのCHART insightについて】(続き)
— Kei (ブログ【イマオト】/ラジオ/ポッドキャスター) (@Kei_radio) 2023年7月14日
<色について>
ピンク:ハイブリッド指標
(BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能)
<チャート構成比>
最新週、もしくは300位以内最終在籍時における指標毎のポイント構成
今年度のビルボードジャパントップアーティストチャート、トップ5の推移をみるとフィジカルセールスばかりが突出した歌手は急上昇および急落が目立つ一方、ソングチャートでロングヒットする歌手はこのチャートでも安定してランクインを続けています。Mrs.GREEN APPLEやNewJeansを紅白出場候補に入れたのはこれが理由です。
このトップアーティストチャートについては先月、日本の男性および女性アイドル/ダンスボーカルグループの動向を比較したばかりでした。
ビルボードジャパンでは2023年度以降、ソングチャートおよびアルバムチャートからルックアップ指標を、およびソングチャートからTwitter指標を廃止。これらはアイドル/ダンスボーカルグループのトップアーティストチャートにおける勢いの減退につながったといえます。
このトップアーティストチャートでは急上昇してもその直後に急落するより、安定した成績を収め続けている歌手を優先して起用する可能性があり、ゆえに白組ではDa-iCEを予想しています(JO1の連続出場やINIの初出場も十分あり得るのですが)。また、白組にもK-POP枠を含めるとすれば日本向けベストアルバムをリリースしたばかりのSEVENTEENが優位に立つかもしれません。
紅組については、昨年日向坂46がその年にリリースしたシングル曲が披露に至らなかったことや櫻坂46の落選を踏まえれば、J-POPの女性アイドル/ダンスボーカルグループは安泰ではないと解ります。ゆえに週間トップ10入りは1週ながら安定したヒットに至っている新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」、またアニメ関連でもあるanoさんを予想しました。前者は振り付けが大胆ながら、NHKの各番組に出演を続けています。
上記リンク先では今年上半期のZ世代によるトレンドが掲載。K-POPはこの世代で高く支持されていることから、紅組のK-POP枠は今年も3つと定義。ただしIVEも十分候補に入るものの、NewJeansの勢いが尚の事高いと判断したゆえ後者を選んでいます。またK-POP的アプローチを獲るXGを候補に入れてもいいかもしれません。
そのXGはPerfumeに代わる形で据えています。無論Perfumeには長年出場してきた実績もありますが、一方で出場する中堅歌手全般については作品がヒットしていると言い難いながらも出場できている側面は否めません。またPerfumeについては大手芸能事務所所属という優位性も考えられます。今週フィジカルリリースされる「Moon」がどこまでヒットするかによって、状況は変わってくることでしょう。
そして大手芸能事務所という点ではジャニーズ事務所の動向が気になるところです。前社長の性加害問題は長期での解決が必要だろうこと、被害者側による刑事告発の内容も影響してくると考えますが、メディア側は所属タレントの出演自体は問題ないという判断で一致していくと考えます。重要なのは、ジャニーズ事務所側に有利になる形でメディアが用意してきた柵(しがらみ)を、そのメディアが自省の上で壊すことです。
そもそも未配信の多いジャニーズ事務所所属歌手は他の歌手と十分比較できる状況にはないのですが(この点は昨日のブログエントリーでも、その背景について触れています→こちら)、それでも客観的に判断し今回は6枠→4枠および特別枠での男闘呼組の出場を予想しています。
King & Prince以降のグループはフィジカルセールスのみならず動画再生も高いことが出場に至ると捉えた理由(その点ではHey! Say! JUMPが「DEAR MY LOVER」で復帰する可能性も考えられます)。KinKi Kidsは昨年周年記念での出場だったこと、関ジャニ∞は他のグループに比べてヒットの規模が大きくないことを踏まえて今回外しています。K-POP、ジャニーズ以外の男性アイドル、またimaseさん等をその枠に入れています。
復帰組も予想。特に紅組は白組に比べてヒット曲が少ないと言えるため(なおこの点はビルボードジャパンが、”Women in Music”(→こちら)を立ち上げた当初から述べていることです)、目玉といえる候補を用意するものと思われます(朝ドラ『ブギウギ』の主題歌歌唱歌手を候補に入れたのもそれが理由)。松田聖子さんはこれまで常連であったことに加えて、来月下記作品をリリースすることもあり候補に加えています。
和田アキ子さんは、新しい学校のリーダーズと「オトナブルー」で共演した経緯があるのみならず、自身の体調を考慮しホールツアーを今年で終わらせると明言。下記インタビューには過去の紅白における「今あなたにうたいたい」の歌唱にも言及しており、ともすれば今年メモリアルな舞台が用意されるかもしれません。そもそも「YONA YONA DANCE」のバイラルヒットで一昨年の復帰は十分あり得たと捉えています。
最後に”目玉”ですが、Vaundyさんの連続出場に注目です。アルバム『replica』が11月にリリースされることもさることながら、昨年の出演後に「怪獣の花唄」が大ヒットのフェーズに突入したことから、歌手側と番組側の双方に出演のメリットが十分あると考えます。
その際、Adoさんとの共演があれば尚の事好いでしょう。Adoさんとしては今年大ヒットと呼べる曲が生まれているとは言い難い状況ですが、今年リリースした「いばら」はVaundyさんが手掛けた作品。またMrs.GREEN APPLEが出場すれば彼らが提供した「私は最強」がコラボでき、LE SSERAFIM「UNFORGIVEN」でも音源と同じ状況が再現可能。紅白は世界で放送されるため、世界展開を果たすAdoさんには出場がピッタリです。
現時点での予想を実施しましたが、今後リリースされる曲が特大ヒットに至る可能性も考えられるため、11月に入ってから再度予想を立て直そうと考えています。
(※追記(9月13日8時15分):このエントリー掲載後にジャニーズ事務所が行った会見、そしてそれに基づく反応を踏まえ、ジャニーズ事務所所属歌手が選ばれないことを前提とした出場歌手予想を作成し、エントリーを公開しました。つきましては下記リンク先をご参照ください。)