イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ビルボードジャパン最新動向】「Subtitle」の強さが際立つ最新チャートからみる、次のヒット曲候補

毎週木曜以降は最新のビルボードジャパン各種チャートについてお伝えします。

(なお本日掲載分(ツイートでは昨日分)以降、日付については公開日のみの記載とします。)

 

12月12~18日を集計期間とする最新12月21日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは、Official髭男dism「Subtitle」が3週連続、通算7週目の首位を獲得しました。

Official髭男dism「Subtitle」におけるダウンロード、ストリーミング再生回数および動画再生回数の数値は上記ツイート内記事に掲載されています。ポイント前週比は94.8%となっていますが初登場から10週連続で1万ポイント超えを達成、また3週連続で加点対象となる全指標(フィジカルセールス指標は未リリースにつき加点対象外)が10位以内に入っていることは驚異的であり、しばらくヒットが続くものと思われます。

 

 

さて今回は、その「Subtitle」の位置を狙えるかもしれない次のヒット候補について、独断で選んでみます。

ブログにおいて、ミュージックビデオに続いて掲載しているのはビルボードジャパンのCHART insightとなり、総合チャートは黒の折れ線で表示されます。また各指標はフィジカルセールスが黄色、ダウンロードが紫、ストリーミングが青、ラジオが黄緑、動画再生が赤、カラオケが緑で示されます。なおルックアップ(オレンジ)およびTwitter(水色)の2指標は2023年度以降廃止されています。

 

 

Da-iCE「スターマイン」(最新ビルボードジャパンソングチャート27位)

TikTokでバズが発生した曲であり、リリース展開においても海外の事例を学んだ上で施策を実行しています(こちらについては前週のブログエントリーでも紹介しました)。

興味深いのは、この曲のリリース当初に総合ソングチャート100位以内に入らなかったということ。TikTok内で2億回再生を突破したとアナウンスされた10月中旬の段階で、「スターマイン」は100位前後にとどまっていました。

潮目が変わったのはライブ動画を10月下旬に投入したこと。その頃はすでに動画再生指標が上昇局面に突入していましたが、さらに加速度を高めているのみならずストリーミング指標にも波及。またライブ映えすることや実力の高さがおそらくはテレビでのパフォーマンスにもつながり、現在の位置につながったと言えます。

Da-iCEは「CITRUS」が昨年の日本レコード大賞を受賞。今年は同賞をこの「スターマイン」で狙っています。番組でのパフォーマンスが、年明けのさらなる上昇につながるかもしれません。

 

 

・8LOOM「Melody」(最新ビルボードジャパンソングチャート39位)

総合順位はダウンするものの、ストリーミング指標のデータ提供元のひとつであるSpotifyにおいては12月20日付デイリーチャートで53→52位に上昇。ドラマ『君の花になる』(TBS)の最終回放送に伴う上昇からは、翌日以降のさらなる再生回数アップも予想できます。

ただし動画再生指標の未加算が続くことから、原因の究明と改善は必須です。ドラマ終了後もTBSのYouTubeチャンネルに動画コンテンツを残すのならば、尚の事です。

 

 

・MAISONdes feat. 花譜、ツミキ「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」

(最新ビルボードジャパンソングチャート42位)

和ぬかさんおよびasmiさんを客演に迎えた「ヨワネハキ」が2月にストリーミング1億回再生を突破したMAISONdesによる、テレビアニメ『うる星やつら』(フジテレビ)エンディング曲。オープニング曲「アイウエ (feat. 美波、SAKURAmoti)」とのダブルAサイドとして、MAISONdesでは初となるフィジカルシングルが昨日リリースされています(ただしフィジカルセールス指標は「アイウエ」に加算されるものと思われます)。

フィジカルリリースは他指標にも波及するものと思われます。またTikTok Weekly Top 20では4週連続で20位以内に入っており(最新週は下記ツイート参照)、バズ如何ではストリーミング指標のさらなる上昇も有り得るでしょう。

 

 

・NewJeans「Ditto」(次週以降ランクイン予定)

最後は現段階で未ランクインの作品を紹介。「Ditto」は来年1月にリリースされるフィジカルシングル収録曲で、12月19日にデジタル先行リリース。次週のビルボードジャパンソングチャートで初登場が見込まれます。NewJeansはミニアルバム『New Jeans』から「Hype Boy」がビルボードジャパンソングチャートで最高83位、通算5週100位以内ランクインを果たしていますが、「Ditto」はそれを上回ることが確実視されています。

NewJeans「Ditto」は「Hype Boy」や「Attention」(『New Jeans』収録)で乗り越えられなかった日本のSpotifyデイリーチャートにおける50位の壁を登場2日目(12月20日付)にして軽々と超えてきました。さらに地元韓国ではSpotifyデイリー再生回数記録を更新し、グローバルデイリーチャートでは19位に上昇しています。クリスマスソングが大挙ダウンする次週以降、さらなる存在感を発揮しそうです。

NewJeansは年末、日本の音楽番組に初出演を果たします。披露する曲は不明ですが、仮に「Ditto」ではなかったとしても新曲への注目度がテレビパフォーマンスを機に高まっていくことでしょう。

 

 

無論、Official髭男dism「Subtitle」が『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 12月31日放送)を経てさらに上昇する可能性も十分考えられます(披露曲は「Subtitle」ではないかもしれませんが)。同曲や今回取り上げた作品の動向を、今後注目していきます。