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【海外ビルボード】「Bad Habit」が米で、「Unholy」がグローバルで2連覇、「Heat Waves」が米在籍歴代最長タイに

現地時間の10月10日月曜に発表された最新10月15日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。スティーヴ・レイシー「Bad Habit」が2週連続で首位を獲得しました。

スティーヴ・レイシー「Bad Habit」はストリーミングが前週比1%アップの2060万(同指標2位)、ダウンロードが同13%アップの2,000(同指標32位)、ラジオが同7%アップの4150万(同指標7位)を記録しています。

「Bad Habit」はホットロック&オルタナティブソングスチャート、ホットロックソングスチャート、ホットオルタナティブソングスチャート、ホットR&B/ヒップホップソングスチャートおよびホットR&Bソングスチャートを同時制覇(前半3種は7週連続、後半2種は6週連続首位)。5つのチャートを同じタイミングで制したのは「Bad Habit」が初となります。

前週3位に初登場したサム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」が2位へ上昇。ストリーミングは前週比3%アップの2380万(同指標1位)、ダウンロードは同12%ダウンの11,000(同指標1位)、ラジオは同273%アップの1020万(同指標50位未満)を記録しています。

ストリーミングの上昇は、上記ミュージックビデオが最新チャート集計開始日にあたる9月30日に解禁されたことに伴うもの(米ビルボードおよびグローバルチャートは公式動画の再生をストリーミング指標に含みます)。またストリーミングおよびダウンロード指標共に初登場から連覇を果たしたのはオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」以来となります(2021年1月23日付から2月6日付まで、初登場から3週連続で2指標同時制覇)。

サム・スミスは「Unholy」が米ビルボードソングスチャートで自己最高位タイに。これまでの最高は2014年8月における「Stay With Me」でした。なおキム・ペトラスは今回が初の米ビルボードソングスチャート100位以内エントリーとなります。

また、「Unholy」は米ビルボードソングスチャート3位以内に初登場した曲の中で、2週目に順位(さらにはポイントも)を伸ばしています。この記録はエミネム feat. リアーナ「The Monster」が2013年11月23日付において前週初登場時の3位から2位に上昇した際以来であり、なお「The Monster」は同年12月以降4週、総合首位を獲得しています。

”Holy”がタイトルに含まれる曲ではサム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」が単独で最高位を更新。これまではジャスティン・ビーバー feat. チャンス・ザ・ラッパー「Holy」(2020)の3位が最高でした。またジェイ・Z feat. ジャスティン・ティンバーレイク「Holy Grail」が2013年に4位を獲得しています。)

ニッキー・ユーア & デイジー「Sunroof」が総合5位をキープ。同曲はラジオが前週比1%ダウンの6000万を記録し、同指標初の首位を獲得しました。2組共にラジオ指標50位以内に初登場した歌手によるコラボレーション曲での同指標制覇は、24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」(2020年11月以降11週首位)以来となります。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) スティーヴ・レイシー「Bad Habit」

2位 (3位) サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」

3位 (2位) ハリー・スタイルズ「As It Was」

4位 (4位) ポスト・マローン feat. ドージャ・キャット「I Like You (A Happier Song)」

5位 (5位) ニッキー・ユーア & デイジー「Sunroof」

6位 (7位) ワンリパブリック「I Ain't Worried」

7位 (8位) モーガン・ウォレン「You Proof」

8位 (6位) ニッキー・ミナージュ「Super Freaky Girl」

9位 (11位) ルーク・コムズ「The Kind Of Love We Make」

10位 (10位) リゾ「About Damn Time」

ハリー・スタイルズ「As It Was」は3位にダウンしましたが、4月16日付の首位初登場以降27週連続でトップ3入り。初登場以降トップ3内ランクインでの歴代最長記録を更新しています。

 

グラス・アニマルズ「Heat Waves」が最新チャートで20位に入り、通算ランクイン週数が90週となりました。これはザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(2019-2021)と並ぶ史上最長タイであり、次週単独記録達成を狙います。

<米ビルボードソングスチャート 最長エントリー記録>

・90週 ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(最高1位)

・90週 グラス・アニマルズ「Heat Waves」(最高1位)

・87週 イマジン・ドラゴンズ「Radioactive」(最高3位)

・79週 エイウォルネイション「Sail」(最高17位)

・77週 デュア・リパ「Levitating」(最高2位)

・76週 ジェイソン・ムラーズ「I'm Yours」(最高6位)

・69週 ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Save Your Tears」(最高1位)、リアン・ライムス「How Do I Live」(最高2位)

・68週 ワンリパブリック「Counting Stars」(最高2位)、LMFAO feat. ローレン・ベネット & グーンロック「Party Rock Anthem」(最高1位)

グラス・アニマルズ「Heat Waves」は2020年6月にリリースされ、TikTokやラジオの影響で上昇。登場59週目となる今年3月に首位を獲得し、頂点到達までに最も時間を要した曲となりました。

なおザ・ウィークエンド「Blinding Lights」は最多トップ5入り(43週)、トップ10入り(57週)、トップ20入り(80週)およびトップ40入り(86週)でいずれも最長記録を樹立しています。一方、グラス・アニマルズ「Heat Waves」はトップ20在籍が57週でザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」と並び歴代4位タイに。「Blinding Lights」、デュア・リパ「Levitating」(62週)、ポスト・マローン「Circles」(60週)に続く記録となります。また「Heat Waves」はトップ40在籍が今回で75週となりました。

グラス・アニマルズ「Heat Waves」は、テイラー・スウィフト「Willow」が首位を獲得した2021年1月16日付で100位に登場。最新10月15日付までの間、「Heat Waves」「Willow」を除いてさらに26曲が米ビルボードソングスチャートを制覇し、またこの間「Heat Waves」は1261曲と共に100位以内に在籍してきたことになります。

 

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。10月15日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にサム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」が2週連続で首位を獲得しました。

サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」はGlobal 200でストリーミングが前週比9%アップの8330万およびダウンロードが同17%ダウンの16,000を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比13%アップの6030万、ダウンロードが同26%ダウンの6,000を記録。ストリーミングの増加は米ビルボードソングスチャート同様、集計開始日にミュージックビデオが解禁されたことに因るものです。

なお今回の「Unholy」首位獲得で、Global 200では33週連続、Global Excl. U.S.では31週連続で、米以外の歌手による作品の首位交代リレーが行われています。

<Global 200における首位獲得曲 米出身歌手以外の交代リレー>

・グラス・アニマルズ (イギリス)「Heat Waves」(3月5日付以降 通算6週)

ハリー・スタイルズ (イギリス)「As It Was」(4月16日付以降 15週)

ケイト・ブッシュ (イギリス)「Running Up That Hill (A Deal With God)」(6月18日付以降 3週)

・ビザラップ (アルゼンチン) & ケベード (スペイン)「Bzrp Music Sessions, Vol. 52」(7月30日付以降 4週)

・BLACKPINK (韓国)「Pink Venom」(9月3日付以降 2週)

・BLACKPINK「Shut Down」(10月1日付 1週)

サム・スミス (イギリス) & キム・ペトラス (ドイツ)「Unholy」(10月8日付以降 2週)

<Global Excl. U.S.における首位獲得曲 米出身歌手以外の交代リレー>

・グラス・アニマルズ (イギリス)「Heat Waves」(3月19日付以降 通算3週)

・アニッタ (ブラジル)「Envolver」(4月9日付 1週)

ハリー・スタイルズ (イギリス)「As It Was」(4月16日付以降 13週)

BTS (韓国)「Yet To Come」(6月25日付 1週)

ケイト・ブッシュ (イギリス)「Running Up That Hill (A Deal With God)」(7月16日付 1週)

・ビザラップ (アルゼンチン) & ケベード (スペイン)「Bzrp Music Sessions, Vol. 52」(7月30日付以降 6週)

・BLACKPINK (韓国)「Pink Venom」(9月3日付以降 3週)

・BLACKPINK「Shut Down」(10月1日付 1週)

サム・スミス (イギリス) & キム・ペトラス (ドイツ)「Unholy」(10月8日付以降 2週)

TikTokのバイラルヒットによって浮上したクリス・ブラウン「Under The Influence」がGlobal 200で6→4位となり、グローバルチャート新設以降初のトップ5入りを達成。またコロンビアのマヌエル・トゥリソによる「La Bachata」がGlobal Excl. U.S.で7→3位に入り、最高位を更新しています。

(上記は公式オーディオ。)