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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ビルボードジャパンの動向を踏まえ、日本の2026年度上半期を代表する7組8曲を挙げる

ビルボードジャパンソングチャートは6月5日に2026年度上半期各種チャートを発表しました。今回はその結果も踏まえた上で日本において2026年度上半期を代表する7曲を選び、紹介します(実際は7組8曲となっています)。

 

これまでのブログエントリーでは、日本と海外の動向を踏まえた上で上半期ならびに下半期にそれぞれ10曲ずつ選んできました。2025年度下半期については下記リンク先をご参照ください。

一方、最近は米ビルボードとビルボードジャパンにおける年度の始まりが1ヶ月半程度ずれていることから、今年度上半期からは切り分けています。米ビルボードによる米およびグローバルソングチャートを踏まえた、海外での2026年度上半期を代表する洋楽(K-POP含む)については下記をご参照ください。

 

今回は昨年度下半期と1曲が重複、また同一歌手で2曲を選出。結果的に7組による8曲を採り上げています。

<日本における2026年度上半期代表曲>

 

 

 

 

はじめに:2026年度上半期音楽チャートのトピックとは

上半期チャートについては、ビルボードジャパンが発表した日以降このブログにて主要トピック7点をまとめたエントリーを公開。そして翌日以降、主要3チャート(ソングチャート、アルバムチャートおよびトップアーティストチャート)の考察エントリーを掲載しています。

加えて、上半期の流行ランキングを踏まえた上でそのランキングに登場した主なアイドルやダンスボーカルグループ(の作品)の動向についても分析しています。

 

日本における2026年度上半期の代表曲

① 米津玄師「IRIS OUT」

昨年度下半期と重複しますが、その昨年度はソングチャート登場後わずか10週にて年間4位、そして今年度上半期は堂々の首位に。『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 以下"紅白"と表記)でのパフォーマンスに伴い、同曲は1月14日公開分にて上半期における週間最高ポイントを獲得しています。米津さん側での紅白動画の解禁も話題性の持続に寄与。またグローバルチャートでも日本の楽曲の中で圧倒的な人気を誇りました。

 

② King Gnu「AIZO」

テレビアニメ『呪術廻戦』第3期オープニングテーマである「AIZO」は今年度上半期のソングチャートで4位にランクイン。アニメ関連曲ではMrs. GREEN APPLE「lulu.」(テレビアニメ『葬送のフリーレン』第2期オープニングテーマ)が上半期3位に登場するも「AIZO」はグローバルでもヒット、さらにアニメ最終回の評判に伴い日本や海外の音楽チャートで存在感を高める等、より興味深いチャートアクションを示しています。

 

③ M!LK「好きすぎて滅」「爆裂愛してる」

ダブルAサイドシングルの表題曲2作品を選出。紅白初出場を機に人気が更に高まった「好きすぎて滅!」はフィジカルセールス指標加算対象外ながらロングヒット、カラオケ指標では首位に。そしてフィジカルセールス指標加算対象の「爆裂愛してる」は週間1万5千ポイント超えを達成、且つこちらも長期ヒット。上半期ソングチャートでは「好きすぎて滅!」が2位、「爆裂愛してる」が6位となり、2曲がトップ10入りしています。

 

④ 嵐「Five」

5月に活動を終了した嵐による最後の楽曲。販売場所を限定している等に伴いフィジカルセールス指標は加算されないものの、デジタル先行でリリースされた同曲は3月11日公開分の初登場時に24,382ポイントを記録し、今年度唯一の週間2万ポイント超えを果たしています。上半期ソングチャートではトップ10内に入ることはできませんでしたが活動終了後には2位に再浮上しており、年間チャートでの位置に注目です。

 

⑤ BTS「SWIM」

カムバックを果たしたアルバム『ARIRANG』のリード曲として世界を席巻。日本のソングチャートではそこまで大きくヒットしたとは言い難いながら、アルバムは上半期最終週までに通算8週首位を獲得し、上半期全体でも2位以下を圧倒。特にストリーミング指標は初登場時からエントリー掲載段階まで常時首位に立っており、ライト層の多さ、そして音楽チャートに意識的なファンダムの存在感の大きさも示しているといえます。

 

⑥ モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」

上半期ソングチャートでは100位未満ながら、若年層対象のトレンドランキングでは高い人気を誇ったデビュー曲。週間単位では総合100位以内に6週、ストリーミング指標は300位以内に5週在籍し、また動画再生指標は現時点まで9週連続で100位以内に登場。フィジカルセールス(複数種リリースを複数回実施)ばかりが目立つ演歌歌謡曲界では異例のヒットであり、"聴かれ(見られ)続ける"という強さをこのジャンルにて示しています。

 

⑦ サカナクション「夜の踊り子」

2012年リリース曲がUGC(ユーザー生成コンテンツ)で使用されたことを機に大ヒットし、総合ソングチャートでは2位まで上昇。重要なのはメンバーの山口一郎さんが積極的に参加したことも相まって、リバイバルヒットした曲がストリーミング指標の基となるStreaming Songsチャートも制したということ。「怪獣」のロングヒットによる下地もありつつ、デジタルアーカイブの重要性を示した好例といえるでしょう。

 

おわりに:プレイリスト掲載、そしてヒット規模拡大のための環境整備を強く願う

先月公開のエントリーにて掲載した海外ヒット曲を含む、2026年度上半期の代表曲(社会的ヒット)をまとめたプレイリストをSpotifyにて用意しています。よろしければご確認ください。

 

エントリー執筆時点で最新となる6月10日公開分では嵐が音楽チャートを席巻し、トップアーティストチャートでは初の首位に。サカナクション「夜の踊り子」の流れも踏まえるに、今後は旧譜のヒットが増えていくかもしれません。無論それにはきっかけが重要であり、嵐の場合は活動終了やラストライブ開催が大きい一方、ライブセットリストのプレイリスト公開が再ヒットに貢献したことを踏まえれば、歌手側の施策もさることながらそれを可能とするデジタルアーカイブの充実が再ヒットの前提となるはずです。

無論新曲においても、米津玄師「IRIS OUT」における紅白パフォーマンス映像の(歌手側での)YouTube公開や、King Gnu「AIZO」における『呪術廻戦』第3期最終回の評判のような浮上のきっかけとなる出来事が重要となります。ただし日本では、テレビパフォーマンス映像を放送直後から歌手側のYouTubeチャンネルへ半永久的に安価で貸与する仕組みが未だ乏しく、この整備が重要と考えます。

 

その点にて、先日開催されたMUSIC AWARDS JAPAN 2026のパフォーマンス映像が歌手側に貸与されるかを注視しています。音楽パートナーと位置付けられたYouTubeチャンネルで公開された場合はビルボードジャパンソングチャートにおける動画再生指標の加算対象となり、チャート(再)浮上のきっかけを与えるため尚の事です。音楽賞側が成功事例を作り、テレビメディアの歌手側への映像貸出時のハードルを下げることを願うばかりですが、つい先程公開された動画からはその点がまだ難しいことを想起させます。

ちなみに米ビルボード各種チャートでは、1月31日付以降YouTubeがデータ提供を停止しています。これにより日本の音楽やK-POPが特に大きな影響(被害)を受けていることから、その状況を打破するという意味でも日本の音楽業界が米ビルボードとYouTubeの橋渡しに努めるよう、希望します。

 

ヒットのきっかけとなる種をみつけ、芽生えさせるための効果的な施策もさることながら、それを容易に行えるようにするためのデジタルアーカイブの充実、メディアからの映像貸与の簡素化、そしてYouTubeの米ビルボードに対するデータ提供再開(仲違いの解消)といった環境の整備をエンタテインメント業界に対し強く願い、その改善に向けて積極的に動くことを希望します。