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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】「Anti-Hero」米で4連覇、Official髭男dism「Subtitle」がGlobal Excl. U.S.でトップ10入り

現地時間の11月21日月曜に発表された最新11月26日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)は、テイラー・スウィフトAnti-Hero」が初登場から4週連続で首位をキープしました。

テイラー・スウィフトAnti-Hero」はストリーミングが前週比12%ダウンの2730万(同指標2位)、ダウンロードが同91%ダウンの29,000(同指標2週目の首位)、ラジオが同14%アップの5860万(同指標4位)を記録。前週は集計期間中に7種のリミックス(客演追加版等含む)を投入したことで前週比1793%アップとなる327,000を記録しましたが、今回の集計期間中(11月11~17日)においては最終日に、イレニアムによるリミックスをリリースしています。

テイラー・スウィフト9曲目の首位となる「Anti-Hero」は、今週初登場から4週連続での首位獲得。テイラーにとっては「Shake It Off」(2014)に並ぶ2番目の首位獲得週数となり、「Blank Space」が2014年から翌年にかけて記録した7週まであと3週に迫っています。

Anti-Hero」は3週前に初登場で首位に立ち、同週においてはテイラー・スウィフトが史上初となるソングスチャートトップ10独占を達成。米ビルボードソングスチャート64年の歴史上64曲ある初登場首位獲得曲のうち初登場から少なくとも4連覇を達成したのは「Anti-Hero」が14曲目となり、BTS「Butter」が昨年6~7月にかけて7週連続で首位を獲得して以来となります(なお「Butter」は最終的に通算10週首位を記録)。

 

アルバム『Her Loss』が初登場したタイミングで前週のソングスチャートに8曲をトップ10内に送り込んだドレイク & 21サヴェージ(一部メディアではトゥエニーワン・サヴェジとも表記。なおドレイクはソロ曲を含む8曲、21サヴェージは7曲がトップ10入り)。登場2週目となる今週は「Rich Flex」が2位をキープしたほか、「Major Distribution」が3→6位、「Spin Bout U」が5→9位、「On BS」が4→10位となり、4曲がトップ10内に。「Rich Flex」はストリーミング指標で連覇を達成しています(前週比39%ダウンの3610万を記録)。

サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」は10→3位に上昇。10月29日付米ビルボードソングスチャートを制したこの曲は、今週ラジオ指標で首位に到達しました(前週比17%アップの6630万を記録し、3週連続でトップエアプレイゲイナーを獲得)。ラジオ指標制覇はサムにとっては「Stay With Me」(2014 6週)およびノーマニとの「Dancing With A Stranger」(2019 2週)に続く3曲目、キムにとっては初となります。

スティーヴ・レイシー「Bad Habit」は13→4位に。ホットロック&オルタナティブソングスチャート、ホットロックソングスチャート、ホットオルタナティブソングスチャートで13週目の、ホットR&Bソングスチャートでは11週目の首位を獲得しています。

デヴィッド・ゲッタ & ビービー・レクサ「I’m Good (Blue)」が20→7位となり、同曲初のトップ10入り。ストリーミングは前週比2%ダウンの1090万、ダウンロードは同4%ダウンの6,000、ラジオは同18%アップの5290万を記録しています。

「I’m Good (Blue)」はエッフェル・65(一部メディアではエッフェル65とも表記)「Blue (Da Ba Dee)」(2000 6位)を用いた曲(記事では”書き入れる (interpolate)”という表現が使われています)。2000年代にトップ10入りした曲を新たな形で利用しトップ10入りした例としては、ジャック・ハーロウ「First Class」がファーギー feat. リュダクリス「Glamorous」(2007 1位)を用いて3週首位を獲得したことが挙げられます。

ビービー・レクサによると、この曲は以前デヴィッド・ゲッタが音楽フェスで披露したものを誰かがYouTubeにアップし、それを用いた別の誰かがリミックスを作ってTikTokにアップしたところバズが発生したため公式リリースに至ったとのことです。

「I’m Good (Blue)」はデヴィッド・ゲッタにとって7曲目のトップ10入りとなり、ビービー・レクサやニッキー・ミナージュ、アフロジャックが参加した「Hey Mama」(2015 8位)以来となります。またゲッタは2000年代、2010年代および2020年代と3つのディケイドでトップ10ヒットを輩出した歌手となりました。ビービーにおいては「Hey Mama」、Gイージーとの「Me, Myself & I」(2016 7位)、フロリダ・ジョージア・ラインとの「Meant To Be」(2018 2位)に続く4曲目のトップ10入りとなります。

リアーナ「Lift Me Up」は22→8位へ。2週前に2位に初登場したこの曲は映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』サウンドトラック収録曲であり、11月11日に公開された映画は同月公開作として史上最高の初動(興行収入)を記録。「Lift Me Up」はダウンロードが前週比16%アップの8000となりトップセールスゲイナーを獲得。ストリーミングは前週比5%アップの1250万、ラジオは同8%アップの4120万を記録しています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) テイラー・スウィフトAnti-Hero

2位 (2位) ドレイク & 21サヴェージ「Rich Flex

3位 (10位) サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」

4位 (13位) スティーヴ・レイシー「Bad Habit」

5位 (17位) ハリー・スタイルズ「As It Was」

6位 (3位) ドレイク & 21サヴェージ「Major Distribution」

7位 (20位) デヴィッド・ゲッタ & ビービー・レクサ「I’m Good (Blue)」

8位 (22位) リアーナ「Lift Me Up」

9位 (5位) ドレイク & 21サヴェージ「Spin Bout U」

10位 (4位) ドレイク & 21サヴェージ「On BS」

なお今週はクリスマスソングが複数100位以内に再エントリー。マライア・キャリー「All I Want A Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が25位、ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」が41位、ボビー・ヘルムス(一部メディアではボビー・ヘルムズと表記)「Jingle Bell Rock」が50位に、それぞれ再登場を果たしています。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。11月26日付ではテイラー・スウィフトAnti-Hero」がGlobal 200で通算3週目の首位となり、Global Excl. U.S.ではサム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」が2週連続、通算6週目の首位を獲得。またGlobal Excl. U.S.ではOfficial髭男dism「Subtitle」が10位に到達しています。

テイラー・スウィフトAnti-Hero」はGlobal 200で首位に返り咲き。ストリーミングは前週比12%ダウンの7110万、ダウンロードは同13%ダウンの19,000を記録し、通算3週目の首位を獲得しました。またGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.では2位をキープしています。

サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」はGlobal Excl. U.S.で通算6週目の首位を獲得。ストリーミングは前週比5%ダウンの5520万、ダウンロードは同3%ダウンの6,000を記録。またGlobal 200では4→2位に上昇しています。

Global 200ではメーガン・トレイナー「Made You Look」が37→10位となり、同曲初のトップ10入り。ストリーミングは前週比17%アップの3580万、ダウンロードは同18%アップの12,000を記録。TikTokのバズによって注目を集め、2020年秋にローンチしたグローバルチャートにおいてメーガンは初のトップ10入りを果たしています。

Global Excl. U.S.ではOfficial髭男dism「Subtitle」が14→10位となり、キャリア初となる同チャートトップ10入り。ストリーミングは前週比4%アップの2250万、ダウンロードは同12%アップの16,000を記録しています。彼らのこれまでGlobal Excl. U.S.に7曲がエントリーし、最高位は今年4月に記録した「ミックスナッツ」の26位でした。J-PopではLiSA「炎」、YOASOBI「夜に駆ける」、Ado「新時代」、米津玄師「KICK BACK」、Travis JapanJUST DANCE!」に続く6曲目の同チャートトップ10入りとなります。