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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】米でテイラー・スウィフト5連覇達成、クリスマスソングが4曲トップ10入り

現地時間の11月28日月曜に発表された最新12月3日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)は、テイラー・スウィフトAnti-Hero」が初登場から5週連続で首位をキープ。またクリスマスソングが4曲トップ10入りを果たしました。

テイラー・スウィフトAnti-Hero」はストリーミングが前週比5%ダウンの2580万(同指標2位)、ダウンロードが同60%ダウンの12,000(同指標2位)、ラジオが同11%アップの6510万(同指標2位)を記録。今回の総合首位獲得により、テイラー・スウィフトにとって「Anti-Hero」は「Blank Space」が2014年から翌年にかけて記録した7週首位に次いで2番目に長い、5週目の首位獲得となりました。

ビルボードソングチャート64年の歴史において、テイラー・スウィフトはアルバム『Midnights』収録曲が4週前に史上初となるソングチャートトップ10独占を達成し、「Anti-Hero」は史上64曲目となる初登場での首位獲得曲となりましたが、初登場から5週以上連続で首位をキープしたのはこの曲が12曲目に。直近ではBTS「Butter」が昨年6月から7月にかけて初登場から7週連続で首位を獲得しています(通算10週首位を記録)。

ドレイク & 21サヴェージ「Rich Flex」は初登場から3週連続で2位に。ストリーミングは前週比14%ダウンの3090万を記録し、同指標3週目の首位を獲得しました。また総合3位をキープしたサム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」(総合3位)はラジオ指標を前週に続いて制覇しています(前週比9%アップの7190万を記録)。

クリスマスソングが今週4曲トップ10入り。最高位はマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」で、25→5位に上昇。ストリーミングは前週比54%アップの2150万(同指標3位)、ダウンロードは同57%アップの3,000(同指標14位)、ラジオは同80%アップの2060万(同指標38位)を記録しています。

最新週において「All I Want For Christmas Is You」は、米ビルボードが2011年に開始したHoliday 100(クリスマスソングのみのソングチャートで、最新週が57週目)において52週目の頂点に立ち、また2015年以降は37週連続で首位に立っています。「All I Want For Christmas Is You」はクリスマスソングチャートにおけるGreatest Of All Timeソングチャートでも首位となっています。

「All I Want For Christmas Is You」は1994年、マライア・キャリークリスマスアルバム『Merry Christmas』に収録され、ストリーミングの興隆や同サービスでのクリスマスプレイリストの多数登場等も相俟って総合ソングチャートにもランクイン。初のトップ10入りは2017年12月の9位、翌年には3位を獲得すると、2019年にはデヴィッド・セヴィル & ザ・チップマンクス「The Chipmunk Song」(1958年12月に首位獲得)以来、クリスマスソングでは2曲目となる首位の座に就いています。

「All I Want For Christmas Is You」はマライア・キャリーにとって19曲目の総合ソングチャート首位獲得曲であり、ソロ歌手では最多の首位獲得数を誇ります。なお全体ではザ・ビートルズの20曲が最多となります。

また「All I Want For Christmas Is You」が2019年のクリスマスシーズン以降毎年首位を獲得したことで、マライア・キャリーは1990年代以降4つのディケイドで首位を獲得。異なる4つのディケイドすべてで首位に立った歌手はマライアが初となります。「All I Want For Christmas Is You」はこれまでに通算8週首位を獲得しています。

クリスマスソングは他にも3曲がトップ10入り。1958年リリースのブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」が41→6位、1957年発表のボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」が50→9位に浮上し、1964年発売のバール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」は10位に再登場。「A Holly Jolly Christmas」の再登場でのトップ10入りはクリスマスソングでは初となり、米ビルボードソングチャート64年の歴史においても9曲目となります。なおこの3曲は2019~2021年のクリスマスシーズンにおいてそれぞれ最高2、3、4位を獲得しています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) テイラー・スウィフトAnti-Hero

2位 (2位) ドレイク & 21サヴェージ「Rich Flex

3位 (3位) サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」

4位 (4位) スティーヴ・レイシー「Bad Habit」

5位 (25位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

6位 (41位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」

7位 (7位) デヴィッド・ゲッタ & ビービー・レクサ「I’m Good (Blue)」

8位 (5位) ハリー・スタイルズ「As It Was」

9位 (50位) ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」

10位 (再登場) バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。12月3日付ではテイラー・スウィフトAnti-Hero」がGlobal 200で通算4週目の首位となり、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではサム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」が3週連続、通算7週目の首位を獲得しています。

テイラー・スウィフトAnti-Hero」はGlobal 200において、ストリーミングが前週比10%ダウンの6430万、ダウンロードが同13%ダウンの17,000を記録。Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.では2位をキープしています。

Global Excl. U.S.ではサム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」が通算7週目の首位に。ストリーミングは前週比5%ダウンの5260万、ダウンロードは同16%ダウンの5,000を記録。Global 200では2位をキープしました。

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」がGlobal 200にて27→5位に上昇。ストリーミングは前週比56%アップの4390万、ダウンロードは同52%アップの5,000を記録しています。2020年秋に新設されたグローバルチャートのうちGlobal 200において、「All I Want For Christmas Is You」は2020年および2021年のクリスマスシーズンにそれぞれ4週首位を獲得しています。

(上記はサッカーワールドカップ開会式の映像。)

BTSのジョングクによる「Dreamers (Music From the FIFA World Cup Qatar 2022)」がGlobal 200で9位、Global Excl. U.S.では4位に初登場。Global 200ではストリーミング4270万、ダウンロード48,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミング4020万、ダウンロード35,000を記録しています。11月20日に解禁、同日行われたサッカーワールドカップの開会式で披露されたこの曲は、翌々日にミュージックビデオが公開されています。

BTSのメンバーによる個別の作品がトップ10入りを果たしたのは、Global 200において、SUGA(PSYに客演参加した「That That」が2022年5月に5位を記録)、ジョングク(チャーリー・プースにフィーチャーされた「Left And Right」で同年7月に5位を記録)、JIN(「The Astronaut」が同年11月に10位を記録)に続いて4曲目となり、ジョングクはBTSメンバーでは初めて複数曲をトップ10内に送り込んでいます。またGlobal Excl. U.S.においても、SUGA(PSYに客演参加した「That That」が2022年5月に2位を記録)、ジョングク(チャーリー・プースにフィーチャーされた「Left And Right」で同年7月に2位を記録)、JIN(「The Astronaut」が同年11月に6位を記録)以来4曲目であり、こちらでもジョングクはBTSメンバーで初となる複数曲トップ10入りを果たしました。なおBTSとしてはGlobal 200、Global Excl. U.S.の双方で10曲がトップ10入りしています。

メーガン・トレイナー「Made You Look」がGlobal Excl. U.S.で16→10位となり、メーガンは同チャート初のトップ10入り(なおGlobal 200では10→6位に上昇)。ストリーミングは前週比18%アップの3020万、ダウンロードは同9%アップの5,000を記録しています。「Made You Look」はTikTokのバズにより注目が集まっている曲で、10月にリリースされたメーガンの5枚目となるアルバム『Takin' It Back』に収録されています。