イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2022年の『NHK紅白歌合戦』出演者を予想する

晦日恒例、『NHK紅白歌合戦』の情報が少しずつ明らかになってきました。

そしてテーマも発表されましたが、今回のテーマに出演者選定の大きなヒントがあるものと考えます。

『2022年の最後をしめくくる時間に / 歌で“平和の尊さ”や“希望にあふれた愛”を感じてもらいたい。 / 大晦日を年に一度の「ハレの日」にしたい。』『感じた事をつぶやいてシェア! 写真や動画をシェア!』という狙いからは、平和やSNSとの親和性というコンセプトがみえてきます。ならばそれを踏まえた人選もあるのではないでしょうか。

この『NHK紅白歌合戦』の選出基準は今年の活躍、世論の支持および番組の企画・演出の3点となります(番組ホームページにも掲載されます)。個人的にはこれらに加えて、”NHKとの関わり”や”年末年始のリリース”も大きいと感じています。さらに特別枠については”その年のベストアルバムリリース”も大きな要素に成るのではないでしょうか。

それらを踏まえ、今年の『NHK紅白歌合戦』出演者を自分なりに予想してみます。

 

 

第73回NHK紅白歌合戦 予想出場者一覧

(以下敬称略)

<紅組>

あいみょん

Ado

石川さゆり

宇多田ヒカル

Aimer

上白石萌音

工藤静香

KOH+

坂本冬美

櫻坂46

椎名林檎

島津亜矢

乃木坂46

Perfume

日向坂46

広瀬香美

松田聖子

MISIA

水森かおり

milet

YOASOBI

緑黄色社会

 

<白組>

Official髭男dism

関ジャニ∞

King & Prince

King Gnu

郷ひろみ

Saucy Dog

さだまさし

純烈

SixTONES

Snow Man

SEKAI NO OWARI

Da-iCE

Tani Yuuki

なにわ男子

back number

氷川きよし

BE:FIRST

藤井風

星野源

マカロニえんぴつ

三山ひろし

山内惠介

 

<特別枠>

夏川りみ

松浦亜弥

松任谷由実

安全地帯

男闘呼組

桑田佳祐

三浦大知

BEGIN

 

※今回の予想に用いた表はこちら。

 

NHK紅白歌合戦』は音楽チャート、それもビルボードジャパンのソングスチャートやアルバムチャートを考慮した人選を行います。2022年度においては自分も集計していますが、チャート予想も行いポイントが可視化されない50位未満についても数値を算出して集計している紅蓮・疾風さんのデータが、見た目にも非常にわかりやすいので勝手ながら紹介させていただきます。下記は10月5日公開分(10月10日付)までの集計です。

今年もストリーミングに強い曲が上位を占拠していることが解ります。またアニメソングの強さ、バンドによるヒット曲の多さ、TikTokのバズを機にヒットした曲も目立ち、そこから多くの歌手が初出場に至る可能性があるでしょう。ただし「ドライフラワー」が昨年度のビルボードジャパン年間ソングスチャートを制し、今年度も上位が見込める優里さんは格闘技観戦を優先することを理由に今年も出場しないものと捉えています。

同じく昨年度「うっせぇわ」等が大ヒットしたAdoさんも昨年出場していませんが、今年度下半期には「新時代」が大ヒット。2018年における「Lemon」の米津玄師さんのように、今年度の目玉として最終発表にて出演がアナウンスされると予想します。TikTokでもヒットしたMrs.GREEN APPLEも出場し、両者で「私は最強」をコラボするならば面白いでしょう。

加えて、NHKとの関わりに基づく選出もあり得ます。特に、来年のNコンへ課題曲を提供するOfficial髭男dismや、ワールドカップを含むサッカー中継のテーマ曲を手掛けるKing Gnuは、それぞれ「ミックスナッツ」、「一途」「逆夢」と今年を代表するヒットを持っており、それらに加えてNHK関連曲により復帰が確実と言えるでしょう。ただその場合、NHK関連曲が優先して披露されるかもしれません。

さらには「水平線」がロングヒットするback numberの初出場も叶うでしょう。「アイラブユー」が朝ドラ『舞いあがれ!』主題歌となり、10月24日に配信リリースします。同曲を含むアルバムリリースが近々予定されているならば、その宣伝効果としても『NHK紅白歌合戦』出演の意味は大きくなるはず。なお『舞いあがれ!』でナレーションを務め『カムカムエヴリバディ』にも登場したさだまさしさんも出演するでしょう。

 

TikTok関連では先述したSEKAI NO OWARIに加えて、Saucy DogやTani Yuukiさんの出場も考えられますが、今年前半にリバイバルヒットした「ロマンスの神様」で広瀬香美さんが登場する可能性も十分。広瀬香美さんはTwitterTikTokSNSできちんと結果を残しており、”シェア”というコンセプトに最適な方と言えます。また平成レトロブーム再燃と言われる2022年において、平成を代表する曲としての紹介も可能となります。

平成というコンセプトの下、nobodyknows+ココロオドル」や椎名林檎「丸の内サディスティック」といった、THE FIRST TAKE発のリバイバルヒットやカラオケで長く愛されるヒット曲を披露するのも面白いかもしれません。

 

アイドルはフィジカルセールスが突出するためビルボードジャパン年間ソングスチャートで上位に進出しにくい状況ですが、その中にあって昨年11月にデビューしたなにわ男子はロングヒットしています。白組アイドル枠では関ジャニ∞よりもジャニーズWESTのセールス等が大きいものの、なにわ男子のプロデューサーが大倉忠義さんであることやジャニーズベテラン枠として関ジャニ∞が今年も登場するものと思われます。

(上記はなにわ男子「初心LOVE」のミュージックビデオダンスバージョン。短尺版として公開されているミュージックビデオの倍近くもの再生回数を獲得しており、このフル尺動画の存在も同曲のヒットに大きく貢献しています。)

一方、ダンスボーカルユニットではDa-iCEやBE:FIRSTの初出演が十分考えられます。「CITRUS」や「Bye-Good-Bye」はLINE MUSIC再生キャンペーンの活用もあれど、その効果以上に曲がサブスクでヒットし、広く浸透したと言えるでしょう。白組ではEXILE TRIBE一派の出演が続きますが、芸能事務所の枠組み(実はこれが大きな出演基準になっているのですが)を越えてでもヒットした2組の出場が望ましいというのが私見です。

 

ベテラン枠は、世論の支持や年末の風物詩という位置付けでの出演も大きく、その中で福山雅治さんは映画関連で柴咲コウさんと組んだKOH+として、今年度のチャートヒットが白組に比べて多くはない紅組での出演となることでしょう。

ベテランといえば、企画という位置付けですがベストアルバムリリースに伴い松任谷由実さんや桑田佳祐さんを招くことも考えられます(2018年の紅白歌合戦の再現も狙えるはずです)。また、一部メディアが”テコ入れ”として中森明菜さんの復活を示唆していましたが、彼女の復活は難しくとも伝説のアイドル招聘というコンセプトは興味深く、ライブを行う男闘呼組やCMで復帰した松浦亜弥さんが登場するならば面白いでしょう。

また”PEACE”という側面では、BEGINと夏川りみさんによる「涙そうそう」が番組コンセプトに合致し、企画として十分ではないでしょうか。また朝ドラ『ちむどんどん』は否定的な意見が多いこともあり主題歌を務めた三浦大知さんの復活は難しいかもしれませんが、沖縄つながりで「燦燦」を披露するという流れは有り得るはずです。

 

なお、今年は放送が10分長いとのことですが、氷川きよしさんの活動休止日であったり、純烈から小田井涼平さんが卒業する日であることを踏まえ、そちらにも時間を割くことが考えられます(純烈はダチョウ倶楽部とコラボレーションしており、その2組名義での出演も考えられます)。なお演歌歌謡曲発のヒット曲はここ数年生まれているとは言い難く、ジャンルとしての出演枠増加は考えにくいでしょう。

今年はAdoさんの出演が最大のサプライズとなるでしょう。一方で昨年の『NHK紅白歌合戦』では藤井風さんのサプライズ出演がありましたが、今年はアルバムのヒットで連続出場に至ると考えます。世界中でバズを起こした「死ぬのがいいわ」の披露も考えられますが、今後のチャートアクションによってはCMソングでもある「grace」が披露されるのではないでしょうか。番組コンセプトにも沿うと考えられます。

(なお「grace」がビルボードジャパンソングスチャートでロングヒットに至るかはわかりかねますが、ソングスチャートやアルバムチャートで実績を残した方に関しては最新曲の披露も有り得ると考えます。)

 

 

チャート面も踏まえつつ、様々な角度から出演者を予想してみました。無論これは個人的希望という側面もあります。徐々に情報が解禁され全容が明らかになっていく今年の『NHK紅白歌合戦』、楽しんでみようと思います。