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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

Conton Candy、チョーキューメイがブレイクする可能性…一方でこの時期のヒットから考えられる懸念とは

最新7月5日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは、今後のブレイクが期待できる歌手の作品が上昇しています。

・Conton Candy「ファジーネーブル」(28→17位)

・チョーキューメイ「貴方の恋人になりたい」(54→46位)

 

Conton Candy「ファジーネーブル」、チョーキューメイ「貴方の恋人になりたい」はいずれも、TikTokがヒットの一因となっています。

2位の「ファジーネーブル」は、3人組ロックバンドのConton Candyが4月26日にリリースした楽曲。画面を横向きにして撮影するダンス動画から火が付き、現在98,200件以上の動画が投稿されている。

「貴方の恋人になりたい」は、チョーキューメイが2022年6月にリリースした1stフルアルバム『するどいささくれ』の収録曲。TikTokではフィルターを使った自撮り動画をはじめ、演奏カバーやアニメのMADなどさまざまなタイプの動画が投稿

(チョーキューメイ「貴方の恋人になりたい」が制したHeatseekers Songsチャートでは前週まで2週連続でConton Candy「ファジーネーブル」が首位を獲得していましたが、最新7月5日公開分にて総合ソングチャート20位以内に入ったため、チャートポリシー(集計方法)適用に伴いHeatseekers Songsチャートから外れることに。このチャートポリシーについてはHeatseekers Songsチャート記事の最後に記されています。)

「ファジーネーブル」は特に若年層の支持が高く、LINE MUSICの6月月間ランキングでは同曲が9位、10代トレンドランキングでは3位にランクインし、下記記事でも言及されています。

(なお記事では現段階において、10代トレンドランキングの画像に誤りがあります。)

 

今後の注目は曲のヒットもさることながら、歌手自体がブレイクに至るかについて。この時期は地上波テレビ局の長時間音楽特番が多く、通常編成とは異なります。ゆえに、『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)や『ミュージックステーション』(テレビ朝日)といったゴールデンタイム音楽番組への出演が通常より難しくなるのではと懸念しています。

 

2曲のヒットから思い出したのが、ヤングスキニー「本当はね、」です。

先程紹介したビルボードジャパンのHeatseekers Songsチャートでは前年度以降通算8週首位を獲得し、今年度上半期のこのチャートでは2位に。後にこの曲はTHE FIRST TAKEでも披露されていますが、その際動画の概要欄には『素直になれない、矛盾だらけな恋心を赤裸々に綴った歌詞と耳馴染みの良いメロディーがSNSで共感の嵐を巻き起こしている』と記されており、SNS発のヒットとして紹介されています。

ビルボードジャパンソングチャートにおける「本当はね、」の最高位は昨年11月における35位。高いほうとは言えないかもしれませんが、Z総研が先月発表した『Z世代が選ぶ2023年上半期トレンドランキング』、その流行ったアーティスト部門においてヤングスキニーは8位にランクイン。流行ったアイドル(ダンスボーカルグループやK-POPアクトを含む)と別にはなっていますが、ここからも若年層への浸透が見て取れます。

一方で、「本当はね、」は先述した『CDTVライブ!ライブ!』や『ミュージックステーション』にて披露されていません。深夜帯の特番を除けば、昨年11月から12月にかけて前者が3回および後者が4回の放送にとどまっていることが影響したのではと考えます。年末年始進行や特番主体に伴い通常回が減ることにより、11月や6月頃ににブレイクの兆しをみせた歌手のメディアでの紹介はままならなくなると感じてしまいます。

CDTVライブ!ライブ!』については、ヤングスキニーは春の特番の”前夜祭”と称した深夜帯特番に出演していますが、ゴールデン帯の出演のほうが広く世間への浸透度が高くなると考えるに、本編(特番を含む)の出演が叶っていないことには疑問を覚えます。また前夜祭の出演自体、「本当はね、」のチャート上のピークから時間が経過していたことが気になります。

 

地上波民放放送局のゴールデンタイムにおける通常音楽番組自体がそもそも多くないことに加えて、ビルボードジャパンの音楽チャートをきちんと扱う番組が(ラジオを含めて)ほぼないこと、そして年末および7月前後は長時間音楽特番が組まれる傾向にあり通常放送回自体が減少することも、ブレイク見込みの歌手を紹介する機会を逸することにつながっていると言えるかもしれません。

若年層の視聴者層を獲得する、また番組の差別化を図るならば音楽チャートとにらめっこし、特にHeatseekers Songsチャートの動向から次に来る歌手をいち早く押さえることが音楽番組にとって必要に成るものと考えます。Conton Candy、チョーキューメイ、そして今からでもヤングスキニーが『CDTVライブ!ライブ!』や『ミュージックステーション』に出演することを願っています。