イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

ストリーミング等接触指標がオリンピックの影響を強く受ける中、勢いを示す曲の動向を確認する

音楽の接触環境に、オリンピックが大きく影響しています。

前週この傾向を記したのですが、状況がますます目立つようになったことから改めて紹介します。

 

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この3ヶ月ほどの主要曲における日本のSpotifyデイリーチャートの動向を上記に。最新7月31日付は土曜であり通常ならば金曜に比べて大きく伸びるはずが、その動きは鈍くなっています。以前、7月24日土曜付における1週間前との再生回数比が9割前後と記しましたが、最新7月31日付では前週比95%前後となり、オリンピック前の7月17日と最新7月31日付とを比べると、多くの曲において再生回数は8割台後半となっているのです。

(勝手ながら引用させていただきました。問題があれば削除いたします。)

チャート分析と予想に長けたあささん(Twitterこちら)はYouTube再生回数の定点観測を行っていますが、オリンピックの影響は動画視聴にも表れていることが如実に解ります。ミュージックビデオに絞ったチャートにおけるトップ10全曲前週比ダウンは1回目の緊急事態宣言下以来だというのですから、音楽や映像等に触れる機会が如何にオリンピックに移行しているかが見て取れるのです。

 

 

Spotifyに話を戻すと、その逆境の中で勢いを示しているのが優里「シャッター」。最新7月31日付までに1週間連続で最高再生回数を更新し、1週間前に比べて再生回数166.6%、2週間前の180.2%となっています。

セルフカバーとなる優里さんバージョンのミュージックビデオがまだ公開されておらず、また現在病気療養中とのことでYouTubeチャンネルでの活動もできない状態ですが、ともすれば療養を知ったファン等の全快への願いが反映されたかもしれません。

またチャンネル登録者数145万を誇るしらスタ【歌唱力向上委員会】で優里「シャッター」の解説動画がアップされたのが7月22日。カラオケで歌いたい、歌唱法を試してみたいと思わせるこの動画もまた、ともすれば「シャッター」の上昇に寄与したのかもしれません。この場合、コアなファンもさることながらライト層も再生に至ったと言えるでしょう。

 

Spotifyデイリーチャート、最新7月31日付における2週間前比ではmillennium parade × Belle「U」が140.6%、Official髭男dism「Cry Baby」は同95.4%を記録しています。Spotify(そして他のデジタルプラットフォームも同様でしょう)、そしてYouTubeへの接触時間がオリンピックに移行している現在、それでもその流れに逆らって再生回数を伸ばし、もしくはキープしている曲が次の大ヒット候補となるかもしれません。

 

 

ストリーミングといえば、ビルボードジャパンが金曜にアップする速報(先ヨミ)記事で超特急「CARNAVAL」がストリーミング指標で3位に入っているとアナウンスされています。前週は9位であり、自身初のトップ3入りが予想されます。

LINE MUSIC再生回数キャンペーンに加え、全デジタルプラットフォームでの1千万回再生を目標に掲げたことも功を奏し、一方でオリンピック期間中による全体的な落ち込みもあってさらに目立つ形になったと言えます。LINE MUSICにおいては昨日のキャンペーン終了を前に、7月30日の段階でこのデジタルプラットフォームのみで1千万回再生を突破しました。

ストリーミングの強さが続いていることで、次週のビルボードジャパンソングスチャートでも順位を保てるであろう超特急「CARNAVAL」。ですが、Spotifyデイリーチャートでは7月31日付までの間に一度も200位以内に登場しておらず、また最新7月28日公開(8月2日付)ビルボードジャパンソングスチャートではダウンロード等大半の指標が加点されていません。ともすればLINE MUSICに特化したヒット曲と言えるのです。

超特急「CARNAVAL」は次週もストリーミングが上位にとどまり、総合でも勢いをキープできるものと思われますが、その次週においてダウンロードや動画再生といった他指標が加点されるか、またその翌週(8月11日公開(8月16日付))にストリーミングが急落しないか、注視する必要があります。

 

接触指標はコアなファンの支えも必要ですが、ライト層を如何に獲得するかがロングヒットには欠かせません。LINE MUSIC再生回数キャンペーン終了後の8月11日公開(8月16日付)ビルボードジャパンソングスチャートで「CARNAVAL」がストリーミングおよび総合チャートを急落したならば、ビルボードジャパンは一度議論のテーブルを設ける必要があるのではないかというのが私見です。