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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

Official髭男dism「Subtitle」サブスク再生回数がダウン…スポーツイベントが影響を与えている可能性

次週11月30日公開分(12月5日付 集計期間:11月21~27日))ビルボードジャパンソングスチャートでは米津玄師「KICK BACK」がフィジカル関連指標初加算を武器に総合首位返り咲きを狙います。一方でストリーミング指標ではOfficial髭男dism「Subtitle」が引き続き首位の座にとどまる見込みですが、今週水曜までの速報値では前週より下がっていることが明らかになりました。

最新11月23日公開分(11月28日付)ビルボードジャパンソングスチャートではOfficial髭男dism「Subtitle」が21,708,199回再生を記録し、総合チャートのほかにストリーミング指標(の基となるStreaming Songチャート)を制しましたが、その際の前半3日間における速報値は8,786,601回。次週のチャートにおけるストリーミング速報値は7,759,443回で前週比88.3%となり、速報段階で100万回以上ダウンしているのです。

この理由について、ストリーミング指標のデータ提供元のひとつで、ビルボードジャパンソングスチャートのストリーミング指標で再生回数の15~20%程度を占めるSpotifyの動向から探っていきます。

(Streaming Songチャート首位曲におけるSpotifyの割合はおよそ15~20%。Official髭男dism「Subtitle」は直近の5週において再生回数に占めるSpotify の割合が13.8%→14.6%→16.0%→17.2%→17.6%と推移しています。)

 

Official髭男dism「Subtitle」は11月20日に初めて再生回数が前週同曜日を下回りましたが、この日はサッカーワールドカップが開幕。開会式、そして日本時間の25時に初戦が行われています。Spotifyの1日の区切りは午前2時頃とみられ(フライングでエントリーする曲が少なくないことから判断可能)、この日からサッカーワールドカップに可処分時間を充てる、音楽聴取から移る方が少なくなかったと考えます。

Official髭男dism「Subtitle」は日本におけるSpotifyにて、11月20日日曜の再生回数が前週同曜日比99.9%となって以降、最新11月24日木曜まで98.3%→87.5%→97.4%→91.4%と推移。水曜は祝日だったため前週同曜日から微減にとどまっていますが、逆に言えば祝日でも前週同曜日の平日を超えなかったことになります。

Spotifyは新曲が上位に登場しにくいという意味で保守的と形容可能なサブスクサービスゆえ、再生回数ダウン幅がまだ小さかったと言えるかもしれません。新曲が進出しやすく若年層の利用が多いLINE MUSICでは、Spotify以上に音楽聴取時間がサッカーワールドカップ観戦時間に移行している可能性もあり、ゆえにビルボードジャパンソングスチャートにおけるストリーミング指標の速報値は納得できるものと捉えています。

無論Official髭男dism「Subtitle」においては、主題歌となった『silent』(フジテレビ)が一昨日放送されなかったことも影響していると言えますが、大型イベントが音楽聴取時間を減らすことについては東京オリンピックという前例があり(下記リンク先参照)、今回のサッカーワールドカップもその動きを思わせるに十分と判断しています。今後の動向を注視していきましょう。

 

サッカーワールドカップは日本時間の12月18日日曜24時に決勝が行われる予定であり、さらには12月24日をピークにクリスマスソングも多数上昇が見込まれます。それまでの間にSpotify等サブスクサービスで再生回数を維持し、12月26日月曜以降に上位に進出できるかが重要となるはずです。