イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【マイベスト】2021年6月の私的トップ10ソングス、選びました

昨年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2021年6月分です。前の月にリリースされた曲を中心に、しかしその縛りは出来る限り緩くした上で選んでみました。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。

過去の私的トップ10ソングス、および2020年上・下半期の邦楽ベストソングスについてはこちらに。ちなみに個人的に毎回チェックしているプレイリストは現時点において主に、New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spinとなっています。

 

 

10位 May J.「Can't Breathe」

未だにレリゴーイメージを強く抱いている方がいたらそれが如何にMay J.さんの一側面しか見ていないか…そう感じさせる素晴らしい作品。yahyelさんとの共作により、以前主体としていたR&B的アプローチに回帰したのみならず、絶望の淵に立つ思いを見事に表現しています。

 

9位 Tokimeki Records feat. ひかり「ウェザーリポート」

時代に囚われず良質なシティポップをカバーするTokimeki Recordsですが、今回一十三十一さんの初期の名曲を用意したのは嬉しい限り。十一さんのコケティッシュな声とは正反対ながら、真っ直ぐに歌うひかりさんの表現力が曲の新たな魅力を引き出しています。惜しむらくはSpotifyでオリジナルバージョンと比較しようにもそのオリジナルがないこと、なんですよね。

 

8位 CAPSULE「ひかりのディスコ」

音の立ち方もサブスク時代のそれにアップデートできていて、また今月リリースされたPerfumeの新曲「ポリゴンウェイヴ」も見事。中田ヤスタカさんの好調っぷりは見事です。

 

7位 スクリレックス with ノイジア、ジョシュ・パン & ディラン・ブラディ「Supersonic (My Existence)」

様々な音にアプローチしているスクリレックスですが、この曲では自身の原点に立ち返るかの如きひずみが全開。オリジネーターの強みを見事に活かしています。

 

6位 中納良恵 feat. 折坂悠太「待ち空」

ソングライティングは中納良恵さん単独ながら、折坂悠太さんに出だしを任せ、且つ折坂さんが制作に関わっているのではないかと思うくらいしっくりきているのが不思議です。キャリアの長さは異なれど、波長の合い方が素晴らしいですね。

 

5位 ジャクソンズ feat. タメラ・マン「Can You Feel It (Kirk Franklin Remix)」

リリースは4月ですが、先月リリースされたリミックスEPに収録されたことで知りこの位置へ。Aメロのタイトル三連呼において主旋メロディを排したことでここまでゴスペル的になるのかと驚かされます。マイケル・ジャクソンはソロとしてこれまでにも「You Are Not Alone」や「Man In The Mirror」でゴスペルライクな作品を発表していますが、カーク・フランクリンがさらなる名作を生み出した、そんな感じがします。

 

4位 ジンジャー・ルート「Loretta」

ミュージックビデオが日本の昭和感あふれるテレビ公開収録感全開で、今の時代においてはダサいのですがここまでやりきると一周回って格好良く見え、その徹底っぷりに感嘆するばかり(最後のテロップにも注目)。山下達郎さんを多分に意識したであろうメロディや歌い方も見事で、最も多く再生したミュージックビデオがこの曲です。

 

3位 ネイオ「Messy Love」

リーク被害を受け出し直しとなったネイオの新曲。独特のハスキーな声と哀愁漂うストリングスが見事に合致し、サビのメロディを繰り返す際にコード等が若干異なることでさらに深く浸れる仕様に。プロデューサーはH.E.R.やジョイス・ライス等を手掛け、現代R&Bの最重要人物であるDマイル。

 

2位 米津玄師「Pale Blue」

5月末のリリースながら先月あまりに聴く機会が多く、この位置に。ドラマ主題歌として描き下ろしたことで今回もノーイントロとなっていますが、奇をてらうことのないシンプルな言葉によるサビのフレーズがここまで真っ直ぐ刺さるのはメロディおよびストリングスの巧みさゆえ。リズムが変わった大サビで〆ることでさらなる余韻を生み、一級のラブソングに仕上がっています。

 

1位 H.E.R.「Bloody Waters」

Dマイルと組み今年のグラミー賞最優秀楽曲賞およびアカデミー賞歌曲部門で2冠を獲得したH.E.R.。初のフルアルバム『Back Of My Mind』において制作陣にDマイルの名はありませんが、その評判は極めて高いですね。とりわけケイトラナダやサンダーキャットをプロデューサーに迎えたこの曲のグルーヴには痺れます。ただただ身を委ねるばかりです。

 

 

以下、次点として10曲。

・Daichi Yamamoto feat. STUTS「Cage Birds」

東京事変「銀河民」

持田香織「スタートライン」

・ドラン・ジョーンズ&ジ・インディケーションズ「Love Will Work It Out」

エド・シーラン「Bad Habits」

・ハイエイタス・カイヨーテ「All The Words We Don't Say」

ジェシー・ウェア feat. カインドネス「0208」

・リオン・ブリッジズ「Why Don't You Touch Me」

・ミッキー・ブランコ feat. ブラッド・オレンジ「It's Not My Choice」

・ソー(Sault) with リトル・シムズ「You From London」

R&B的アプローチを選んだ作品で大半を占めています(東京事変が『ミュージックステーション』で「銀河民」を選んだことにも驚かされましたが、おかげでこの曲の素晴らしさに気付くことができました)。ドラン・ジョーンズ&ジ・インディケーションズ「Love Will Work It Out」は半世紀前の作品と思われてもおかしくないような、ソウルミュージックのエッセンスに溢れています。

 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。