イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ビリー・アイリッシュ、アメリカの成功が日本にも波及なるか…4月29日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

4月15~21日を集計期間とする、4月29日付のビルボードジャパン各チャートが昨日発表され、総合ソングスチャートはラストアイドル「大人サバイバー」が制しました。しかしながら2位のあいみょん「ハルノヒ」とはわずか11ポイントの差に。

しかし両者には大きな違いが。「ハルノヒ」がチャート構成比におけるシングルCDセールス指標が1割弱であり各指標バランスよく稼いでいるのに対し、「大人サバイバー」のシングルCDセールス指標は全体の9割以上。これは間違いなく次週大きく下がる…ということは前週首位であり「大人サバイバー」と同様の構成比となっていたHKT48「意志」の1→82位というチャートアクションが証明しています。

f:id:face_urbansoul:20190425083639p:image

f:id:face_urbansoul:20190425083647p:image

f:id:face_urbansoul:20190425083656p:image

シングルCDセールス指標のウェイトはもう少し下がってもいいのではないか?とも思うのですが、現在の流行をきちんと把握するならば、チャートをチェックする方には是非ともシングルCDセールス初加算週とその翌週双方の動向を見て、真のヒットか否かを判断することをお勧めします。「大人サバイバー」と「ハルノヒ」の次週の動向にも注目です。

 

さて今回は、ビリー・アイリッシュをチェック。その名を聞いたことある方は少なくないかもしれません。

現在17歳の彼女は、3月にリリースした初のフルアルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』で4月13日付米ビルボードアルバムチャートを制し、その勢いでリード曲「Bad Guy」が同ソングスチャート7位に初登場しました。

アルバムの初週ユニット数は313000でとなり今年歴代2位、そして21世紀生まれの歌手がアルバムチャートを制したのは初…大記録を打ち立てました。

ビルボードソングスチャートにおいて、チャートを構成する指標のうちデジタル2指標(デジタルダウンロードおよびストリーミング)は瞬発力が高い一方、ラジオエアプレイが瞬発力が遅い(ものの持続力がある)ことから、勢いのある曲が上位に初登場したものの翌週急落することが少なくないのですが、「Bad Guy」は一旦トップ10圏外となったものの11位にとどまり、最新4月27日付米ビルボードソングスチャートでは9位に上昇しています。認知度上昇に加え、4月13日土曜日にコーチェラ・フェスティバルに出演したことが影響していると言っていいでしょう。米ビルボード、最新ソングスチャートは下記に。

「Bad Guy」はデジタルダウンロード10位、ストリーミング3位。ラジオエアプレイはまだ50位以内に入っていませんが、今後同指標が上昇すれば長期エントリーもあり得るかもしれません。

 

では、日本の動きはどうでしょう。昨日、ビルボードジャパンのチャートに関する記事で「Bad Guy」が紹介されています。

またビリー・アイリッシュの最新曲「バッド・ガイ」が、前々週49位→前週41位→当週29位と右肩上がりのチャートアクションを見せている。同曲が収録されたデビュー・アルバム『ホエン・ウィー・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥー・ウィー・ゴー?』は、米ビルボード・アルバム・チャートで初登場1位を獲得。日本でも、14日にYouTubeにて生配信された【コーチェラ・フェスティバル2019】でのステージがTwitterトレンド入りするなど話題となっており、その注目度の高さがうかがえる結果となった。

【ビルボード】あいみょん「マリーゴールド」が360.6万回再生でストリーミング16連覇 ヨルシカ/ビリー・アイリッシュに注目 | Daily News | Billboard JAPAN(4月24日付)より

このストリーミング指標も牽引する形で、「Bad Guy」は最新ビルボードジャパンソングスチャートで総合41位に上昇。コーチェラ・フェスティバル1週目の模様は、日本時間の4月14日日曜に配信されており、最新ビルボードジャパンの集計期間がその翌日からだったことでコーチェラきっかけのリアクションも強く反映された形といえます。

その「Bad Guy」、指標で最も順位が高いのはラジオエアプレイ。

f:id:face_urbansoul:20190425083708p:image

順位はストリーミングよりラジオエアプレイが高いにも関わらずチャート構成比はストリーミングが上回るのは、両者のチャートにおける影響力の差を如実に示していますがそれはさておき、ラジオが新しいものを一足早く捉える嗅覚に優れていることがこのチャートアクションから見て取れます。とはいえもう少し盛り上がってもいいのでは…とも思うのですが、たとえば『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)において、最新4月21日付で26→8位へ上昇。J-WAVEをはじめ、今後各ラジオチャートで台風の目になる可能性は高いでしょう。

また、Twitterでフォローしている方が紹介していたのですが、日本のレコード会社がTwitterでビリー・アイリッシュにまつわるモーメントを作成しています。ファンの感想、音楽評論家等の言葉がまとまっており、動画も含め必見ではないでしょうか。

ラジオエアプレイ、ストリーミング等の各指標、そして総合順位がどうなっていくのか、こちらも次週注目です。