米ビルボードソングスチャート速報。現地時間の8月26日月曜に発表された、8月31日付最新ソングスチャート。前週リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」から首位の座を奪ったビリー・アイリッシュ「Bad Guy」はわずか1週で陥落。新たな首位に立ったのはショーン・メンデス & カミラ・カベロ「Señorita」でした。
.@ShawnMendes & @Camila_Cabello officially top the #Hot100 with "Señorita" 🙌 https://t.co/5RUERlTK6O
— billboard (@billboard) August 26, 2019
「Señorita」はショーン・メンデスにとって初、カミラ・カベロにとってはヤング・サグをフィーチャーした「Havana」で首位となって以来2度目の1位獲得となりました。ラジオエアプレイは前週比6%アップの1億240万(同指標3位)、ストリーミングは同3%アップの3750万(同指標4位)、ダウンロードは同4%ダウンの22000(同指標5位)と、どの指標も首位には至っていませんが堅調に推移し、我慢のゴルフの如き展開で首位に躍り出た形です。とはいえ、下記”リハーサルビデオ”の投入もストリーミングの推移に効果を与えたかもしれません。
現段階で540万回再生されたこのビデオは、デジタル2指標の集計期間初日にあたる8月16日に公開されたもの(ラジオエアプレイは8月19日からの1週間が集計期間)。なるほど、ここにも”仕掛け”が施されています。
ショーン・メンデスとカミラ・カベロといえば以前にも「I Know What You Did Last Summer」が2016年初頭に20位を獲得しており、相性の良さはお墨付きなのですが、この”デュエット”での首位は今年2曲目。レディー・ガガ & ブラッドリー・クーパー「Shallow」が3月9日付で首位を獲得して以来となります。1年に2曲ものデュエット曲が首位となったのは1987年以来となり、その際はアレサ・フランクリン & ジョージ・マイケル「I Knew You Were Waiting (For Me)」およびビル・メドレー & ジェニファー・ウォーンズ「(I've Had) The Time Of My Life」が首位となりました。
今週2位に沈んだビリー・アイリッシュ「Bad Guy」は、前週の集計期間終盤に投入したヴァーティカル・ビデオ(スマートフォン仕様の縦型ミュージックビデオ)によるストリーミング、および公式サイトにおける同曲のカセットシングル発売効果によるダウンロードの効果が今週も見られたのか、こちらも堅調に推移。ストリーミングは前週比1%ダウンの3890万(同指標3位)、ラジオエアプレイは同3%ダウンの9110万(同指標6位)、ダウンロードは同1%アップの20000(同7位)となりました。「Señorita」との差は特にラジオエアプレイに表れたと言っていいでしょう。なお、前週のチャート紹介(「Old Town Road」が遂に陥落、ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」が首位を獲得した理由は新たな”投入”にあり…8月24日付米ソングスチャートをチェック(8月20日付)でカセットシングルの紹介を省いてしまったのですが、カセットシングルがダウンロードに加算されるのは恥ずかしながら知りませんでした…今後、もしかしたらこの施策を用いる歌手が出てくるかもしれません。
3位にはリゾ「Truth Hurts」が最高位を更新。ダウンロードは前週比17%アップの26000(同指標2位)、ラジオエアプレイは同4%アップの9910万(同指標4位)、ストリーミングは同6%アップの2840万(同指標6位)で全指標上昇、次の首位候補に躍り出ました。このリゾに逆転を許したリル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」が4位に交代。総合では2週間前まで19週連続、ストリーミングでは前週まで20週連続で首位の座を保持していたのですが、ストリーミングも遂に陥落し前週比5%ダウンの5070万(同指標2位)、ダウンロードは同12%ダウンの23000(同4位)、ラジオエアプレイは同17%ダウンの2840万(同指標35位)と大きく後退。特にラジオエアプレイが低水準となり、仮に今後もリミックスを投入しストリーミングを伸ばしたとしても、延命措置こそあれ首位の座は射止められないでしょう。
その「Old Town Road」が20週守り続けたストリーミング首位の座を奪ったのがリル・テッカ「Ran$om」。総合でも5位に上昇しました。
ストリーミングは前週比21%アップの5230万で同指標首位、ダウンロードは同8%アップの5000(同39位)、ラジオエアプレイは同21%アップの1500万ですが同指標50位未満に。今後のチャートアクションはラジオエアプレイの伸びにかかっています。
最新のトップ10はこちら。
[今週 (前週) 歌手名・曲名]
1位 (2位) ショーン・メンデス & カミラ・カベロ「Señorita」
2位 (1位) ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」
3位 (4位) リゾ「Truth Hurts」
4位 (3位) リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」
5位 (8位) リル・テッカ「Ran$om」
6位 (5位) カリード「Talk」
7位 (6位) クリス・ブラウン feat. ドレイク「No Guidance」
8位 (7位) エド・シーラン & ジャスティン・ビーバー「I Don't Care」
9位 (9位) ポスト・マローン feat. ヤング・サグ「Goodbyes」
10位 (10位) ショーン・メンデス「If I Can't Have You」
ラジオエアプレイは今週もカリード「Talk」(総合6位)が制覇していますが、前週比3%ダウンの1億2120万とダウン。また今週はトップ10の顔ぶれは変わらず、同日付のアルバムチャートを制したヤング・サグの楽曲が入ってくることはありませんでした。
さて来週は、テイラー・スウィフトがアルバム『Lover』収録曲が大挙エントリーする予感がします。アルバムリリース日にミュージックビデオを公開したタイトル曲「Lover」は前週にシングル化、今週のチャートで19位に初登場を果たしています。
ダウンロードは35000をマークし同指標首位を獲得、同指標での首位獲得曲数を18に伸ばし最多記録を更新しています(ちなみに2位はリアーナの14曲)。テイラー・スウィフトは日本時間の今日、MTVビデオ・ミュージック・アワードのオープニングアクトに登場しますが、おそらくこの曲を披露してくれるのではないでしょうか。それ次第では次週「Lover」のトップ10、いや首位獲得もあり得ると考えています…ということは前週弊ブログにて予想しました。
ただ…次週のアルバムチャートで『Lover』がユニット数(セールスに単曲ダウンロードのアルバム換算分およびストリーミングのアルバム換算分を加えた計算単位)でミリオンを突破すると読んでいたのですが、昨日付の記事によると。
業界筋の予想によると『ラヴァー』は、8月29日までの集計週を反映した9月7日付の“Billboard 200”で70万ユニットを獲得し、1位デビューを果たすことが有力視されている。
予想を大きく下回る数値に驚いています。もしかしたら首位獲得は難しいかもしれません。