弊ブログではビルボードジャパンとオリコンを比較し、ビルボードジャパンがはるかに社会的ヒットの鑑になっていることを伝えています。オリコンは今年度よりシングル合算ランキングをはじめてはいますが、その内容があくまでシングルCD主体であること、またチャートを紹介出来にくい、いや”してはいけない”とも思わせかねない姿勢に疑問を覚えています。
そのオリコンの合算ランキングがスタートするタイミングで、もしかしたらジャニーズ事務所所属歌手の作品群がデジタルに明るくなると思っていたのですが。
結果的にそれが叶わないまま、今に至ります。
さて、1月27日日曜夕方に突如飛び込んできたのが、アイドルグループ嵐の活動休止。嵐については長らく事務所でも、いや男性アイドル全体でもトップランナーであり、報道量や熱の凄さは多くの方が知る通り。日曜19時台のNHKラジオニュースのトップまでもが、会見前にもかかわらずその報道だったわけです。
では、この活動休止が、弊ブログで定点観測するビルボードジャパンソングスチャートに反映されるか、トップ10入りなるか…昨日、ビルボードジャパンのシングルCDセールス(月~水曜集計分)の速報が発表され、嵐のシングルが複数ランクインし最も売れているシングルの枚数も紹介されているのですが、難しい状況と言えるかもしれません。
さて、1月27日に発表された嵐の活動休止ニュースによる影響が、早速シングルセールスにも表れている。2018年10月24日にリリースされた嵐の最新シングル『君のうた』は前週の約5倍となる2,329枚を売り上げて現在21位についている。他にも『夏疾風』(37位)、『Find The Answer』(49位)、『Doors ~勇気の軌跡~』(56位)、『Monster』(77位)、『Happiness』(84位)、『I seek / Daylight』(90位)が、前週100位圏外から大幅にジャンプアップ。
・【先ヨミ】ジャニーズWEST『ホメチギリスト/傷だらけの愛』が約11.2万枚で現在シングル首位、嵐7曲がトップ100内にチャートイン | Daily News | Billboard JAPAN(1月31日付)より
あれだけ大きな話題になるのならば、3日間で2300枚という数値は少なすぎると思うのです。が、無理はありません。
月曜のオリコンデイリーシングルCDセールスランキングでは #嵐 が100位以内に6作品ランクイン https://t.co/ALAU8iY0TI
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) January 30, 2019
仮にストリーミング解禁していたならば日曜の報道の段階で再生回数が急進し、今日発表の2月4日付 @Billboard_JAPAN ソングスチャートで既に席巻していたと思わずにはいられません
オリコンにおける月曜のシングルCD売上動向を踏まえて書いたのが上記ツイートですが、実店舗であれネットショップであれ、シングルCDの在庫を豊富に抱えているところは少なく(ましてや全作品抱えるところはほぼ皆無でしょう)、店舗数および売場面積の縮小を踏まえれば近年のシングル群の在庫も1、2枚(もしくは過剰在庫分)が限度でしょう。これはレンタルでも同じで、直近のオリジナルアルバムまでに収録されたシングルは中古として捌かれ、ネットレンタルならまだしも実店舗では置かれないと考えるのが自然。ゆえにビルボードジャパンソングスチャートにおけるシングルCDセールス、およびルックアップ(パソコンに取り入れる際のCDデータベースへのアクセス数)の両指標が伸びにくいことは想像に難くありません。
さらに所属事務所の特性上デジタル未解禁ゆえ、デジタルダウンロード・ストリーミング・動画再生の各指標はカウント対象外(ストリーミングでは歌詞検索もカウントされますが、あれだけ大ヒットしている米津玄師「Lemon」もここ数週はストリーミングが300位未満であることから同指標を多く獲得するのは期待薄でしょう)。ゆえに嵐においては数値が伸びにくいとはいえど先述したシングルCDセールス、ルックアップ、そしてラジオエアプレイ、カラオケおよびTwitterで稼ぐ必要があります。ラジオエアプレイはマスの数値が決まっている、またファンがこぞって嵐の曲を歌うという行動が極端に上昇しない限りは、Twitterがチャート上昇の鍵となります。
(ちなみに「君のうた」は前週400枚台売れていたとみられ、その週を集計期間とする2月4日付ビルボードジャパンシングルCDセールスチャートでは85位に入っていますが、複合指標による同日付ビルボードジャパンソングスチャートにはランクインしていません。「君のうた」のCHARTinsightはこちらに。)
そのTwitter上昇の鍵に大きく作用するのが今日の『ミュージックステーション』出演でしょう。
2月1日に放送される『ミュージックステーション3時間スペシャル』では「感謝カンゲキ雨嵐」と「君のうた」が披露されることが発表されており、活動休止会見から初めてとなる生パフォーマンスに高い注目が集まっていることから、今後のチャートアクションに大きく反映されることが予想される。
・【先ヨミ】ジャニーズWEST『ホメチギリスト/傷だらけの愛』が約11.2万枚で現在シングル首位、嵐7曲がトップ100内にチャートイン | Daily News | Billboard JAPAN(1月31日付)より
「君のうた」は直近のシングルでありフィジカルに関連した2指標での伸びも他のシングルに比べれば期待出来ますが、「感謝カンゲキ雨嵐」は19年前のシングルでありシングルでのCD調達は難しいでしょう。ならばファンが中心となってTwitterで盛り上げることがチャートを押し上げる力となります(その際はひとつのツイートに歌手名と曲名の双方を入れることを忘れずに)。実際、三浦大知さんが最新シングル「Blizzard」で”ブリ活”なるTwitter活動をファン主体で実行し、ビルボードジャパンソングスチャートで自身初の6週連続トップ10入りを達成しています。これはこれまでのシングル群での弱さを強さに変えたことで得られた金星といえます。
嵐のファンの多さ、また視聴率以上に『ミュージックステーション』のSNSのつぶやきが多いことを踏まえれば、”ブリ活”の嵐版を実施すれば、ともすればTwitter指標だけで1000ポイントは稼ぎ出し、「君のうた」がトップ10入りする可能性も見えてくるでしょう。
そこまでチャートに躍起になる必要はないとか、チャートはひとつの指標でしかない等と言われればそれまでです。が、たとえば嵐のメンバーが単独で3年連続司会を務める(個人的には2016年の段階で既に、2020年まで5年連続で順番に司会を担当するものとみていましたが)『NHK紅白歌合戦』(NHK総合等)の人選は明らかに、オリコンよりもビルボードジャパンのチャートを参考にしています。シングルCDの売上だけで社会的なヒットを見極めようとすればDA PUMP「U.S.A.」も星野源「アイデア」もヒットしたとは言えず、ビルボードジャパンが社会的なヒットの、そして社会の流行や世相の鑑になっているといえるのですが、にもかかわらず活動休止発表以降多くの方がその動向を注目する嵐がチャートで反映されないというのはどうなのだろう…そう思うのは自分だけでしょうか。ストリーミングとまではいかないまでも、仮にデジタルダウンロードが解禁されていたならば、「感謝カンゲキ雨嵐」もまたデビュー曲の「A・RA・SHI」(1999)もチャートインしたでしょうし、「君のうた」は間違いなくトップ10入りしたはず。そう考えると、至極勿体無いと思うのです。
なので、デジタル未解禁の歌手のファンの皆さんが、デジタル未解禁についてどう思うか、解禁してほしいのか否か…その意識が凄く気になります。前週 #V6 のチャートアクションについて多数のRT等リアクションをいただきましたが、その皆さんがどう思っているかを知りたいところです
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) January 30, 2019
まずは嵐の凄さをチャートにも刻むべく、ファンが中心となってTwitter活動を行うことを希望します。その上で、デジタル解禁の是非について考えていただきたいと願います。デジタル解禁するとCDが売れなくなりシングルCDセールスだけのチャートでも立ち位置が危うい…そんな声もあるかもしれませんが、特にアイドルファンにおいてはシングルCDをグッズの側面としても捉えるゆえ、シングルCD購入をやめてダウンロードに移行する人は少ないと思いますし、むしろライトなファンが楽曲の良さに惹かれて購入することから全体的にはむしろ伸びると思うのですが。