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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

配信デビューのTravis Japanは日本のチャートで不利に?…その理由、そして最上位進出のための考え方

10月8日付米ビルボードソングスチャートやグローバルチャート、日本時間の昨日早朝に発表されたトップ10速報については昨日のブログに翻訳を掲載しました。

昨日18時台には米ビルボード各種チャートの全容が公開。グローバルチャートのうちGlobal 200では、J-Popが3曲がランクインしています。

Adoさんによる映画『ONE PIECE FILM RED』関連曲が勢いをキープできるか、藤井風「死ぬのがいいわ」が浮上できるかが今後の課題。一方では次週以降、なとり「Overdose」がランクインする可能性も出てきました。

 

このグローバルチャートに関連して、Travis Japanの配信デビューを以前紹介しました。

Travis Japanは10月28日金曜に配信デビュー。金曜リリースは世界基準に即しておりグローバルチャートへランクインする可能性もあることを上記ブログエントリーで記しましたが、一方で月曜集計開始となる日本のチャートでは不利になりかねません。そう考える理由を以下に記します。

 

ビルボードジャパンではデジタル、特に接触指標群に強い作品が上位を長くキープする傾向にあり、Ado「新時代」はまさにその典型です。1万ポイント超えが7週続いており、下半期リリース曲ながら年間ソングスチャートのトップ10入りを狙える位置にいると言えるでしょう。

上記は2022年度のビルボードジャパンソングスチャートにおける、週間1~3位のリスト。フィジカルセールス指標の係数処理対象枚数を10万→5万(推定)に引き下げるチャートポリシー変更を年度初週に実施し、フィジカル未リリース曲が週間チャートを制しやすい形となりました。一方で第2四半期初週以降の15週のうちフィジカルセールス38万枚超えでの首位獲得が10週となり、今もフィジカルセールスの影響力が際立ちます。

次週10月12日公開分(10月17日付)以降は20万枚以上のフィジカルセールスが見込める曲が、特に10月19日公開分(10月24日付)以降は40万枚超えを狙える作品が大挙登場。その中で、前作が初週47万枚以上を売り上げた日向坂46の新曲「月と星が踊るMidnight」とTravis Japanのデビュー曲が同じ週にリリースされるのです。また前作は10万枚未満ながら、ジャニーズ事務所所属のA.B.C-Z「#IMA」もこの週にフィジカルリリースします。

またジャニーズ事務所は配信も増えてきていますが、KAT-TUN「ゼロからイチへ」が10月10日、20th Century「水曜日」が10月17日、中山優馬「Squall」が10月31日といずれも月曜に解禁。月曜リリースは初週のチャートアクションの最大化を狙えます。諸先輩方の作品はTravis Japanの初週とはぶつかりませんが、金曜リリースであるTravis Japanの日本のチャートでの不利は拭えないと言えるかもしれません。

 

ジャニーズ事務所側はデジタルよりフィジカルセールスを、ビルボードジャパンよりオリコンを重視する傾向は今も変わらないと感じています。そのオリコンにも合算ランキングがありますが、オリコンのそれは計算方法(下記リンク先参照)は解りやすい一方でビルボードジャパンよりフィジカルセールスのウエイトがかなり大きいため、Travis Japanオリコンよりもビルボードジャパンで上位に進出しやすいものと考えます。

 

Travis Japanビルボードジャパンソングスチャートを制するには、リリース初週(日曜までの3日間)にダウンロード数をどこまで伸ばし、ストリーミングや動画再生も加点できるかが重要です。他指標の動向にもかかっていますが、施策の採りやすい動画を用いてTravis Japanデビューへの期待感をどう高め、リリース日の所有や接触につなげていけるかが鍵となるでしょう。

ちなみに、ジャニーズ事務所音楽配信の道筋をつけた嵐は、デジタル専用シングル「Turning Up」を日曜、「IN THE SUMMER」「Whenever You Call」「Party Starters」を金曜にリリースしていますが、ビルボードジャパンソングスチャートを制することができませんでした。一方で、米ビルボードがグローバルチャートを始めた直後にリリースされた「Whenever You Call」は、金曜集計開始の同チャートで結果を残しています。

ビルボードジャパンでもグローバルチャートでも、最善は上位進出以上にロングヒット且つ年間チャートでのランクインですが、週間チャート首位も大きな意味を持ちます(ビルボードジャパンは前者について、きちんと認知浸透させる必要があると考えます)。双方で上位進出するには解禁日となる金曜からの3日間の動向にかかっており、運営側の施策やコアファンの意識も重要となります。

(ちなみに、好くない想像であると前置きして書くならば、Travis Japanビルボードジャパンで首位を獲得できなかった場合にグループをくさすメディアや市井が出てくるかもしれません。その場合、メディア等に対しチャートのシステムやロングヒットがより重要であることを理解しているかを問う必要があります。そしてメディア等の知識や認識をふくよかにするためにも、ビルボードジャパンからの発信はやはり重要です。)

なお、ジャニーズ事務所所属のKis-My-Ft2はLINE MUSIC限定でサブスク解禁し、LINE MUSIC再生キャンペーンを実施していますが、そのLINE MUSICはグローバルチャートのカウント対象となるデジタルプラットフォームに含まれていないと捉えています。グローバルチャートの内容をビルボードジャパンがきちんと提示することも重要ですが、世界展開するデジタルプラットフォームを活用した所有/接触が必要でしょう。