7月8日公開分のビルボードジャパンソングチャート(集計期間:6月29日~7月5日)では、前週首位に立った≠ME「愛くださいませ」が42位へ後退。BE:FIRST「Missing」が首位初登場を果たしています。
【ビルボード】BE:FIRST「Missing」がラジオ、CD、ダウンロード、動画、ストリーミングを制し総合首位、aiko「花火」が約10か月ぶりにチャートイン https://t.co/GfEmQqAQhE
— Billboard JAPAN(ビルボードジャパン) (@Billboard_JAPAN) 2026年7月8日

注目は、「Missing」が構成6指標のうち5指標を制したこと。これは6指標構成となった2023年度初週以降、同曲が単独最多となります。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています。ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています。)
ルックアップおよびTwitter指標が除外され構成指標が8→6となったビルボードジャパンソングチャートにおいて4指標以上を同時に制した曲は、BE:FIRST「Missing」が6曲目に。5指標同時制覇は同曲が初となります。

2023年度以降のビルボードジャパンソングチャートにて4指標以上を同時に制した6曲のうち、BE:FIRSTは複数曲を送り込んだ唯一の歌手となります。一方でBE:FIRSTの2曲と他の4曲では傾向が異なります。
YOASOBI「アイドル」、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」、Mrs. GREEN APPLE「ライラック」そして米津玄師「IRIS OUT」はフィジカルセールスおよびラジオを除く4指標を制している一方でBE:FIRST「Spacecraft」および「Missing」はその2指標を制し、他方カラオケ指標がカウントされていません。カラオケ指標はどんな人気曲でも初週で上位に就くことはないという性質を持ち合わせています。
また、BE:FIRSTの2曲は初登場時にて達成したのに対し、他の4曲は登場6週目以降での達成となります。その4曲は翌週のチャートも制し、その際のポイントが2023年6月28日公開分で首位に立ったYOASOBI「アイドル」を除くすべてで前週の8割以上となっていますが、BE:FIRST「Spacecraft」は翌週4位となり、その際のポイントは前週の33.8%を記録しています。
BE:FIRST「Missing」が5指標を制した背景を考えます。これまでのフィジカルシングル表題曲における、フィジカルセールス指標初加算時および翌週の動向は次の通りです。

BE:FIRST「Missing」はフィジカルリリース週の月曜、つまりはビルボードジャパンソングチャートの集計期間初日にデジタルを解禁。ゆえに当週はフィジカルおよびデジタル同時加算となります。これがデジタル指標群の高い初動につながり、「GRIT」以来となる初週1万5千ポイント超えの原動力に成ったといえるでしょう。またフィジカルセールスにて、「Missing」は「GRIT」以来となる初週10万枚超えを果たしています。

【ビルボード】BE:FIRST、「Missing」で約4年1か月ぶりのストリーミング・ソング首位 https://t.co/Jj9nGbZAER
— Billboard JAPAN(ビルボードジャパン) (@Billboard_JAPAN) 2026年7月8日
BE:FIRST「Missing」はストリーミング指標の基となるStreaming Songsチャートでも首位に。同チャートでの首位獲得は2022年5月25日公開分における「Bye-Good-Bye」以来となりますが、この曲では当時の集計期間中にLINE MUSIC再生キャンペーンが採用されていました。企画開催に伴いStreaming Songsチャートを制した場合は指標化の際に減算処理が施されるというチャートポリシー(集計方法)を踏まえ、「Bye-Good-Bye」はストリーミング指標が3位に。一方、「Missing」ではこの企画が用いられていません。

StationheadやSpotify公式にてリスニングパーティーを開催する等の施策を実施したBE:FIRST「Missing」は、当週のストリーミング再生回数が766万回に達しています。
BE:FIRST「Missing」における施策が特に活きたと捉えているのが、ラジオと動画再生の2指標です。
「Missing」はミュージックビデオを2本用意。またデジタル解禁日には公式オーディオを解禁したほか、集計期間中にはダンスプラクティスも公開しています。
ラジオ指標は全国30を超える主要放送局のオンエアチャート(プランテック調べ)が基となりますが、そのオンエアチャートでは「Missing」が2位となり、マドンナ & サブリナ・カーペンター「Bring Your Love」の後塵を拝しています。
一方で、調査対象局でのオンエア率は「Missing」が「Bring Your Love」に勝っています。加えて、ビルボードジャパンソングチャートのラジオ指標がオンエアチャートを落とし込む際に各局の聴取可能人口等を加味して算出するため、「Missing」はより人口の多い地域でのオンエアが多かったと想起可能です。
(BE:FIRST公式Xアカウントより(ポストはこちら)。)
もっといえば、フィジカルシングルの前作「BE:FIRST ALL DAY」ではそのフィジカルリリース週にラジオ向け施策が大きくは行われなかったと捉えています(Snow Man「BANG!!」がソングチャート制覇…フィジカルセールス加算2週目での上昇要因を探る(5月14日付)にて言及)。「Missing」では施策を徹底したというのが筆者の見方であり、当週の集計期間に即したラジオスケジュールの充実からも読み取ることができます。
(BE:FIRST公式Xアカウントより(ポストはこちら)。)
今回の集計期間中に放送されたふたつの地上波長時間音楽特番にて、共に「Missing」を披露したこともソングチャートに影響したと考えます。音楽番組の影響は主にダウンロード指標に波及する性質があり、今作は「Masterplan」(2024年5月1日公開分)以来となる週間3万DLを突破。施策の影響(→こちら)もあれど、フィジカルシングルリリース週にダウンロードも強いというのは注目すべき動きです。
BE:FIRST側による施策の徹底。またこれは弊ブログにて以前も記しましたが、ファンダム(音楽チャートに意識的なコアファンの集合と定義)が歌手側の思いに応えたこと。絶好なタイミングでのリリースも相まって、「Missing」が5指標を同時に制したのみならず、2026年度においては嵐「Five」(3月11日公開分 24,382ポイント)に次いで2番目に高い18,505ポイントを獲得するに至ったと捉えていいでしょう。
週間チャート制覇も素晴らしいながら、より重要なのはロングヒットし年間チャートに登場することであると、このブログにて常に述べています。ゆえにBE:FIRST「Missing」においても、まずは次週どの位置に就くかを注視する必要があります。所有指標群は加算2週目に大きく後退、またラジオはロングヒットしにくいという性質があるため、接触指標群が安定するか、そしてカラオケ指標が加点されるかに注目です。
先述した構成4指標以上制覇曲をみると、YOASOBI「アイドル」は2023年度、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」は2024年度、Mrs. GREEN APPLE「ライラック」は2025年度の年間ソングチャートで首位に。また米津玄師「IRIS OUT」は2026年度上半期ソングチャートで首位となり、年間も制する可能性が十分考えられます。4指標同時制覇曲のタイミングおよび翌週のポイント推移からは、ロングヒットの重要性が解るでしょう。
最後に。2023年度以降のビルボードジャパンソングチャート、週間首位曲一覧表を掲載します。



