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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

BE:FIRST「GRIT」が2025年度週間最高ポイントを獲得、そして「夢中」の初トップ10入りについて

最新6月4日公開分(集計期間:5月26日~6月1日)のビルボードジャパンソングチャートでは前週首位に返り咲いたNumber_i「GOD_i」が29位に後退。BE:FIRST「GRIT」が首位初登場を果たしています。

なお下半期初週となる今回からソングチャートおよびアルバムチャート(後者は本日発表)において、長期エントリー作品のストリーミングに減算処理を行うリカレントルールが採用されています。このリカレントルールについてはRealSoundのコラム、および昨日付ブログエントリーをご参照ください。

 

 

BE:FIRST「GRIT」について、ビルボードジャパンは次のように紹介しています。

本作は5月26日に配信リリース、28日にCDがセールスされた7thシングルの表題曲。初週105,783枚を売り上げてセールス2位、ダウンロード、ラジオ、動画で1位、ストリーミング4位を獲得した。

BE:FIRSTは「Bye-Good-Bye」を除くフィジカルシングル表題曲にて、フィジカルリリース週の月曜にデジタルを解禁する施策を徹底。これによりBE:FIRSTはフィジカルリリース週における高ポイント獲得を果たしています。

BE:FIRSTフィジカルシングル表題曲の強さは、BE:FIRST「Spacecraft」がビルボードジャパンソングチャートで首位初登場、一方で注目する点とは(2月13日付)にて紹介。上記表はそのエントリーにて掲載した分に「Spacecraft」の2週目動向を付記したものですが、初週におけるカラオケ以外の指標の強さが際立っていることが解ります。今作「GRIT」も同様であり、5指標が4位以内にランクインしています(先述の記事参照)。

(先述のとおり、ビルボードジャパンは当週からストリーミング指標において、Streaming Songsチャートでの獲得ポイントに対し総合52週以上ランクインした曲については指標化の際に減算処理を行っています。BE:FIRST「GRIT」はStreaming Songsチャートで5位ながら、Mrs. GREEN APPLEライラック」の後退(Streaming Songsチャート首位→指標化後19位)に伴い4位に上昇しています。)

これにより「GRIT」は当週16,398ポイントを獲得。「Spacecraft」初登場時における16,125ポイントを上回り、2025年度における週間最高ポイントを更新しています。なお今年度1万5千ポイントを突破したのはこの2曲のみであり、BE:FIRST側の強さがよく解ります。

 

 

次週における注目ポイントのひとつが「GRIT」の動向です。BE:FIRSTにおいては、フィジカルシングル表題曲がフィジカルセールス指標加算2週目において全て総合トップ10内をキープしています。「GRIT」がそれに続くか注目すると共に、フィジカルのカップリング曲である「夢中」の動向もまた気になるところです。

BE:FIRSTは「夢中」もトップ10入りし8位に。同じく『GRIT』の収録曲だが、4月25日に先行配信されており、4月30日公開チャートでダウンロード1位、総合13位を獲得。当週は『GRIT』がCDリリースされた影響でダウンロード数が前週比180%、ストリーミングが102%、動画が135%となり前週の15位から大きく浮上した。

「夢中」は当週、総合およびストリーミング指標の双方で初のトップ10入りを果たしています(Streaming Songsチャート10位、ストリーミング指標9位)。「夢中」はフィジカルセールス指標が加算されませんが(同指標はフィジカルシングル表題曲のみに加点)、しかしフィジカルリリースが「夢中」の注目度も高めたといえるでしょう。そしてこのような上昇は、BE:FIRSTにおいて珍しいといえます。

上記ポストで記した内容は、ソングチャートにおけるストリーミング指標の基となるStreaming Songsチャートでも同様です(上記ポスト内リンクより”Streaming Songs”を選択するとランクインした曲の一覧を確認できます)。初週は主にファンダムによる接触の割合が高いと考えられる一方、上昇という状況からはライト層(歌手のファンというわけではないが曲が気になる方々)が増えていることが読み取れます。

ここからは「夢中」自体の人気上昇のみならず、ライト層のコアファン化、そしてそれに伴い「GRIT」そして過去作品へ人気が波及する可能性がみえてきます。たとえばこのタイミングにて、BE:FIRSTの歴史や作品一覧について発信する等訴求することも好いかもしれません。