5月13日公開分のビルボードジャパンソングチャート(集計期間:5月4~10日)では前週首位に立ったNumber_i「3XL」が16位に後退。前週2位のSnow Man「BANG!!」が、同曲初の首位を獲得しています。
今回の首位浮上にはいくつかの要因が挙げられます。そのひとつとして、「BANG!!」における直近2週分のCHART insightから大きな変化が見て取れます。


前週および当週のビルボードジャパンソングチャートにおけるSnow Man「BANG!!」のCHART insight、右上表示の累計ポイント構成比をみるとダウンロード(紫で表示)およびストリーミング(青)が当週初めて加算されていることが解ります。
目黒蓮 主演映画『SAKAMOTO DAYS』主題歌
— Snow Man / MENT RECORDING (@SN__20200122) 2026年5月3日
「BANG!!」配信スタート 🔫
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「BANG!!」は当週の集計期間初日にデジタルを解禁。このデジタル初週1週間フル加算が、ポイント下落幅の縮小につながった形です。なおSnow Manの公式Xアカウントでは、「BANG!!」の配信開始アナウンスが解禁前日に行われています。
【ビルボード】Snow Man「BANG!!」が総合首位、サカナクション「夜の踊り子」がトップ10入り https://t.co/qgDMLN6WTl
— Billboard JAPAN(ビルボードジャパン) (@Billboard_JAPAN) 2026年5月13日
【ビルボード】Snow Man「BANG!!」2.1万DL超でDLソング堂々の首位獲得 https://t.co/HalZyCmbcS
— Billboard JAPAN(ビルボードジャパン) (@Billboard_JAPAN) 2026年5月13日
フィジカルセールスは加算2週目にして4万2千枚強と好調、またダウンロード指標を制した「BANG!!」は10,531→8,355ポイントと推移し、ポイント前週比は79.3%を記録しています。
フィジカルセールス加算2週目以降に総合ソングチャートを初めて制したのは、Official髭男dism「Pretender」(2019年10月23日公開分 加算23週目)以来、6年半ぶり。その前はあいみょん「マリーゴールド」(2019年5月8日公開分 加算39週目)、そして米津玄師「Lemon」(2018年3月28日公開分 加算2週目)となります。実際、このような記録はほぼないというのが現状です。
とりわけ、アイドルやダンスボーカルグループにおいては所有指標加算2週目に総合ポイントおよび順位が大きく後退する傾向にあります。その中でSnow Man「BANG!!」ではフィジカルセールス初加算、デジタル初加算と2週連続で山を作ったことが功を奏した形です。
また当週の集計期間初日にはパフォーマンス動画も公開。これにより「BANG!!」の動画再生指標が8→2位に上昇したことも総合首位到達に影響しているといえます。
Snow Man「BANG!!」のスケジューリングや動画施策が総合首位につながった一方、当週はフィジカルセールス指標初加算となったBE:FIRST「BE:FIRST ALL DAY」の勢いが大きくなかったことも影響したと捉えることができるでしょう。

「BE:FIRST ALL DAY」は前作のフィジカルシングル表題曲「空」に続き、デジタル先行/フィジカル後発のスケジュールで展開。「BE:FIRST ALL DAY」は当週フィジカルセールス86,575枚、総合では8,122ポイントを獲得したのに対し、「空」はフィジカルセールス指標初加算時の2025年9月24日公開分にて同じく総合2位、フィジカルセールスは82,253枚とほぼ同規模ながら、11,603ポイントを記録しています。

(上記はBE:FIRST「空」の、2025年9月24日公開分ソングチャートにおけるCHART insight。)
フィジカルセールス指標初加算時におけるBE:FIRST「BE:FIRST ALL DAY」の指標構成はフィジカルセールス2位、ダウンロード6位、ストリーミング23位、ラジオ38位、動画再生10位の一方で「空」は順に2位、3位、12位、2位および5位となっています。フィジカルセールス指標以外は「空」が上回っており、これがフィジカルセールス指標初加算時における3,500ポイント近い差につながっているといえます。
先述したSnow Man「BANG!!」同様、BE:FIRST「BE:FIRST ALL DAY」においても当週の集計期間2日目にあたる5月5日に新たな動画を公開しており、プロモーションは行っているものと考えます。一方で、「BE:FIRST ALL DAY」が3月25日公開分にて総合首位に初登場した際はラジオ指標も制していますが、当週は同指標の順位が高くありません。
ラジオ指標はプランテックによる全国主要局のラジオオンエアチャートを基に、各局の聴取可能人口等を加味して算出されます。3月25日公開分のラジオオンエアチャートからは施策の存在が確認できるため、当週はラジオでのプロモーションに積極的でなかった可能性が浮かんできます。仮にラジオでの施策が十分に行われたならば、「BE:FIRST ALL DAY」は総合首位に至ったかもしれません。
アイドルやダンスボーカルグループの楽曲がフィジカルセールス指標加算2週目に総合首位を獲得することは非常に珍しく、「BANG!!」そしてSnow Manの勢いと捉える方は多いかもしれません。しかしながらこのブログやnote等では常々、(フィジカルリリース時までに)デジタルを解禁しないという施策について問題提起を続けています(下記等参照)。
デジタル解禁する/しないについては、極端にいえば歌手それぞれの判断に委ねられます。しかしながら解禁しない歌手の存在は、日本全体のデジタル化の(実務そして意識の)遅れにつながり、海外の音楽ファンからマイナスイメージを抱かれかねません。日本ならば様々な背景を考慮され"仕方ない"と納得できても、デジタル化が進む海外からはどう思われるでしょう。
Snow ManはトリプルAサイドとなる今回のフィジカルシングルにて、現時点でも「SAVE YOUR HEART」をデジタル解禁していません。また昨秋リリースのアルバム『音故知新』も同様であり、さらにはこのフィジカル先行/デジタル後発の姿勢がSTARTO ENTERTAINMENT全体に未だ散見されます。例えばですが、デジタルがフィジカルを駆逐すると考えているのであれば、それは当たってはいないだろうというのが私見です。
(今作「BANG!!」のフィジカルセールスは932,321→42,153枚と推移。一方でSnow Manの前作「SERIOUS」は909,496→36,673枚となっています。リリースの種類や特典等で売上枚数に違いが生じるゆえ単純比較は難しいかもしれませんが、前作より上昇していることは注目すべきと考えます。)
Snow Man「BANG!!」については先述したように、2週連続で山を作ったことがチャート安定の要因となります。ゆえに次週の動向を確認する必要があると共に、Snow ManそしてSTARTO ENTERTAINMENT所属歌手全体のデジタル意識が変わるかを注視することが重要です。
最後に。Snow Man「BANG!!」の首位到達には当週の集計期間初日におけるデジタル解禁が影響しているのは自明ながら、ビルボードジャパンは先程紹介した総合ソングチャートならびに(ダウンロード指標の基となる)Download Songsチャートの記事にてその解禁日を紹介していません。これはHot Shot Songsチャートにおいても同様です。
『映画公開と同日にリリースされた13thシングル『BANG!! / SAVE YOUR HEART / オドロウゼ!』に収録されており、フィジカルは前週1位から3位にダウン』
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2026年5月13日
集計期間初日のデジタルリリースがこのチャートに貢献したと捉えていますが、しかしそのデジタル解禁日は記事未記載であることが気になります。 https://t.co/If1V08iG91
米ビルボードソングチャートでは、楽曲の施策実行時にその内容を掲載する傾向にあります。施策が好いかそうでないかの判断を読み手に委ねる形で、せめて事実は記載するよう願います。