アメリカでは1月19日に、TikTokが使えなくなる可能性が生じています。
Statement on Possible Shutdown
— TikTok Policy (@TikTokPolicy) 2025年1月18日
The statements issued today by both the Biden White House and the Department of Justice have failed to provide the necessary clarity and assurance to the service providers that are integral to maintaining TikTok's availability to over 170 million…
私見と前置きしますが、価値観の異なる他者を安易に"敵"とみなすやり方が世界中で(日本を含め)蔓延していること、また敵視姿勢を発信する側が支持を集める(もしくは集めようとしている)現状に対し、強い違和感を覚えます。
TikTokにおいては、ビルボードジャパンが関連チャート(TikTok Weekly Top 20)を2024年度に終了していますが、その理由は明らかにしていません。ともすればこのチャートと実際のヒット曲との乖離が大きくなっていることも一因かもしれませんが、最終週となる2024年11月27日公開分ではロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」が首位に。現在でも総合上位をキープする曲の人気を、TikTokがいち早く掴んでいたといえるでしょう。
【TikTok Weekly Top 20】ロゼ&ブルーノ・マーズ「APT.」3週連続1位 次週より新チャート発表 https://t.co/rZ5NEzVHTg
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2024年11月27日
そして米でも、似た動きが登場しつつあります。
.@tiktok_us users are sharing memories of their loved ones to @sanbenito’s “DTMF," powering the song's No. 1 debut on the TikTok Billboard Top 50. 📈❤️
— billboard charts (@billboardcharts) 2025年1月16日
From Hopecore to creative edits, see what trends are making songs go viral: https://t.co/6kUA2OTnv2 pic.twitter.com/40PXIZo9Nh
米ビルボードによる1月18日付TikTok Billboard Top 50(集計期間:1月6~12日)ではバッド・バニー「DtMF」が首位初登場を果たしています。
Bad Bunny’s ‘DTMF’ Debuts at No. 1 on TikTok Billboard Top 50https://t.co/1GMEyq28zg
— billboard (@billboard) 2025年1月16日
「DtMF」はバッド・バニーが1月5日日曜にリリースしたニューアルバム『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』収録曲。アルバムは1月18日付米ビルボードアルバムチャート(集計期間:1月3~9日)で2位に初登場、また「DtMF」は米ソングチャート(集計期間はアルバムチャートに同一)にて総合38位に初登場を果たしています。
2023年9月に新設されたTikTok Billboard Top 50チャートにおいて首位初登場を達成したのはクリーン・バンディット feat. ザラ・ラーソン「Symphony」(2024年8月31日付)に続き「DtMF」が5曲目。記録達成曲が多くないこと、また中にはボビー・コールドウェル「What You Won't Do For Love」(2024年2月24日付)のように過去作も含まれます。新曲のTikTok首位初登場は珍しく、それだけ「DtMF」に勢いがあることが解るのです。
そしてその勢いに伴い、「DtMF」が次週の米ビルボードソングチャートを制すると予想されています。
Midweek Billboard Hot 100 Predictions (chart dated January 25th, 2025) pic.twitter.com/pKaYYoB74z
— Talk of the Charts (@talkofthecharts) 2025年1月15日
XアカウントのTalk of the Chartsは、1月25日付米ビルボードソングチャートにてバッド・バニー「DtMF」が登場2週目にして首位を獲得すると予想。次週が初の1週間フル加算であること、またTikTok人気がYouTubeやサブスク等に影響していることも予想の根拠とみられます。そして「DtMF」人気は、ストリーミング再生回数(動画再生含む)のアルバム換算分を構成指標に含む米ビルボードアルバムチャートにも波及します。
Updated Billboard 200 Predictions (chart dated January 25th, 2025; via @HITSDD) pic.twitter.com/NEZQCnxEq2
— Talk of the Charts (@talkofthecharts) 2025年1月15日
1月25日付米ビルボードアルバムチャートと集計期間を同一とするHITS Daily Doubleのアルバムチャート予想ではバッド・バニー『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』が2位をキープすると示され、米ビルボードアルバムチャートも似た形をなぞるとみられます。前週の米アルバムチャートはリル・ベイビー『WHAM』が首位を獲得していますが、バッド・バニーは次週数値を伸ばす可能性が考えられます。
実は、リル・ベイビー『WHAM』はリリース後も施策を実施しており、それが1月18日付米ビルボードアルバムチャートを制した一因となっています。
本作は、1月3日には15曲を収録した通常版と、公式ウェブサイト限定でCDがリリースされ、4日後の1月7日には4曲を追加した拡張版が公式サイトでのみリリースされた。通常版、拡張版のデジタル・バージョンはいずれも公式サイトとiTunes Storeで4.99ドルに値引きされている。
また、次週の集計期間初日となる1月10日には、拡張版のストリーミング、デジタル・ダウンロードも解禁されたため、高ポイントを維持することが予想される。
【米ビルボード・アルバム・チャート】リル・ベイビー4作目の首位獲得、バッド・バニー初登場2位 https://t.co/IceA5DkMHZ
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年1月13日
拡張版(デラックスエディション)は1月18日付アルバムチャートの集計期間最終日まで一般流通させていません。それがダウンロードの伸長につながったことでトータル14万ユニット獲得に至り、『WHAM』が『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』(122,000ユニット)に差をつけた形です。『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』に首位を取られる可能性を考慮したリル・ベイビー側の施策とみられますが、しかし次週は急落する可能性が考えられます。
Hits Daily Double reports that Taylor Swift’s ‘Lover (Live From Paris)’ vinyls have sold 150K copies in under an hour.
— Talk of the Charts (@talkofthecharts) 2025年1月14日
Purchasers have begun receiving copies, making the album eligible for this week’s charts. pic.twitter.com/UeAtkKIeyQ
Taylor Swift releases four digital versions of ‘Lover: Live From Paris’ with new acoustic songs, available until midnight tonight. pic.twitter.com/h8p4rqFCIJ
— Talk of the Charts (@talkofthecharts) 2025年1月16日
加えて1月25日付米ビルボードアルバムチャートの集計期間中にはテイラー・スウィフトによる2019年作『Lover』のハート型レコードがリリース。短時間で15万枚を売り上げており、前週からのジャンプアップが見込まれています。加えて集計期間最終日までの短期限定で4つのデジタル版デラックスエディションを投入していますが、こちらも『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』を意識した施策と捉えていいでしょう。
このブログで幾度も申し上げていますが、テイラー・スウィフトほどチャート首位にこだわり、そのために施策を徹底する歌手はいません。昨年ヒットした「Cruel Summer」(尤もこの曲もTikTok人気が高かった作品ですが)を含む『Lover』のレコードはライバルが存在しないタイミングを見計らってリリースしたものと捉えていますが、テイラー側はバッド・バニーのユニット数上昇を予想していなかったのではないでしょうか。
リル・ベイビー、そしてテイラー・スウィフトが集計期間終盤に施策を追加投入したのは、それだけバッド・バニー『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』の人気が高まってきたことの証明といえるでしょう。その人気をいち早く捉えたTikTokの重要性をあらためて認識すると共に、このプラットフォームを追放しようとする米行政の姿勢はエンタテインメント業界における損失であり、そして短絡的だと言っても過言ではありません。