イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】米はモーガン・ウォレンが8週目の首位、バッド・バニー「Where She Goes」が初登場

現地時間の5月29日月曜が祝日のため翌30日火曜に発表された、最新6月3日付米ビルボードソングチャート(集計期間:5月19~25日)。モーガン・ウォレン「Last Night」が5週連続、通算8週目の首位を獲得しました。

モーガン・ウォレン「Last Night」はストリーミングが前週比1%ダウンの3270万(同指標10週目の首位)、ダウンロードが同1%アップの9,000(同指標5位)、ラジオが同3%アップの6540万(同指標5位)を記録しています。

「Last Night」はカントリーエアプレイチャートでも4週目の首位を獲得。ソングチャートおよびカントリーエアプレイチャートの双方を同時に制した初の作品であるのみならず、ポップエアプレイ、アダルトポップエアプレイおよびアダルトコンテンポラリーでもトップ20にランクインを続けています。ソングチャートと同様の計算方法に基づくホットカントリーソングチャートでは16週目の首位を獲得しています。

一昨日の米ビルボードアルバムチャート速報でも伝えられているように(上記ツイート内記事はビルボードジャパンによる翻訳)、「Last Night」を収録したモーガン・ウォレンのアルバム『One Thing At A Time』は最新6月3日付にて初登場から12週連続で首位を獲得。12週以上連続で首位となったのは映画『タイタニック (原題:Titanic)』サウンドトラック(1998 16週)以来、また初登場から12週以上連続となるとスティーヴィー・ワンダー『Songs In The Key Of Life (邦題:キー・オブ・ライフ)』(1976-1977 13週)以来となります。カントリージャンルのアルバムにおいてはビリー・レイ・サイラス『サム・ゲイヴ・オール (原題:Some Gave All)』が収録曲「Achy Breaky Heart」のヒット(米4位)も相まって1992年に17週首位を記録しており、『One Thing At A Time』はそれ以来となる12週以上首位獲得作品となります。

 

マイリー・サイラス「Flowers」は1ランクアップし2位に。ラジオは前週比2%ダウンの8970万を記録し、同指標において歴代6位タイとなる15週目の首位を獲得。コロムビア・レコード発の作品としては、アデル「Easy On Me」に並んだ形です。

<ラジオ指標 最長首位獲得週数>

26週 ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(2020)

18週 グー・グー・ドールズ「Iris」(1998)

16週 マルーン5 feat. カーディ・B「Girls Like You」(2018)

16週 マライア・キャリー「We Belong Together」(2005)

16週 ノー・ダウト「Don't Speak」(1996-1997)

15週 マイリー・サイラス「Flowers」(2023)

15週 アデル「Easy On Me」(2021-2022)

 

シザ「Kill Bill」も1ランクアップし3位に。同曲はホットR&B/ヒップホップソングチャートで21週目、ホットR&Bソングチャートで23週目の首位を獲得。前者においては首位獲得週数において、単独での歴代最多記録を更新しました。

<ホットR&B/ヒップホップソングチャート 15週以上首位獲得曲>

21週 シザ「Kill Bill」(2022-2023)

20週 リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」(2019)

18週 リル・ナズ・X & ジャック・ハーロウ「Industry Baby」(2021-2022)

18週 ドレイク feat. ウィズキッド & カイラ「One Dance」(2016)

16週 ロビン・シック feat. T.I. & ファレル「Blurred Lines」(2013)

15週 メアリー・J. ブライジ「Be Without You」(2006)

 

トゥーシー「Favorite Song」が8→5位に上昇し、トゥーシーにとって初のトップ5ヒットに。これは集計期間初日となる5月19日に、フューチャーとの共演版リミックスがリリースされたことに伴うもの。これまでにリリースされたカリード客演参加版やスピードアップバージョン(sped-up)、インストゥルメンタル、そして”Midnight Session”ミックスも相まって、ダウンロードは前週比471%アップの17,000を記録。トゥーシーは同指標初の(50位以内)ランクインにして頂点に立ちました。

またストリーミング指標でも前週比12%アップの2240万を記録し8→5位へ上昇。これらに伴い、「Favorite Song」はトップセールスゲイナーおよびトップストリーミングゲイナーを獲得しています。加えてラジオは前週比15%アップの3640万を記録し17→14位へ上昇。ホットラップソングチャートでは通算3週目の首位に至っています。

 

バッド・バニー「Where She Goes」が8位に初登場。ストリーミング2340万、ダウンロード2,000、ラジオ290万を記録しています。5月18日にリリースされたスペイン語による作品が初登場でトップ10入りを果たしたのはグルーポ・フロンテラ & バッド・バニー「Un x100to」(2023年5月 5位)以来、今年2曲目となります。

「Where She Goes」はバッド・バニーにとってアルバム『Un Verano Sin Ti』以降では共演や客演歌手を伴わない曲として最初のトップ10ヒットに。アルバムは昨年5月からの半年間で13週首位を獲得し、収録曲のうち4曲をソングチャートでトップ10ヒットに送り込んでいます。

 

前週初のトップ10入りを果たしたルーク・コムズ「Fast Car」(トレイシー・チャップマンのカバー)は9→10位とダウンするものの、ラジオは前週比52%アップの1980万となりトップエアプレイゲイナーを獲得しています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) モーガン・ウォレン「Last Night」

2位 (3位) マイリー・サイラス「Flowers」

3位 (4位) シザ「Kill Bill

4位 (6位) レマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」

5位 (8位) トゥーシー「Favorite Song」

6位 (5位) エスラボン・アーマード & ペソ・プルマ「Ella Baila Sola

7位 (2位) リル・ダーク feat. J.コール「All My Life」

8位 (初登場) バッド・バニー「Where She Goes」

9位 (7位) メトロ・ブーミン、ザ・ウィークエンド & 21サヴェージ「Creepin'」

10位 (9位) ルーク・コムズ「Fast Car」

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。6月3日付ではGlobal 200にてバッド・バニー「Where She Goes」が初登場で首位を獲得。Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではFIFTY FIFTY「Cupid」が2週連続で首位の座に就いています。

バッド・バニー「Where She Goes」はGlobal 200においてストリーミング7100万、ダウンロード3,000を記録しこのチャートを初登場で制覇。バッド・バニーの作品がこのチャートを制したのはジェイ・コルテスとの「Dákiti」(2020年11-12月 3週)、グルーポ・フロンテラとの「Un x100to」(2023年5月 2週)に続く3曲目となります。また共演や客演歌手を伴わない形でのGlobal 200におけるランクインは、アルバム『Un Verano Sin Ti』以降では初となります。

Global 200において、バッド・バニーはソロ歌手として初めて3曲を首位の座に送り込みました。またグループも含めるとBTS(6曲)に続く歴代2位に。ジャスティン・ビーバー、BLACKPINK、ドレイク、オリヴィア・ロドリゴおよびテイラー・スウィフトが2曲で続きます。

なおバッド・バニー「Where She Goes」はGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.では3位に初登場。ストリーミング4810万、ダウンロード1,000をそれぞれ記録し、このチャートでの最多トップ10入り記録を14曲に伸ばしました。BTSおよびテイラー・スウィフトが10曲で続きます。

 

Global 200から米を除くGlobal Excl. U.S.ではFIFTY FIFTY「Cupid」が2連覇を達成。ストリーミングは前週比6%ダウンの6100万、ダウンロードは同13%ダウンの2,000となっています。

シャキーラ「Acróstico」がGlobal Excl. U.S.で11→8位に上昇し同曲初のトップ10入り。ストリーミングは前週比6%アップの5560万を記録しています。5月6日に開催された第1回ラテン・ウィメン・イン・ミュージックでウーマン・オブ・ジ・イヤーを受賞したシャキーラにとって、「Acróstico」はGlobal Excl. U.S.においてラウ・アレハンドロとの「Te Felicito」(2022年6月 6位)、ビザラップとの「Bzrp Music Sessions, Vol. 53」(2023年1月 2位)、カロルGとの「TQG」(2023年3月 初登場1位)に続く4曲目のトップ10ヒットとなります。

 

なおYOASOBI「アイドル」はGlobal 200で9→10位、Global Excl. U.S.では5→6位に後退したものの、前者は5週連続、後者は6週連続でトップ10入り。次週は英語詞版「Idol」が合算されます。