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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ビルボードジャパン最新動向】「APT.」が洋楽曲初の2連覇、紅白出場歌手発表が影響

最新11月27日公開分(集計期間:11月18~24日)のビルボードジャパンソングチャートでは、ロゼ (ROSÉ) & ブルーノ・マーズ「APT.」が洋楽曲(K-POP除く)では初となる2連覇を達成。獲得ポイントは同曲初の1万ポイント超えを果たしています。

ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」は前週比122.2%となる10,224ポイントを獲得。フィジカルセールス指標未加算曲での1万ポイント超えが如何に凄いことかは、2024年度首位および2位獲得曲一覧表から理解できるでしょう。なお次週のチャートで「APT.」のポイント前週比が算出可能となることから、そのタイミングにて2024年度第4四半期の各種データを公開する予定です(同年度第3四半期のデータはこちらでまとめています)。

ビルボードジャパンの記事では『【2024 MAMA AWARDS】の話題も影響したのか、特にラジオは前週と比べて2.3倍増え、動画2位、ダウンロード6位、ストリーミングとラジオで1位を獲得』とあります。集計期間中に開催されたK-POP授賞式にて(事前収録ながら)ロゼとブルーノ・マーズが初めて「APT.」をパフォーマンスしたことが功を奏した形であり、パフォーマンス動画はロゼの公式YouTubeチャンネルでも公開されています。

 

 

さて、今回の集計期間中となる11月19日には『第75回NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 以下”紅白”と表記)の出場歌手が発表されています。出場歌手の傾向についてはこのブログでも分析していますが((追記あり) 『第75回NHK紅白歌合戦』出場歌手が発表、その顔ぶれを考える(11月19日付)参照)、当週のチャートでは出場を果たした歌手による作品がポイントを伸ばしています。

上記は毎週金曜、CHART insightからヒットを読む カテゴリーのブログエントリーで掲載している表の最新版。ソングチャートにおけるストリーミング指標の基となるStreaming Songsチャート、および総合ソングチャートの上位20曲を中心に作成しているのですが、Mrs. GREEN APPLECreepy Nuts、こっちのけんとさん、Omoinotake、tuki.さんそしてDa-iCEといった紅白出場歌手の作品がポイントを伸ばしています。

一方で、Creepy NutsMrs. GREEN APPLEにおいては上記表掲載分の曲がすべて伸びているわけではありません。ビルボードジャパンはStreaming Songsチャートの記事にて、このように分析してています。

なお、2位は引き続きCreepy Nuts「オトノケ」に。先日、12月31日放送の『第75回NHK紅白歌合戦』への出場が決定し話題を呼んだ彼らだが、その影響は「オトノケ」よりも「Bling-Bang-Bang-Born」(7位)にあらわれたようで、「オトノケ」は前週微減の再生数比98.8%、「Bling-Bang-Bang-Born」は前週比約103.5%を達成した。

紅白出場歌手が発表された日、各サブスクサービスでは出場歌手の今年リリース曲や代表作品をまとめた紅白プレイリストが相次いで公開されています。たとえばSpotifyのプレイリスト(→こちら)にてCreepy Nutsは「Bling-Bang-Bang-Born」が、Mrs. GREEN APPLEは「ライラック」が選ばれており、ブログ公開時点で4万5千以上のユーザーが保存していることから、これらプレイリストの登場も影響を与えたといえるでしょう。

 

昨年の紅白でパフォーマンスされた曲の多くは放送後のビルボードジャパンソングチャートで上昇を果たしていますが(上記エントリー参照)、出場歌手発表の段階から既にチャートに影響を与えている紅白が如何に大きなコンテンツであるか、当週のチャートからあらためて実感しています。