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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

Aぇ! group「Gotta Be」、Creepy Nuts「オトノケ」…トップ10ヒットにみられる動画再生指標の疑問

最新10月16日公開分(集計期間:10月7~13日)のビルボードジャパンソングチャートでは、Aぇ! group「Gotta Be」がフィジカルセールス初加算に伴い首位の座に就いています。

Aぇ! group「Gotta Be」は総合100位以内初登場ながら、これまでの5週はラジオおよび動画再生指標が300位以内に入りポイントを獲得していました。ただ当週、同曲において動画再生指標が加点されていないのではと捉えています。

 

冒頭で紹介した記事では、Aぇ! group「Gotta Be」がフィジカルセールス1位、ラジオ4位であることが紹介されている一方、動画再生指標には触れられていません(デジタル未解禁につきダウンロードおよびストリーミング未加算、またカラオケはリリース直後の曲で300位以内に入ることはほぼありません)。記事では各指標において100位以内に入った場合、言及される傾向にあります。

上記は「Gotta Be」のCHART insight(リンクはこちら)であり、ビルボードジャパンの無料会員が確認できる総合および各指標20位までが表示。21~100位は表示されないものの、101~300位は20位より下の欄に掲載されるというのが特徴です。記事では動画再生に関する言及がなかった上、CHART insightでも未表示であることから、「Gotta Be」はこの指標が300位未満であると読み取れるのです。

 

Aぇ! group「Gotta Be」は前週動画再生指標が100位未満ながらも加点されていたことがCHART insightから判ります。つまり、フィジカルセールス週になって同曲の動画再生指標は300位未満に後退したこととなります。

社会的ヒット曲においてはフィジカルリリース時にダウンロードも伸びる傾向があります。これは所有の選択肢が増えることで、フィジカル購入とまではいかなくともデジタルで買うというニーズが喚起されるためとみています。またフィジカルリリース時には接触指標群も盛り上がる可能性があるのですが、Aぇ! group「Gotta Be」の動向からはコアファンがフィジカル同梱の映像盤に視聴先を移行したと捉えていいでしょう。

事務所の先輩であるHey! Say! JUMPは2週前に「UMP」でビルボードジャパンソングチャートを制覇。その際、動画再生の加点が復活しているのですが同指標100位未満の状況であり、この動向からはミュージックビデオ視聴先の移行、そしてフィジカルリリース週にライト層を獲得したとは言い難いと捉えることが可能です。デジタル未解禁曲は動画再生が唯一のライト層獲得手段であるため、この状況は憂慮すべきと考えます。

 

Aぇ! groupは初のフィジカルシングル「《A》BEGINNING」がリリース初週に782,835枚を売り上げた一方、今作「Gotta Be」の初動はおよそ半分となっています。ただこれは想定内といえるかもしれません。前作はフィジカルセールス指標初加算時にCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」の後塵を拝する形となり(5月22日公開分 2位)、翌週は31位に後退しています。「Gotta Be」の次週動向に注目です。

 

 

そのCreepy Nutsによる新曲「オトノケ」はポイント前週比260.0%を記録し、32→4位に上昇しています。

当週初の1週間フル加算となる「オトノケ」は『ストリーミングが前週比337%、ダウンロード135%、ラジオ437%と増加』(冒頭の記事より)。テレビアニメ『ダンダダン』のオープニングテーマであり、「Bling-Bang-Bang-Born」同様に歌手とアニメとの相性の良さが人気の一因と考えます。”踊ってみた”等、ユーザー生成コンテンツ(UGC)の人気を示すTop User Generated Songsチャートでは「オトノケ」が首位に立っています。

ただ、気になるのはCreepy Nuts「オトノケ」において動画再生指標が未加算であるということ。先述した動画は英語詞のリリックビデオながら公式オーディオの役割も果たしており、またCreepy Nutsの公式YouTubeチャンネル発であることから、今回の集計期間中である10月10日に公開されたこのリリックビデオは動画再生指標に加わるものと考えていました。

動画再生指標は、歌手やレコード会社による公式YouTubeチャンネルから発信された動画にISRC(国際標準レコーディングコード)が付番されていればカウント対象となります。Creepy Nuts「オトノケ」において、このISRCが未付番だったのではという可能性が考えられます。

Creepy Nutsにおいては「Bling-Bang-Bang-Born」でも動画再生指標が強くない状況が発生しており、その際の欠測は歌手側の未付番よりもYouTube側に問題があるのではと結論付けました(上記エントリー参照)。しかしながら今回の「オトノケ」の件からは、歌手側においてもきちんと確認する必要があるということを感じた次第。動画再生はグローバルチャートでも(ストリーミング指標に)加算されるため、尚の事です。

 

 

ビルボードジャパンソングチャートを制した曲、そして急上昇した曲の双方にて、動画再生指標に関する疑問が浮かび上がっています。Creepy NutsISRCの付番を確認すると共にミュージックビデオを早急にアップすることが必要です。そしてAぇ! groupにおいては今週新たな動画を公開していることも注目ですが、大事なのはフル版でのアップ、そして接触先を広く用意しライト層獲得に努めることだというのが私見です。