イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

前週のトップ10初登場曲、当週のCHART insightから真のヒット曲に成るかを読む (2024年10月23日公開分)

3月まで記載していたこちらのエントリーを、内容を少しリニューアルした上で夏以降再開しています。先週の内容はこちら。

 

ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と位置付けています。週間単位で上位に入ることも素晴らしいですが、他方で所有指標が強い曲は加算2週目、また所有指標的な接触指標をなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が急落し、総合でも大きくダウンすることが少なくありません。

急落傾向はここ最近、特に目立っています。ソングチャートのトップ10は5曲近くが毎週入れ替わり、ロングヒットする(その可能性を持ち合わせている)かそうでないかが極端に分かれる状況です。ロングヒット曲は主にライト層の支持が反映されるストリーミング指標が強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、これらを1週分のチャートから判断することは現状では難しいといえます。

ゆえにこのブログエントリーでは上記提案をビルボードジャパンに対して行っていますが、すぐに叶うことはないかもしれません。ならば、あくまで自分なりであると前置きしつつ、チャートの見方を提示したいと考えたのがエントリー復活の理由です。

 

ビルボードジャパンは9月下旬、CHART insightが完全な形でリニューアルを果たしています。3月のリニューアル時には円グラフを累計ポイントの構成比(ソングチャートの構成指標にはないTop User Generated Songsチャートも含む)に切り替えるとしていましたが、実際は当週(最新週)における構成比が表示され続けていました。それが累計ポイントに切り替った形です。ゆえに、当週(最新週)の指標構成は見えにくくなっています。

 

 

<2024年10月23日公開分 ビルボードジャパンソングチャート

 前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>

 

※CHART insightの説明

 

[色について]

黄:フィジカルセールス

紫:ダウンロード

青:ストリーミング

黄緑:ラジオ

赤:動画再生

緑:カラオケ

濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)

 (Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)

ピンク:ハイブリッド指標

 (BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)

 

[表示範囲について]

総合順位、および構成指標等において20位まで表示

 

[チャート構成比について]

累計における指標毎のポイント構成

 

・Aぇ! group「Gotta Be」

 10月16日公開分 1位→10月23日公開分 100位未満

NMB48「がんばらぬわい」

 10月16日公開分 2位→10月23日公開分 27位

 

Creepy Nuts「オトノケ」

 10月16日公開分 4位→10月23日公開分 1位

・KID PHENOMENON from EXILE TRIBE「Unstoppable」

 10月16日公開分 6位→10月23日公開分 100位未満

 

当週におけるストリーミング等動向表はこちら。

 

4位から首位に上昇したCreepy Nuts「オトノケ」については昨日付エントリーにて紹介しています。ダウンロード、ラジオおよび動画再生にてMrs. GREEN APPLEライラック」に勝った「オトノケ」ですが、ストリーミング指標の基となる再生回数も1割近く伸ばしていることは大きく、次週この指標でも首位を獲得する可能性があります。

 

他方、「オトノケ」以外の3曲のうちNMB48「がんばらぬわい」を除く2曲が総合100位圏外となりましたが、その「がんばらぬわい」はラジオ指標が初めて加点されるも、当週においてもフィジカルセールス指標がポイント獲得源のほぼすべてを担っています。売上は251,651→32,626枚と推移しており、2週目はダウンするも安定した成績を収めていることが解ります。

”CHART insightからヒットを読む”エントリーでは、AKB48「恋 詰んじゃった」のフィジカルセールス安定と他指標との乖離、そして上半期チャートにおける売上枚数と指標順位の違いを踏まえ、ビルボードジャパンに対しこの指標に関するチャートポリシー(集計方法)見直しを提案しています(上記エントリー参照)。ともすればAKBグループ全体がフィジカルセールス安定に向けて施策を強めるかもしれず、見直しは急務と考えます。