ここ最近、ビルボードジャパンソングチャートにおけるポイントが全体的に下がっています。2024年度において1位のポイントは9月11日公開分(6,778ポイント)、10位は10月2日公開分(3,810ポイント)、そして50位は9月25日公開分(1,575ポイント)と、この1ヶ月の間にいずれも最低を記録しています。
これにはストリーミングが影響しているのではないか、というのが自分の見方です。
Spotifyのデイリー200位の再生回数は徐々に上昇している一方、Spotifyも含むビルボードジャパンソングチャートのストリーミング指標(基となるStreaming Songsチャート)で10位の再生回数は当週4,646,725回となり、2022年6月29日公開分(4,552,319回)以来となる低さに。特大ヒットが減り、その特大ヒット曲を機に他の曲も聴くという習慣が薄れたことが、ストリーミング全体の再生回数増加とは別に発生しているものと考えます。
その中にあって今後ストリーミングが、そして総合ソングチャートが盛り上がる可能性を、以下の3曲から感じています。
Official髭男dismが10月2日にリリースした「Same Blue」が、最新10月9日公開分ビルボードジャパンソングチャートで7位に初登場。テレビアニメ『アオのハコ』オープニング主題歌に起用されたこの曲にて、ヒゲダンは今年度初となるソングチャートトップ10入りを果たしています。
Official髭男dism「Same Blue」と同日デジタルリリースされたAKASAKI「Bunny Girl」が、最新10月9日公開分ビルボードジャパンソングチャートで40位に初登場。TikTokとSpotifyによる”Buzz Tracker”企画にて10月度に選出された現役高校生歌手による同曲はTikTokで段階的に披露され、フル尺リリースに伴い急上昇した形です。
(上記は英語詞版のリリックビデオですが、公式オーディオの役割を果たしているといえます。)
そして10月4日にリリースされたCreepy Nuts「オトノケ」は、最新10月9日公開分ビルボードジャパンソングチャートで集計期間5日目の解禁ながら32位に初登場。テレビアニメ『ダンダダン』オープニングテーマに起用されたこの曲は、たとえばSpotifyにおいて10月4~6日を対象とした新曲チャートで好成績を収めています。
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— Creepy Nuts (@Creepy_Nuts_) 2024年10月9日
🌐 thank you !!!
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Spotify にて新曲「#オトノケ」が
TOP SONG DEBUT GLOBALの3位、
アメリカでは2位にチャートイン ♩♩
Otonoke is 3rd on Spotify's Top song debut global chart and 2nd on US.
🎧 オトノケ - Otonokehttps://t.co/MqVxQP8pZV@Spotify @SpotifyJP pic.twitter.com/mtz1DrJK54
今回紹介した3曲はいずれも、10月9日公開分ビルボードジャパンソングチャートではストリーミング指標で上位に進出しており(Official髭男dism「Same Blue」は27位、AKASAKI「Bunny Girl」は33位、Creepy Nuts「オトノケ」は46位)、主要サブスクサービスでも好調に推移しています。
(Creepy Nuts「オトノケ」はビルボードジャパンによる総合およびストリーミング指標、また主要サブスクサービスで20位以内に入っていませんが、Apple Music週間チャートでは36位、LINE MUSICでは32位に初登場を果たしています。なおSpotify週間チャートの集計期間は「オトノケ」リリース前日となる10月3日までとなります。)
加えて、最新10月10日付日本のSpotifyデイリーチャートではCreepy Nuts「オトノケ」が3位、AKASAKI「Bunny Girl」が5位そしてOfficial髭男dism「Same Blue」が8位となり、他のサブスクサービスによるデイリーチャートでも20位以内に入っている状況です。さらに「オトノケ」はグローバルデイリーチャートで4日続けて200位以内に入っており、「Bling-Bang-Bang-Born」同様に逆輸入的なヒットを生むかもしれません。
.@Creepy_Nuts_' "Otonoke" 7th Day Top Spotify Charts (October 10, 2024)
— Spotify Stats (@StatsSpotify) 2024年10月11日
New Global Stream Peak pic.twitter.com/9hogHzfk1v
冒頭で紹介したグラフを再掲しますが、この紹介時に『特大ヒットが減り、その特大ヒット曲を機に他の曲も聴くという環境が薄れた』ことが現状の状況につながったと記しました。言い換えれば、Official髭男dism「Subtitle」やYOASOBI「アイドル」、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」のような特大ヒットの存在がストリーミング(特に上位曲)を牽引すると考えれば、今回紹介した3曲の今後の動向に注目すべきと考えます。