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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ビルボードジャパン、ダウンロード指標上位初登場ながら総合100位以内未達が過半数…その差とは

昨日付エントリーでは、今後のソングチャートを牽引するであろう3曲(Official髭男dism「Same Blue」、AKASAKI「Bunny Girl」およびCreepyNuts「オトノケ」)について紹介しました。

実は最新10月9日公開分ビルボードジャパンソングチャートのダウンロード指標(Download Songsチャートを基とする)では20位以内が大きく入れ替わっており、先述した3曲も初登場しています。しかしながら新たに登場した16曲のうち、総合100位以内に登場した作品は多くありません。

 

<10月9日公開分 ビルボードジャパンソングチャート

 ダウンロード指標上位20曲の動向、およびCHART insight>

 

※ CHART insightは今回初登場した16曲を掲載。

※ 現時点で公式動画がない曲については動画掲載を行っていません。

 

 

 

 

最新10月9日公開分ビルボードジャパンソングチャートのダウンロード指標で20位以内に新たに登場した16曲のうち、総合100位以内に登場したのは6曲。そしてその6曲と、ダウンロード20位以内に初登場しながら総合100位以内に至らなかった10曲とでは、前者の大半にて”ストリーミングの加点”および”ラジオ、動画再生いずれかの(もしくは両方の)加点”が差となったことが解ります。ストリーミング加点は絶対条件といえます。

ラジオにおいてはコアファンからのリクエストもさることながら歌手側(主にレコード会社)からのプロモートの充実が、動画再生については歌手側の公式YouTubeチャンネルから少なくとも公式オーディオの登場が必要となるでしょう。そしてストリーミングは100位未満であっても加点されればその獲得分はかなり大きいことが、CHART insightから読み取れます。そのためには、初週から聴かれる環境の醸成や施策が重要です。

 

尤も、日本の楽曲がストリーミングにおいて、リリース初日もしくは初週から爆発的にヒットすることはほぼありません。これは海外の動向と比べても日本が(厳しい物言いながら)遅れていると断言可能ですが、コアファンの多い、チャートへの意識が高いであろうファンダムが存在する歌手がStationheadを展開し始めており(それこそNumber_iの成功が刺激に成ったと考えます)、日本の遅れは少しずつ解消するかもしれません。

 

ライト層へのリーチに伴うロングヒット、そしてStationheadを用いなくともリリース週(もっといえばリリース日)から新曲がチェックするという習慣が音楽ファンの間で根付くことが最も重要ですが、少なくとも好きな歌手が存在するコアファンの方は、そのコアファンの作品をサブスクで聴く、そしてその良さを周囲に拡げライト層を獲得することに努めることが重要と考えます。歌手側はそのための施策を打つことが必要です。