イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

「Bling-Bang-Bang-Born」の公式動画がCreepy Nuts側から発信されたことについて

昨夜つぶやいた内容に多くの反応をいただいています。

今回公開されたのはこちらの動画。今回はつぶやいた内容について、詳しく紹介します。

 

 

まずはここまでのチャート状況を振り返ります。

Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」はテレビアニメ『マッシュル-MASHLE- 神覚者候補選抜試験編』のオープニング主題歌。"#BBBBダンス (#BBBBdance)"のバズも相まって世界的なヒットとなり、米ビルボードによるグローバルチャートではGlobal 200で最高12位、Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.では2位まで達しています。

またビルボードジャパンでは最新2月28日公開分までにおいて総合ソングチャートで5連覇を達成。フィジカルセールスに強いSnow Man「LOVE TRIGGER」や櫻坂46「何歳の頃に戻りたいのか?」を抑えて、首位の座に就き続けています。

 

一方で、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」は公式動画が長く用意されていませんでした。上記CHART insightでは赤で表示される動画再生指標が最新2月28日公開分ビルボードジャパンソングチャートでようやく加算されましたが、この動画が何を指すかは不明の状況です。というのも大ヒット中のテレビアニメノンクレジットオープニング動画は、実際はテレビ局や制作会社発のためこの指標のカウント対象外となるのです。

ゆえに、Creepy Nuts側からの動画発信がいつになるのか、ミュージックビデオの予告から1ヶ月経過しているものの進展がみられなかったことに違和感を抱いていたのですが、昨日動画が遂に公開された形です。YouTubeは、ビルボードジャパンでは動画再生指標のみならずオーディオストリーミング分がストリーミング指標に加算され、またグローバルチャートでは動画やオーディオでの再生もストリーミング指標に含まれます。

 

チャートで好調のCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」は、一方で世界のみならず日本でもピークを越えた可能性が否めません。

上記はデイリー200位までの再生回数が可視化されているSpotifyでの日本およびグローバル、そして日本を除くグローバルの動向を示した表。グローバルでは前週同曜日比が早くも減少傾向にあったことについて以前お伝えしたのですが、日本における2月24日付以降のチャートでも前週同曜日割れが続いています。

この動向を伝えた際のエントリーにて、このような提案を行いました。

たとえばリリックビデオの発信およびYouTube字幕機能を用いた外国語での発信がCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」に必要ではと考えます。TikTok等のダンスチャレンジで興味を抱いた方が曲をさらに深掘りできるならば、その作品を経て最終的にCreepy Nutsのコアファンへと進化する可能性も想起できるゆえの提案です。

 

 

ゆえに、今回公開された動画に安堵したのですが、この動画が予想以上に素晴らしいものだったといえます。

歌手の公式YouTubeチャンネル発ならばビルボードジャパンソングチャートの動画再生やストリーミング指標、米ビルボードによるグローバルチャートのストリーミング指標にカウントされます。またアニメ『マッシュル-MASHLE-』との高次元でのコラボレーションはアニメへの注目度を高めるのみならず、この動画がリリックビデオの役割を果たし、加えて字幕機能を用いることで外国語へ対応していることにも注目です。

そして動画のタイトルには"#BBBBダンス"と記載され、サムネイル画像にこのダンスの特徴的な動きが用意されていることも好い対応と考えます。そのバズを聞きつけて曲を調べた方に対し、たどり着きやすい仕様になっているといえるでしょう。

(なお、外国のユーザーに向けて字幕機能の存在等をそれぞれの言葉で概要欄に記載すればより好いのではと考えます。また動画のタイトルに"#BBBBdance"を付け加えるのも好いでしょう。)

 

歌手側が公式動画を出したことで、動画再生分がきちんと音楽チャートに組み込まれます。そして海外向けにも訴求を行っていることで、いち早くダウン傾向にあった海外での人気を再燃させることができるかもしれません。無論日本においても、今週金曜の『ミュージックステーション』における初披露も相まって、「Bling-Bang-Bang-Born」の人気がより高まるものと考えます。

ビルボードジャパンソングチャートでのポイント推移もさることながら、Global 200でのトップ10入り、そしてYOASOBI「アイドル」に続くGlobal Excl. U.S.制覇成るか、注目していきます。