最新3月13日公開分(集計期間:3月4~10日)のビルボードジャパンソングチャートでは、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が7連覇を達成しています。
グローバル・ヒットのニュースを追い風に、3月8日放送の『ミュージックステーション』出演や、同日に公開された『THE FIRST TAKE』でのパフォーマンス披露など、当週の集計期間内に露出を大きく広げ、ダウンロードは約39%増加した24,601DLで2位、ストリーミングは約0.2%増の21,313,095再生で1位を獲得した。カラオケは2位、ラジオが15位、動画は34位で、総合ポイントは前週比約6.2%増の15,536ポイントとなり、まだまだ「Bling-Bang-Bang-Born」の快進撃は続きそうだ。
【ビルボード】Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」露出拡大で7週目の総合首位、Number_i「GOAT」は僅差で2位 https://t.co/HScvLAzFyJ
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2024年3月13日
ダウンロードの好調は、今回の集計期間中に二度のテレビ出演(3月6日放送の『週刊ナイナイミュージック』(フジテレビ)にて初披露)があったこと、『ミュージックステーション』(テレビ朝日)の放送前にTHE FIRST TAKEにて同曲の披露の様子が公開されたこと等が大きく寄与したといえます。またストリーミング共々、集計期間直前に公開された下記ミュージックビデオが公開されて以降、上昇傾向にありました。
Creepy Nuts『THE FIRST TAKE』で披露した「Bling‐Bang‐Bang‐Born」が公開4日で1000万回再生を突破#BBBB #マッシュル #CreepyNuts #THEFIRSTTAKE#THEFIRSTTIMES @Creepy_Nuts_ @The_FirstTake
— THE FIRST TIMES_NEWS (@The_FirstTimesN) 2024年3月13日
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THE FIRST TAKE版「Bling-Bang-Bang-Born」は同チャンネル史上最速で1000万回を突破ことが、複数のメディアにて昨夜発信されています。海外からのアクセスも多いこのチャンネルですが、当然ながら国内からの視聴も多いと考えられます。
しかしながら、今回「Bling-Bang-Bang-Born」の動画再生指標は34位という結果に。これには強い違和感を覚えます。
THE FIRST TAKE版「Bling-Bang-Bang-Born」の再生回数1000万回突破は公開4日、且つ世界中からのアクセスに伴うため、日本における日曜までの再生回数は不明です。一方、3月1~7日を集計期間とするYouTube週間ミュージックビデオランキング(→こちら)では、テレビアニメとのコラボミュージックビデオが首位に。また3月8日付以降のデイリーチャートでは上記2本の動画が2位以内に入っています。
👑週間音楽動画ランキング👑
— デジタルクリエイターズ@YouTubeランキング (@analog_DC) 2024年3月13日
3/3-3/9公開の動画再生数ランキングを発表🎉
🥇🥈 #CreepyNuts #THEFIRSTTAKE #BlingBangBangBorn 再生数、反則❗️異次元❗️この世のもんではないです…🍄🟫💪🏻💥
🥉 #ヨルシカ #晴る ヨルシカの世界·MVにみんなどっぷり惹き込まれる🫒🕊🧊#MAZZEL #nqrse も🎧… pic.twitter.com/qYfi0AOtOk
また3月9日土曜までを集計期間とするデジタルクリエイターズのチャート(上記ポスト参照)においても、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」の強さが際立ちます(なおこのチャートは広告として用いられた動画再生分も含まれます)。ゆえに、最新3月13日公開分のビルボードジャパンソングチャートにおいて、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」の動画再生指標が34位というのはあり得ないと断言していいでしょう。
さて、動画再生指標については時折、欠測という事態が発生します。これは、動画再生指標のカウント対象となるISRC(国際標準レコーディングコード)が付番されていないためとビルボードジャパンは発表しています。
YouTubeについて
②YouTubeの再生回数では上位のはずの楽曲が入っていないのはなぜですか。
YouTubeで表示されるのは全世界のユーザーによる累計再生回数です。ビルボードでは毎週月曜日から日曜日の日本国内再生回数を抽出し、他の指標と同じく約300位までの楽曲で合算し、個人向け「CHART insight Pro」では100位までを表示しています。ランクインしていないのは、ウィークリーでの国内における再生回数が圏外であったか、ISRCを動画アップロード時に付番していないか、の理由が考えられます。私達は後者の理由の払拭を目指し、各社様に今後も引き続き呼びかけを続けていきます。
その上で、欠測判明の際は『各社様に』呼びかけを続けるとのことであり、ビルボードジャパン側は歌手側(所属事務所やレコード会社)にISRC未付番の可能性についてお知らせしていると捉えていいでしょう。
ISRCはテレビ局等の公式YouTubeチャンネル発の動画には付番できませんが(上記リンク先参照)、3月3日公開のテレビアニメ『マッシュル-MASHLE-』とのコラボミュージックビデオはCreepy Nuts側の公式YouTubeチャンネル発となります。また、THE FIRST TAKE発の動画は基本的にISRCを付番。3月1日公開のNOKKO「フレンズ」は最新3月13日公開分のビルボードジャパンソングチャート、動画再生指標18位に入っています。
これらを踏まえるに、「Bling-Bang-Bang-Born」におけるISRC未付番は特にTHE FIRST TAKEにおいては考えにくいのですが、しかしながら欠測は様々な作品で幾度となく発生していました。それでも、これまでずっと付番されていたものが突如未付番となることは不自然ではと感じています。
ビルボードジャパンソングチャートにおける動画再生指標(CHART insightでは赤で表示)、欠測に因るとみられる急下降が少なくありません。。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年3月13日
「#夜に駆ける」(2023年9月13日付)https://t.co/f6lspv3V76
「#鬼ノ宴」(3月6日付)https://t.co/lRPkUeCi6M
「#唱」(3月13日付)https://t.co/xEOawaTtnb pic.twitter.com/OQ3ddbamdL
加えて、最新3月16日付(集計期間:3月1~7日)の米ビルボードによるグローバルチャートでは、CHART insight「Bling-Bang-Bang-Born」がGlobal 200で14→13位、Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.では5→6位となっています。アニメとのコラボミュージックビデオが初加算のタイミングであり伸びる可能性が高かったものの、双方のチャートで赤丸がないのはやはり違和感を覚えます。
ビルボードジャパンソングチャートだけをみれば歌手側のISRC未付番に因る欠測と判断していいのかもしれませんが、グローバルチャートの動向(動画再生分はストリーミング指標に加算)も考慮すれば、ともすればYouTube側におけるエラーが起き続けているのでは、動画が正式に「Bling-Bang-Bang-Born」と紐付いていないのではと捉えています。
この『動画が正式に「Bling-Bang-Bang-Born」と紐付いていない』というのは、2本の公式動画がきちんと加算されていないのみならず、2月28日公開分ビルボードジャパンソングチャートにおいて「Bling-Bang-Bang-Born」の公式動画が未登場だったにもかかわらず動画再生指標が突如18位に登場したことにも当てはまります。なお同日公開分の動画再生指標は後に訂正されていることも、YouTubeへの疑問を抱かせるに十分です。
(なおこの動画再生指標の訂正は【ビルボードジャパン最新動向】「Bling-Bang-Bang-Born」6連覇、フィジカル上位3曲の結果からみえること(3月7日付)にて紹介しましたが、ビルボードジャパン側がこの訂正をアナウンスしなかったこともまた問題です。)
先ほど紹介したYouTubeのランキングにおいてはISRC未付番の動画がランクインの対象外になっているかは分かりかねます。しかしアニメ制作会社の公式YouTubeチャンネル発となるTVアニメ「マッシュル-MASHLE-」第2期ノンクレジットOPムービー|Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」#BBBBダンス - YouTubeがランクインしていないことを踏まえれば、ISRC付番動画が対象になると捉えていいのかもしれません。
これらを考慮すれば、今回までCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」の動画再生指標が不安定である理由、また先述したYOASOBI「アイドル」等の動画再生指標における欠測発生(「唱」はこれにより、当週初めて総合ソングチャートトップ10内から脱落)においては、①YouTube側においてエラーが発生している、②その状態のままビルボードジャパン側にデータが送信されている、という可能性が最も高いのではないでしょうか。
この仮説が正しいならば、何よりまずYouTube側がこの2点を確認することが必要ですが、ビルボードジャパン側もまたこの問題について強く疑問視すること、歌手側のみならずYouTube側へもアプローチして共同で解決する姿勢を持つことを願います。元来、2週前の「Bling-Bang-Bang-Born」における不可解な動画再生指標加算および上位登場の段階からそのアプローチを採るべきだったのではとも感じています。
動画再生指標が実際に欠測していたならば、さらにはビルボードジャパン側が今回の問題をしっかりと意識しているならば、総合ソングチャートの記事タイトルに”僅差”と用いるのは違うのではないでしょうか。本来は「Bling-Bang-Bang-Born」が2位以下に小さくはない差をつけていたはずです。
(なお、ビルボードジャパンに対しては、ヒットが見込める曲のリリーススケジュールを(動画公開も含め)把握しているのかを疑問に感じることがあります。最新3月13日公開分ソングチャートのフィジカルセールス指標においてはNumber_i「GOAT」が首位を獲得しましたが(総合では2位に上昇)、セールスの速報記事では5位までに記載がありませんでした。リリースの存在を知っていれば、記事化する前に疑問が生じるはずです。)