2ヶ月前の自分のつぶやきに対し、今月に入り複数のリアクションをいただきました。
日本のメディアの著作権法等権利関係の煩雑さ(と個人的には捉えています)を踏まえるに、このような施策はなかなか増えないものと考えていましたがそれを率先して行うのがK-Popアクトであるという事実に、K-Popの戦略の巧さと感じています。
— Kei (@Kei_radio) 2022年3月1日
そして日本の音楽業界はもっと頑張らないといけないとも。 https://t.co/idSA7lbZ4s
この状況は今月に入っても変わっていないと考えます。直近の事例を踏まえ、再度記載します。
最新5月11日公開分(5月16日付)ビルボードジャパンソングスチャートではLE SSERAFIM「FEARLESS」が9位に初登場。宮脇咲良さん等も名を連ねる、現在注目のK-Popアクトのデビュー曲です。
LE SSERAFIMは5月9日月曜、『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)に出演し、同曲をパフォーマンス。この動画がその日のうちに、彼女たちの公式YouTubeアカウントでアップされました。なおミュージックビデオは、厳密にはLE SSERAFIMが所属するHYBE発となります。
さてここで気になったのが、歌手側のYouTubeアカウントでパフォーマンス映像が公開されたことについて、番組側がアナウンスしていないこと。上記動画がアップされる前、自分は放送終了直後にこのようなつぶやきを発信しました。
おそらくは #LESSERAFIM の公式YouTubeアカウント(レーベルの公式アカウント)でも配信されるものと思われます。前回のK-Popアクトについてもそうでした。
— Kei (@Kei_radio) 2022年5月9日
その場合、@TBSCDTV がなぜYouTubeでも配信と言わないのかが気になります。 https://t.co/EPgBi9TENx
前回のK-Popアクトとは、SEVENTEENおよびENHYPEN。共に各歌手の公式YouTubeチャンネルでアップされています。
_人人人人人人人人人人人人人人_
— CDTV (@TBSCDTV) 2022年5月2日
> #SEVENTEEN 配信あります <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄#CDTVライブライブ で披露した#SEVENTEEN「Darl+ing」
SPライブを #Paravi #TVer で配信中!
▼Paravihttps://t.co/a4mVpvzJU1
▼TVerhttps://t.co/JRJHUdzKNK pic.twitter.com/P8rkZYSZCu
_人人人人人人人人人人人人人人_
— CDTV (@TBSCDTV) 2022年5月2日
> #ENHYPEN 配信あります <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄#CDTVライブライブ で披露した#ENHYPEN
「Tamed-Dashed [Japanese Ver.]」
SPライブを #Paravi #TVer で配信中🎥⚡️😊
▼Paravihttps://t.co/a4mVpvi8vr
▼TVerhttps://t.co/JRJHUdRlFi pic.twitter.com/mcwB36cTqg
LE SSERAFIM「FEARLESS」の番組パフォーマンスの配信をアナウンスする際、TwitterのみならずテレビでもParaviとTVerでの配信を紹介しながら、歌手側の公式YouTubeチャンネルでの公開には触れていませんでした。ツイートでも書きましたが(→こちら)、テレビ局側にとって利益となるParaviやTVerでの再生回数増加を主目的にする姿勢が垣間見え、歌手側に失礼であると共に局側の自己保身優先の姿勢を感じてしまうのです。
YouTubeに関連したテレビ局の姿勢への疑問は、星野源さんとYOASOBIの動画にも抱いています。
🌟#君の声が聴きたい🌟
— NHK MUSIC (@nhk_musicjp) 2022年5月6日
グランドオープニング「声、ひらく未来」でOAされた#星野源 #YOASOBI のコラボステージを下記で公開中✨
特別な場所でのSPパフォーマンスお見逃しなく👇#あの夢をなぞって #創造 #SUN
・HPhttps://t.co/cT0XpOEOR0
・YouTubehttps://t.co/L6CvonzJry
5月6日にNHKで始まったプロジェクト、【君の声が聴きたい】ではYOASOBI「あの夢をなぞって (Ballade Ver.)」、星野源「創造」、および星野源「SUN」にYOASOBIが参加したバージョンがオープニングを飾りました。
その映像は上記ツイートの通り、NHKの公式YouTubeアカウントから発信されたのですが、このアカウント発の映像ははてなブログに埋め込んでも"動画を再生できません"となり、リンクを貼ったとしてもブログ内で再生できない仕様となることを確認しました(なお現在は公開期間終了につき、動画再生不可となっています)。
また動画が3曲分をまとめてアップしているため、万が一この動画がビルボードジャパンで動画再生指標にカウントされる対象だった場合、集計側の混乱を招きかねません。
"万が一"と書いたのは、NHKの公式YouTubeアカウント発の動画はこれまでFoorin「パプリカ」や嵐「カイト」においても、アップロード分が動画再生指標にカウントされておらず、カウント対象となるISRC(国際標準レコーディングコード)が付番されていないだろうと考えていたゆえ。この問題は以前から指摘し続けているのですが、NHK側はこの仕様のままと言えます。
NHKにおける動画公開のルールが独自仕様となっているのかもしれませんが、ビルボードジャパンはソングスチャートにおいて基本的にアレンジ違いはカウントを分ける一方で動画再生指標においては別のため(最たる例がTHE FIRST TAKEの加算。なお同バージョンを音源化した際、動画再生指標は音源化したほうに加算されるものとみられます)、ISRCを付番しないルールはチャート面においても、非常に勿体無いと言えるのです。
そして番組パフォーマンス映像においては、歌手側の公式YouTubeチャンネルでの公開に触れないのは歌手側への無礼だと考えますが、それ以前にK-Popアクト以外についてはほぼYouTube公開に至らないのが不思議でなりません。加えて、仮にアップされたとしても番組や放送局側のYouTubeアカウント発であることが多く、たとえば下記リンク先で紹介したBE:FIRSTの動画は『スッキリ』(日本テレビ)発となります。
このブログエントリー、冒頭で紹介したツイートを踏まえて書いたものですが、2ヶ月経っても状況が変わっていないことに驚くばかりです。
放送上の権利関係の厳しさ、煩雑さは十分想起できます。しかし、コンテンツのYouTube発信をK-Popアクトが率先して行う状況に、日本のエンタテインメント業界の環境未整備以上に意識不足を強く感じずにはいられません。
ゆえに違法アップロードが多い状況とも言えますが、業界が環境を整備すれば違法公開分を観ることやアップすること自体減るのではないでしょうか。以前もこのようなツイートを行いましたが、"つかまるよ、マジで。"というキャッチーなCMとキャッチコピーで人々に意識付けするのみならず、業界全体の改善も同時に、そしてそれ以上に必要だと強く考えます。