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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ヒットの予感】Da-iCE「CITRUS」最高位更新しロングヒットの道へ…メディア出演はいつ

Da-iCECITRUS」が自己最高位を更新しています。

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CITRUS」は5月12日公開(5月19日付)ビルボードジャパンソングスチャートで39位に浮上。前の週に最高位を更新したばかりのこの曲が遂にトップ40の仲間入りを果たしました。今日発表されるチャートの動向が気になります。

 

 

この「CITRUS」、上昇の予兆がありました。

人気YouTubeチャンネルのTHE FIRST TAKEに登場、そしてSKY-HIこと日高光啓さん主催のオーディション”THE FIRST”の課題曲に起用というのが予兆の中身。ドラマ『極主夫道』(日本テレビ)主題歌、LINE MUSIC再生回数キャンペーン対象等によりストリーミングを確実に獲得していたこの曲が、それらを機に急激に伸びはじめたわけです。

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直近11週における「CITRUS」の総合順位(黒の折れ線で表示)と構成指標群の一部を抜粋したチャート推移(CHART insight)を上記に。27週目である4月7日公開(4月12日付)でいち早く動画再生指標(赤)が伸びているのは、集計期間中の4月2日金曜にTHE FIRST TAKEが公開されたため。なお、その直前のストリーミング指標(青)の山はLINE MUSICキャンペーンの影響が大きいと考えられます(キャンペーン内容はこちら)。
CITRUS」はTHE FIRST TAKE公開後、ミュージックビデオ(下記リリックビデオを含むものと考えられます)が伸長。5月7-13日を集計期間とするYouTubeのミュージックビデオランキング(→こちら)ではミュージックビデオが55位、THE FIRST TAKE版が64位となり、「CITRUS」が100位以内に2バージョンランクイン。これらにより、ビルボードジャパンソングスチャートにおける動画再生指標が20位前後を推移していると言えます。

 

(ちなみに、「CITRUS」の公式動画にTHE FIRST TAKEが含まれるとすれば、その合算方法には疑問を覚えます。たとえばDISH//「猫」のオリジナルバージョンの動画再生指標はTHE FIRST TAKEの動画を再生回数に含まず、2バージョンがビルボードジャパンソングスチャートにランクインしている状態です。ともすれば”THE FIRST TAKE ver.”として配信された曲がオリジナルとは別にカウントされるのかもしれませんが、この括り方の曖昧さについては以前から疑問視しています(DISH//「猫」は非合算でテイラー・スウィフトは合算? ビルボードジャパンの合算する/しないの明確化を希望する(3月3日付)等参照)。尤も、ビルボードジャパンが米ビルボードに倣ってオリジナルバージョンと別バージョンとを合算すれば問題解決に至ると考えます。) 

 

THE FIRST TAKE公開後はストリーミングが再上昇。今回はLINE MUSICキャンペーン未実施の状況で上昇しており、一時的なものではない恒常的なヒットの予感を抱かせます。加えてカラオケ指標(緑)が最新チャートで100位未満(300位圏内)から42位へ躍進したことで、カラオケでの定番化が考えられ、尚の事恒常的ヒットの足場を築いたと言えそうです。

カラオケでの定番化については、「CITRUS」の挑戦者を募ったゆえと言えるかもしれません。

YouTubeチャンネル登録者数137万(ブログ執筆時点)を誇るしらスタさんの動画で「CITRUS」THE FIRST TAKE版の歌唱解説が公開され、半日で10万再生を突破しています。先にカラオケ人気が『挑戦者を募ったゆえ』と書きましたが、オーディション”THE FIRST”の課題曲であること、そして歌唱解説動画のニーズを踏まえれば、「CITRUS」が歌唱力に自信がある人に対し、挑戦し甲斐がある曲と認識されたものと考えるに十分です。

 

 

動画からストリーミングに波及するのは昨年の瑛人「香水」やYOASOBI「夜に駆ける」で見られたヒットの形であり、またカラオケの人気拡大も相俟って、「CITRUS」はロングヒットのフェーズに突入したと言えるでしょう。この曲を皮切りにDa-iCEというグループの実力がより多くの方に知られることを願います。

そして、たとえば『ミュージックステーション』に代表される地上波テレビ局の音楽番組はDa-iCEを無視してはいけないと断言します。それらメディアが、「CITRUS」より下位の作品をブレイク候補として取り上げる機会を増やしていることについては以前取り上げたばかり。ならば「CITRUS」に、Da-iCEにメディアが光を当てないならば矛盾していると断言していいでしょう。

いや、『CDTVライブ!ライブ!』には出演したことはありますが、あくまでEXITとの共演であり、演出的にもDa-iCEを大きくフィーチャーしたとは言えません。

実力があり、且つヒットの兆しを見せる曲が音楽番組を介して世に放たれないことには不信感を抱かずにいられません。何度も唱えたいと思いますし、「CITRUS」をオーディションの課題曲に据えたSKY-HIさんも共通の思いを抱いているはずです。