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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】シルク・ソニック「Leave The Door Open」が首位返り咲き

ビルボードソングスチャート、現地時間の5月17日月曜に発表される予定だった最新5月22日付ソングスチャート(Hot 100)が日本時間の5月19日夜遅くに公開。シルク・ソニック「Leave The Door Open」が5週ぶりに首位に返り咲きました。

 

まずは今回のチャートがほぼ2日遅れたことについて、米ビルボードは記事の中でこのように述べています。

The announcement of this week's Hot 100 was delayed by approximately 48 hours while Billboard and MRC Data conducted standard audits on reported data, working with data partners to recognize and resolve anomalies.

(今週のHot100の発表は、ビルボードとMRCデータが報告されたデータに対して標準監査を実施し、データパートナーと協力して異常を認識して解決する間、約48時間遅れました。)

この遅れ自体について思うところがあります。私見は後日ブログに記載します。

 

 

ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるユニット、シルク・ソニック「Leave The Door Open」はストリーミングが前週比4%ダウンの1780万(同指標10位)、ダウンロードが同38%アップの14200(同指標2位)、ラジオが同8%アップの8700万(同指標1位)を獲得。ダウンロードの伸びは集計期間内にiTunes Storeで69セントの(0.69ドル)の安価販売を実施した影響に因るもの。これにより、中4週で首位を獲得するに至りました(首位獲得は通算2週目)。

この中4週での首位獲得はポスト・マローン「Circles」以来(2019年12月7日付→2020年1月11日付)。以前にはテイラー・スウィフト「Shake It Off」(2014)が、2週首位獲得後にメーガン・トレイナー「All About That Bass」に8週その座を奪われながら返り咲いたことがあります。

 

予想家の間で首位獲得が噂されていた、デュア・リパ feat. ダベイビー「Levitating」は2ランクアップしながら2位に。デュア・リパにとっては「Don't Start Now」(2020)に並ぶ自己最高位タイを記録しました。ストリーミングは前週比1%未満のアップとなる2190万(同指標5位)、ダウンロードは同83%アップの19900(同指標1位)、ラジオは同18%アップの5970万(同指標4位)。ダウンロードの急上昇はこちらも、iTunes Storeでの69セント安価販売が影響しています。

ラジオでは2月13日付で5550万に達しながら4月3日付では3120万にダウンしたのですが、TikTokでの人気により再浮上。現地時間の5月11日に行われたブリット・アワードでブリティッシュ・アルバム賞を含む2部門を受賞したことも影響し、「Levitating」はこの指標で7週連続数字を伸ばしています。

 

このラジオ指標で首位を狙うのがジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」(総合3位)。前週比14%アップとなる8060万を記録しています。7週連続でのトップエアプレイゲイナーは今年初めのオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」に並ぶもので、ファレル・ウィリアムス「Happy」(2014年2-3月)の8週という記録まであと1週に迫っています。

 

8位にはJ.コール「Interlude」が初登場(正式な表記は「i n t e r l u d e」)。ストリーミングは2660万を獲得し同指標を制しています。J.コールにとって通算6曲目のトップ10入り(うち初登場で10位以内に入ったのは今回が5曲目)となった「Interlude」は、次週のアルバムチャートで初登場予定の『The Off-Season』からの先行曲であり、収録曲は次週大挙エントリーすることが見込まれます。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (2位) シルク・ソニック(ブルーノ・マーズ & アンダーソン・パーク)「Leave The Door Open」

2位 (4位) デュア・リパ feat. ダベイビー「Levitating」

3位 (3位) ジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」

4位 (1位) ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Save Your Tears」

5位 (5位) ドージャ・キャット feat. シザ「Kiss Me More」

6位 (7位) マスクド・ウルフ「Astronaut In The Ocean」

7位 (6位) ポロG「Rapstar」

8位 (初登場) J.コール「Interlude」

9位 (8位) ザ・キッド・ラロイ & マイリー・サイラス「Without You」

10位 (9位) リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」

 

 

昨年秋に新設されたグローバルチャート、その速報も紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。5月22日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にリル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」が制しました。

リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」はGlobal 200で通算5週目、Global 200からアメリカの分を除いたGlobal Excl. U.S.では3週連続での首位獲得となりました。Global 200ではストリーミングが前週比9%ダウンの7700万、ダウンロードが同13%ダウンの5500を獲得、またGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比7%ダウンの5770万、ダウンロードが同18%ダウンの2500を獲得しています。

米ソングスチャートで8位に初登場を果たしたJ.コール「Interlude」はGlobal 200でも8位に初登場。ストリーミングは3760万、ダウンロードは3300を記録しました。

Global Excl. U.S.ではティオン・ウェイン & ラス・ミリオンズ「Body」が12ランクアップし6位に到達。ストリーミングは前週比43%アップの3430万、ダウンロードは同8%アップの2000を獲得しています。イギリスのラッパー同士によるコラボレーションですが、7組の歌手が参加した複数のリミックスが4月22日に登場したことでチャートを駆け上がってきた形。「Body」はイギリスのソングスチャートで現在2連覇、そしてオーストラリアでも初制覇を果たしており、世界を席巻する可能性は十分です。

 

 

次週は先述したようにJ.コールの大量エントリー、そしてオリヴィア・ロドリゴの新曲「Good 4 U」の動向に注目です。