昨年1月からはじめている【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2020年12月分です。前の月にリリースされた曲を中心に、しかしその縛りは出来る限り緩くした上で選んでみました。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。
過去の私的トップ10ソングス、および2020年上・下半期の邦楽ベストソングスについてはこちらに。ちなみに個人的に毎回チェックしているプレイリストは現時点において主に、New Music Wednesday、New Music Friday Japan、New Music FridayおよびMonday Spinとなっています。
10位 Eve「宵の明星」
「廻廻奇譚」で遂にビルボードジャパンソングスチャートトップ10入りを果たしたEveさん。ポップセンスに長けていることは以前「白銀」がJR SKI SKIキャンペーンソングに選ばれたこと、そしてこの曲から証明可能。最新EP『廻廻奇譚 / 蒼のワルツ』収録ながら表題曲ではありませんが、是非聴いてほしい逸品。
9位 ヴァショーン・ミッチェル「Lifted Up」
ド直球のゴスペル。かつてクワイアに所属していた身には高揚しないわけがありません。日本のクワイアでカバーするところが出てくるはず。
8位 雨のパレード「Strange GUM」
日々の迷いや焦燥をバンドサウンドで見事に示した曲。有機的とも無機的とも言える音(特にベースラインのループ)が心地よさと不安とを持ち合わせる不思議な仕上がりに。心地よさは韻を踏む歌詞にも表れています。
7位 ロバート・グラスパー feat. H.E.R. & ミシェル・ンデゲオチェロ「Better Than I Imagined (Kaytranada Remix)」
重みのあるピアノが堪能できるオリジナルバージョンも好きですが、ロバート・グラスパーと共にリミックスEPをリリースしたことのあるケイトラナダが手掛けたリミックスは、そのピアノを活かし心地よさが増幅された一方、ダークな音がより際立った不思議な仕上がりに。
6位 80KIDZ feat. YonYon「Your Closet」
YouYonさんの歌声のいい意味での軽さが客演先を問わないことを証明する曲。韓国語、英語そして日本語がシームレスで耳に心地よいですね。活動開始から15年となる80KIDZのトラックの瑞々しさも見事。
5位 SIRUP「Thinkin about us」
車のCMソングに選ばれた「Do Well」で多くの方の知るところとなったSIRUPさんの最新曲。藤井風さんの作品群等を手掛けるYaffleさんをプロデューサーに迎えたこの曲における後半の上モノの挿入、そしてアカペラ以降の展開がドラマティック。ライブで聴いたら間違いなく泣くと思います。
4位 Snowk feat. J.O.Y「I'm Lost」
R&Bを基軸に、2年前に活動を開始した北国出身の2人組。今月リリースのファーストアルバム『Powder』からの先行曲はドイツ在住の歌手、J.O.Yをフィーチャーした流麗なハウストラック。サビが前後半に分かれ緩和と緊張を生むメロディになっているところが特に素敵です。
3位 シザ「Good Days」
大人きらびやかなアレンジが堪らなく美しい…そう思ってクレジットを調べると、ジェイコブ・コリアーがソングライターとバックボーカルを務めていて激しく納得。「Hit Different」に続いて良曲を届けてくれたシザのアルバムに期待すると共に、ザ・ウィークエンドのゼロノミネートで批判を受けるグラミー賞が一方ではジェイコブ・コリアーを主要部門ノミネートに至らせたことについて、きちんと評価すべきだと思うのです。
2位 ユナ「Dance Like Nobody's Watching」
アッシャーやタイラー・ザ・クリエイター等との共演も含めスタイリッシュなR&Bを届け続けたマレーシア出身の歌手。今作のリリース元はインディペンデントとなっておりどうやら大手とのディールは解けた模様ですが、変わらず美しい曲を届けてくれます。
1位 ハドソン・モホーク「What U Need」
いい意味で下世話であり変態。昨夏リリースのアルバムのジャケット(→こちら)も、そしてこの曲のアレンジも。ハウスを基調にゴスペルクワイア的コーラスを挿入する1990年代前半のサウンドの集大成という感じなのですが、しかしハドソンの歌ヂカラが半ば強引にでもすべてをまとめ上げるのですから素晴らしいですね。
以下、次点として10曲。
・EXPCTR & SunaoSystem「Daily Fantasy」
・King Gnu「千両役者」
・THE CHARM PARK「in heavenly peace」
・蓮沼執太フィル feat. 塩塚モエカ「HOLIDAY」
・yuigot + 長谷川白紙「音がする」
・BoA「Better」
・ジョイス・ライス「So So Sick」
・ジュラス feat. タイ・イワー & P-ラルエル「1985」
・ピーター・コットンテイル「Together (Soundtrack from Year In Search)」
・ヨアンドリ「Empathy」
R&Bトラック主体となりましたが、たとえばジョイス・ライス「So So Sick」はジョン B.のヒット曲「They Don't Know」使いがニクい作品。手掛けたのは嵐「Whenever You Call」をブルーノ・マーズと共に手掛けたDマイルであり、今後間違いなく注目のプロデューサーと言えるでしょう。
Spotifyのプレイリストはこちらに。
今年も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。