イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】米ではビヨンセが2連覇達成、グローバルはベンソン・ブーンが首位に

現地時間の3月4日月曜に発表された、最新3月9日付米ビルボードソングチャート(集計期間:2月23~29日)。ビヨンセ「Texas Hold 'Em」が2週連続で首位を獲得しました。

ビヨンセ「Texas Hold 'Em」はストリーミングが前週比12%ダウンの2550万(同指標3位)、ダウンロードが同24%ダウンの22,000(同指標2位)、ラジオが同72%アップの2760万(同指標23位)を記録し、ラジオにおいては2週目となるトップエアプレイゲイナーを獲得しています。

「Texas Hold 'Em」はラジオプロモーションの影響に伴い、ジャンル別のエアプレイチャートではアダルトポップエアプレイで28→16位、ポップエアプレイで25→17位、リズミックエアプレイで36→23位、アダルトR&Bエアプレイで28→24位、R&B/ヒップホップエアプレイで36→32位、メインストリームR&B/ヒップホップエアプレイで40→32位に上昇したほか、アダルトオルタナティヴエアプレイで36位に初登場。一方でカントリーエアプレイでは34→38位にダウンしています。アダルトオルタナティヴエアプレイおよびカントリーエアプレイでキャリア初エントリーを果たしたことで、ビヨンセファレル・ウィリアムスと並び史上最多となる18のエアプレイチャートにエントリーを果たしています。この記録については別途記事が用意されています。

ビヨンセ「Texas Hold 'Em」は2月11日に開催されたスーパーボウルの中継内CMにてリリースが告知され、同日「16 Carriages」と共にリリース。その3日後にエクスプリシットバージョンおよびクリーンバージョンのアカペラ版、およびインストゥルメンタルバージョンがリリースされています。なお「Texas Hold 'Em」等を含むニューアルバム『Renaissance Act II』は3月29日にリリース予定です。

「Texas Hold 'Em」は総合ソングチャートと集計方法を同一とするホットカントリーソングチャートで3週目の首位に。ビヨンセは黒人女性、あるいは人種の異なる両親から生まれた(記事では"biracial"と表記されている)女性歌手として初の首位獲得者となります。

 

イェー(カニエ・ウェスト) & タイ・ダラー・サイン feat. リッチ・ザ・キッド & プレイボーイ・カルティ("プレイボーイ・カーティ"と表記するメディアも)「Carnival」が4→2位に上昇。ストリーミングは前週比31%アップの3220万を記録、同指標2週目の首位となり、トップストリーミングゲイナーを獲得しています。

ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」は2→3位へ後退。ラジオは前週とほぼかわらず7940万を記録しており、同指標7週目の首位に立っています。

ベンソン・ブーン「Beautiful Things」が5→4位へ上昇。ダウンロードは前週比249%アップとなる25,000を記録し同指標初の首位となり、トップセールスゲイナーを獲得しています。これは2月23日にアカペラ、アコースティック、インストゥルメンタル、ピアノインストゥルメンタルの各種バージョン、スローダウンおよびスピードアップミックスをリリースしたことに伴うものです。

 

シザ「Saturn」が6位に初登場。ストリーミング2500万、ダウンロード2,000およびラジオ96万を記録しています。同曲は2月4日に開催されたグラミー賞の中継内CMにてティザー(ティーザー)が用いられ、2月23日にリリースされています。

「Saturn」はシザにおける10曲目のトップ10ヒットとなり、総合ソングチャートと集計方法を同一とするホットR&Bソングチャートでも初登場で首位に。このチャートでは6曲目の首位獲得となり、「Kill Bill」に並んで女性歌手では最長タイとなった「Snooze」(共にシザによる作品)の31週目の首位獲得を阻んでいます。

<曲名に惑星を冠した作品のトップ10ヒット>

・フランキー・アヴァロン「Venus」 (1959 5週1位)

ショッキング・ブルー「Venus」(1970 1週1位)

キャロル・キング「It's Too Late」「I Feel The Earth Move」(1971 5週1位)

ジョージ・ハリスン「Give Me Love - (Give Me Peace On Earth)」(1973 1週1位)

バナナラマ「Venus」(ショッキング・ブルーのカバー) (1986 1週1位)

・ベリンダ・カーライル「Heaven Is A Place On Earth」(1987 1週1位)

・トレイン「Drops Of Jupiter (Tell Me)」(2001 5位)

・シザ「Saturn」(2024 6位)

・ジミー・クラントン「Venus In Blue Jeans」(1962 7位)

歌手名で括るならばブルーノ・マーズが最多18曲のトップ10ヒットを保有し、以下アース・ウインド & ファイアー(メディアによっては"アース・ウィンド・アンド・ファイアー"と表記するところも)が7曲、レア・アースが3曲、マンフレッド・マンズ・アース・バンドが1曲となります。またプロデューサーではネプチューンズが16曲トップ10ヒットを輩出しているほか、リル・ウージー・ヴァートによる「Baby Pluto」が2020年に6位を記録していますが、"Pluto (冥王星)"は2006年に惑星から除外されています。またビッグ・ボッパー「Chantilly Love」(1959)からノア・カーン「Stick Season」(2024年2月)まで、マーキュリー・レコードからのトップ10ヒットも多数あります。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) ビヨンセ「Texas Hold 'Em」

2位 (4位) イェー(カニエ・ウェスト) & タイ・ダラー・サイン feat. リッチ・ザ・キッド & プレイボーイ・カルティ「Carnival」

(※ "プレイボーイ・カーティ"と表記するメディアも)

3位 (2位) ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」

4位 (5位) ベンソン・ブーン「Beautiful Things」

5位 (3位) テディ・スウィムズ「Lose Control」

6位 (初登場) シザ「Saturn」

7位 (9位) ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス「I Remember Everything」

8位 (8位) テイト・マクレー「Greedy」

9位 (6位) シザ「Snooze」

10位 (7位) テイラー・スウィフト「Cruel Summer」

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。3月9日付ではベンソン・ブーン「Beautiful Things」がGlobal 200にて2週ぶり、通算3週目の首位となり、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.では3連覇を達成しています。

ベンソン・ブーン「Beautiful Things」はGlobal 200においてストリーミングが前週比12%アップの7100万、ダウンロードが同148%アップの30,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比13%アップの4860万、ダウンロードが同3%アップの5,000を記録。主にGlobal 200におけるダウンロード増加については、米ソングチャートでも紹介した複数バージョンのリリースが影響しています。

シザ「Saturn」がGlobal 200で5位に初登場。ストリーミング4330万、ダウンロード2,000を記録し、このチャートにおけるシザのトップ10ヒットは6曲となりました。

Global Excl. U.S.ではLE SSERAFIM「EASY」が47→6位に上昇。ストリーミングは前週比104%アップの3310万、ダウンロードは同26%アップの2,000を記録。同名のアルバムが最新の米ビルボードアルバムチャートで8位に初登場を果たしています。なおGlobal Excl. U.S.におけるLE SSERAFIMのトップ10ヒットは「Perfect Night」(2024年1月 8位)に次ぐ2曲目となります。

同じくGlobal Excl. U.S.では、YGマーリー「Please Jah In The Moonlight」が11→10位に上昇。ストリーミングは前週とほぼ変わらず2720万、ダウンロードは同11%アップの1,000を記録しています。YGマーリーはローリン・ヒルの息子であり、レゲエ界のレジェンドであるボブ・マーリーの孫にあたります。

 

Global Excl. U.S.ではCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が3→5位にダウンしています。