イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【マイベスト】【月曜日のプレイリスト】2022年10月の私的トップ10ソングス、選びました

2020年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2022年10月分です。前の月にリリースされた曲を中心に選出しています。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。

過去の私的トップ10ソングス等についてはこちらに。現在はSpotifyを利用しており、New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spinといったプレイリストを毎週チェックしています。

なお、"私的トップ10ソングス"とあるように、月イチで紹介するこのエントリーは完全な私見に基づくベストソングス(選出企画)となります。個人的な作品への思い入れについて、音楽チャート紹介時には乗せないよう心掛けています。

 

 

10位 aiko「号泣中」

フィジカルシングル「果てしない二人」のカップリングとして収録された、トオミヨウさんによるアレンジ曲。打ち込み主体というaikoさんにとっては珍しいこの作品がこれまでにはなかった雰囲気をまとい、彼女の言葉がよりダイレクトに刺さってる印象を受けます。

 

 

9位 アシャンティ「Falling For You」

2000年代に活躍した歌手が、当時の音色を用いた曲をこの時代に出すことで生まれる説得力たるや。2000年前後の上モノ遣い(アコースティックギターによる短いフレーズのループや初期ティンバランドっぽいビート)と、普遍的なメロディラインのリピートが癖になるR&B良曲です。

 

 

8位 S.A.R.「payment」

(上記は公式ヴィジュアライザー。)

曲の展開、さらには曲が終わった後のインタールード的なアウトロも素敵なアクセントとなった作品。おそらく海外のソウルミュージックならばサビの部分は1オクターブ低く歌われると思うのですが、このサビのメロディの高さがJ-Pop感の絶妙なブレンドにつながった気がします。いずれリリースされるだろうアルバムではどんな曲が次に配置されるのか、気になって仕方ありません。

 

 

7位 米津玄師「KICK BACK」

モーニング娘。「そうだ!We're ALIVE」をそのような形で引用するとはと唸るほどアイデアが見事。テレビアニメ『チェンソーマン』オープニング曲がリリース当初から大ヒットするという理由も頷けます。

 

 

6位 ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス「Tip Of The Flame」

(上記は公式オーディオ。)

その名は以前から知っていたのですが、この曲で完全にノックアウト。ユニットのメンバーにママズ・ガンのアンディー・プラッツがいると知って納得した一方、なぜ今まできちんと触れてこなかったのかと後悔するほどに「Tip Of The Flame」における1970年代ソウルミュージック2020年代仕様が見事。

 

 

5位 MONKEY MAJIK「Running In The Dark」

(上記はリリックビデオ。)

私的トップ10ソングスをスタートさせる前から「Delicious」や「Tokyo lights」を年間や半期ベストに選出してきたのですが、その都度思うのはMONKEY MAJIKが流行をしっかり自分のものにできているということ。ともすれば没個性的と思われかねませんが、この咀嚼力の高さは実力ゆえに他なりません。

 

 

4位 シザ「Shirt」

(下記ミュージックビデオには暴力的なシーンが含まれますので、視聴時には注意が必要です。)

ファーストアルバム『Ctrl』はデラックス盤が用意されながら、セカンドアルバムについてはほぼ音沙汰がなかったシザ。客演人気を経て遂に動き出した彼女による「Shirt」の冒頭の一音に触れたとき、2000年頃のティンバランドサウンドのアップデート版だと感じた次第。手掛けたのが同じく2000年前後に大ヒットを連発したロドニー・ジャーキンスということに驚きました。懐かしさと今らしさを兼ね備えた音(像)に惚れます。

 

 

3位 さかいゆう feat. Ovall「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」

さかいゆうさんが今月リリースするカバーアルバム『CITY POP LOVERS』は日本を代表する音楽集団、origami PRODUCTIONSとのコラボ作品。先行曲はかまやつひろしさんによる1975年曲のカバーで、タワー・オブ・パワーとの共演によるソウルフルなオリジナル版をより粘着度の高いソウルミュージックに仕立てています。カバーアルバムのクオリティを示すには十分すぎる一曲と言えるでしょう。

 

 

2位 INI「HERO」

メンバーの尾崎匠海さんが出演するドラマの主題歌としてWANIMAが提供したデジタルシングルは、自分の中で日に日に評価が高まった一曲。特にWANIMA主宰の音楽フェスにおける歌の巧さや説得力、初の野外フェスとは思えないほどの堂々とした立ち居振る舞いには惚れ込むこと必至です。

 

 

1位 Official髭男dism「Subtitle」

週を追う毎に見逃し配信数、そして評価が高まっていく『silent』主題歌。ドラマが行間を読む演出なのとは対照的にヒゲダンの主題歌は言葉が多いという印象もありますが、ドラマの行間を補足し登場人物の心に添う曲と考えれば納得がいくもの。それにしても「ノーダウト」「Pretender」「I LOVE...」「Cry Baby」「ミックスナッツ」そして「Subtitle」と、毎年のように大ヒットを輩出するヒゲダンにはただただ感服します。

 

 

以下、次点として10曲。

Awesome City Club「Setting Sail ~ モダンラブ・東京~」

・Sara Wakui feat. 吉田沙良 (モノンクル)「tietie」

・藤井風「grace」

RYUTist「朝の惑星」

・WurtS「SWAM」

・チャー・メン、ヴェラ & ムーフス「Here 4 Me」

・ホリー・ハンバーストーン「Can You Afford To Lose Me?」

・マヤ・デリラ「Pretty Face」

ロバート・グラスパー feat. マック・ミラー「Therapy Pt. 2」

・ウィズキッド「Money & Love」

ゴスペルを歌っていた身には、藤井風「grace」が纏う空気に懐かしさも覚えた次第。マヤ・デリラ「Pretty Face」もそうですが、ポップミュージックにゴスペルのエッセンスが含まれる作品に惹かれます。

3年前にラジオ番組でゴスペル的J-Popを特集しましたが、機会があれば再度組んでみたいと思います。

 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。