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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

トーリーVSコリン、ゴスペルソングスチャートを制したのは?

トーリー・ケリーのセカンドアルバムにして、あのカーク・フランクリンが全面的に制作を手掛けた『Hiding Place』が今月14日に発売されました。

9月29日付米ビルボードアルバムチャートでは35位に初登場。前作『Unbreakable Smile』(2015)の2位からは大きく後退したものの、同日付ゴスペルアルバムチャートでは堂々の首位に立っています。

アルバムチャートへの初登場は同時に、曲単位でのデジタルダウンロードならびにストリーミングの伸びにもつながるため、ソングスチャートにもランクインすることに。ヒップホップでその動きが顕著ですがゴスペルも同様で、『Hiding Place』収録の全8曲が最新ゴスペルソングスチャートで20位以内に登場しました。カーク・フランクリンをフィーチャーした「Never Alone」(2位)およびザ・ハミルトーンズとの「Help Us To Love」(4位)は最高位を更新し、「Psalm 42」(3位)を筆頭に6曲が初登場。トーリーの凄さをみせつけるチャートアクションに。

 

しかし、そのトーリーですら首位の座を射止められなかったわけで…コリン・ホーソーン強し!なのです。

コリン・ホーソーン(タワーレコードのフリーペーパー『bounce』ではコリン・ホウソーンと表記)による「Won't He Do It」は9月29日付米ビルボードソングスチャートにおいて、通算首位獲得週数を28週に伸ばしました。

先月初めにこの曲を取り上げたときは20週。そこから一度の陥落もなく君臨し続け、遂にはゴスペルソングスチャートにおける女性歌手の最長記録を更新しました。これまではタメラ・マン「Take Me To The King」(25週)がトップであり、この曲もカーク・フランクリンが制作。カークはトリー・ケリー、タメラ・マンの双方で「Won't He Do It」に敗れてしまう…という意地悪な見方も出来るかもしれませんが、カーク・フランクリンが今のゴスペル界に大きく貢献しているのは間違いありませんね。

トリー・ケリーが束になっても敵わなかった、コリン・ホーソーン「Won't He Do It」。先月ミュージックビデオを公開したこともあってか、最新チャートでも赤丸がついておりまだまだ勢いは衰えないのかもしれません。こうなったらマーヴィン・サップ「Never Would Have Made It」のが持つ通算46週という巨大な壁に挑んでほしいなと思います。同時に、トリー・ケリーが次週のチャートでどこまで踏みとどまり、はたまた勢いが増すか、注目です。