イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ユーミンのサブスク解禁を機に、『Janet Jackson's Rhythm Nation 1814』の影響下にあった邦楽を知る

今週の音楽業界は、松任谷由実さんのサブスクリプションサービス解禁が大きな話題をさらったように感じます。

”全曲”と謳いながら実際は未解禁がある(と捉えられてもおかしくない)ゆえ、表現が紛らわしい気がしますがしかし、この問題を意に介さない向きが強いように思われます。また今年春出たベストアルバムよりも、今回のサブスクリプションサービス解禁のほうが話題になっていると思うのは自分だけでしょうか。 

 

さて、今回の解禁に併せ、昨日のラジオでは面白い特集が。

ここにもジャネットを意識したと思しき曲があったのか!と実感です。下記はその「Miss BROADCAST」を収録した『天国のドア』(1990)のApple Musicのリンク。

そしてジャネット・ジャクソンの大ヒットアルバム、『Janet Jackson's Rhythm Nation 1814』(1989)に収録された「Escapade」。

「Escapade」のリフとビート感が「Miss BROADCAST」に。実は当時、両方聴いていたのですが気付いていなかったなあと反省。耳が肥えてきた今、あらためて聴いてみて納得です。

「Miss BROADCAST」を聴いて、ANRI「Sweet Emotion (Remix Version)」や渡辺美里「POSITIVE DANCE」といった1990~1991年リリースの大ヒットアルバム収録曲を思い出したのですが、これらの曲は以前”ジャネットっぽい”として取り上げたことが。いずれも『Janet Jackson's Rhythm Nation 1814』が影響源となっています。

この『Janet Jackson's Rhythm Nation 1814』からは実に7曲が米ビルボードソングスチャートトップ5入りを果たし、うち4曲が首位を獲得。モンスターアルバムなのです。「Rhythm Nation」、「Escapade」(共にジャネット自身が出演したJALのCMソング)の他にも名曲は多く、それらの楽曲も邦楽に影響を及ぼしています。松任谷由実「ホタルと流れ星」(先述の『天国のドア』収録)にはかなり薄くですが「Come Back To Me」(2位)の影がみえますし、またWink「ニュー・ムーンに逢いましょう」(1990)のイントロは「Love Will Never Do (Without You)」(1位)を思わせます。

高橋芳朗さんの昨日のラジオ特集を機に思ったのですが、もしかしたら1990年前後の邦楽には『Janet Jackson's Rhythm Nation 1814』の影響がいたるところに表れているのかもしれませんね。サブスクリプションサービスで過去の音楽に触れやすくなったゆえ、掘り進めていくと(当時気付かなかった)面白い発見があるかもしれません。