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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

日本で洋楽がヒットの兆し…『ズートピア2』劇中歌のシャキーラ「Zoo」はどこまで上昇するか

ここ数年、日本においてはK-POPを除く洋楽が強くない状況です。その旨はビルボードジャパンによる2025年度年間チャートを振り返った際にも紹介しています。

ビルボードジャパンにはK-POPを除く洋楽のみで構成されるHot Overseasというソングチャートが存在しますが、たとえばBLACKPINKのロゼがブルーノ・マーズと組んだ「APT.」、またNetflix映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (原題:Kpop Demon Hunters)』サウンドトラック収録曲もランクインしています。ただそれらはK-POP関連作品であり、それらを除けばやはり洋楽は強くありません。

今後は洋楽のクリスマス関連曲が上位に進出する可能性がありますが、それ以外で久々のヒットが生まれる予感がします。それがシャキーラ「Zoo」です。

 

 

シャキーラ「Zoo」は映画『ズートピア2』劇中歌として10月10日にリリース。エド・シーランおよびブレイク・スラットキンがシャキーラと共同でソングライトを手掛けています。ブレイク・スラットキンはソングライター/プロデューサーとして人気を博し、2023年にはリゾ「About Damn Time」(共同ソングライト/プロデュース)にてグラミーの最優秀レコード賞を獲得しています。

 

シャキーラ「Zoo」のヒットはその強力な制作陣(ソングライトを手掛けた3名に加えてアレックス・A.C.・カスティーロもプロデュースを担当)に裏打ちされたのみならず、映画『ズートピア2』の大ヒットも後押ししています。世界全体での興行収入は今年のハリウッド映画最大となり、日本では12月5日の公開からわずか10日間で40億円を突破しています。

映画のヒットに加えて、Spotifyによる最新の週間バイラルチャートを制したことも、シャキーラ「Zoo」のヒットにプラスに作用しています。

「Zoo」は『ジュディとニックと新キャラクターのヘビのゲイリーが登場する話題のセルフィー動画でも使用』(『ズートピア2』エド・シーランらが制作に参加した劇中歌「Zoo」収録のアナログシングルの発売決定 - MOVIE WALKER PRESS(11月10日付)より)。下記ショート動画はディズニー・スタジオ公式YouTubeチャンネル発となっており、ショート動画を介して浸透させるための施策も行われていることが解ります。

 

最新12月17日公開分のビルボードジャパンソングチャートは本日午後に発表されますが、シャキーラ「Zoo」は前週の段階で総合82位に登場し、100位以内初エントリーを果たしています。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています。ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています。)

CHART insightでは黄緑で示されるラジオ指標が映画の公開に合わせて上昇しているのみならず、当週は初めてストリーミング指標(青)が300位以内に入り加点対象に。そしてそのストリーミングは加点されたわずか1週分で、累計獲得ポイント全体のおよそ4分の1を占めていることが円グラフから判ります。この点から、ストリーミングに強くなれば総合で上昇が可能ということを読み取ることができるはずです。

 

そのストリーミング指標にデータを提供する各サブスクサービスにて、シャキーラ「Zoo」が上昇しています。集計期間は異なるものの、主要サブスクサービスにおける最新の週間チャートではSpotify(12月12日まで)が200位未満→110位、Apple Music(12月14日まで)が100位未満→15位、LINE MUSIC(12月16日まで)が100位未満→38位と、いずれのサービスでも伸びています(Amazon Music(12月13日まで)は50位未満のまま)。

12月17日公開分のビルボードジャパンソングチャートは12月14日までの1週間が集計期間であり、且つ最もシェアが大きいとされるApple Musicにて最大の上昇を示している点から、シャキーラ「Zoo」のソングチャート上位進出の可能性が高まったと考えていいでしょう。

 

 

ビルボードジャパンのHot OverseasチャートでランクインしているK-POP関連曲においては、キャッチーさ(ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」)、またタイアップ作品のヒット(HUNTR/X(イジェ、オードリー・ヌナ & レイ・アミ)「Golden」)がヒットの影響源といえます。シャキーラ「Zoo」はその双方を満たし、新たな洋楽ヒットに成ろうとしています。

ならばこのヒットを機に、影響源がなくとも日頃から洋楽がチェックされる環境を構築すべく、日本の音楽業界が動くことが必要でしょう。まずはシャキーラ「Zoo」を認知させ、洋楽を広く浸透させることを願います。