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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり)【海外ビルボード】ケンドリック・ラマーが米ソングチャートで史上4組目となるトップ5独占

(※追記(7時54分):ブログエントリーは午前6時に公開していますが、その後に米ビルボードがグローバルチャートの記事を発信したことに伴い、その翻訳内容を追記しています。)

 

 

現地時間の12月2日月曜に発表された、最新12月7日付米ビルボードソングチャート(集計期間:11月22~28日)。前週歴代最長タイとなる19週目の首位を獲得したシャブージー「A Bar Song (Tipsy)」は6位に後退、「Squabble Up」の首位を皮切りにケンドリック・ラマーがトップ5独占、およびトップ10内に7曲を、いずれも初登場にて送り込んでいます。

ケンドリック・ラマー「Squabble Up」はストリーミング5200万(同指標首位)、ダウンロード5,000およびラジオ570万を記録(ダウンロードおよびラジオの順位は記事未記載)。この曲を含め、今回初登場した作品は集計期間初日にサプライズリリースされたアルバム『GNX』の収録曲となります。

ケンドリック・ラマーの首位獲得曲は今回が5作品目に。

<米ビルボードソングチャート ケンドリック・ラマーによる首位獲得曲>

・「Bad Blood (テイラー・スウィフト feat. ケンドリック・ラマー)」(2015年6月6日付 1週)

・「Hamble.」(2017年5月6日付 1週)

・「Like That (フューチャー、メトロ・ブーミン & ケンドリック・ラマー)」(2024年4月6日付以降 3週)

・「Not Like Us」 (2024年5月18日付以降 2週)

・「Squabble Up」 (2024年12月7日付 1週)

ケンドリック・ラマーは今年3曲目となる首位を獲得。アリアナ・グランデ、ポスト・マローンおよびモーガン・ウォレンを上回り、今年単独最多記録を達成しています。またこれら3曲はいずれも初登場で首位を獲得。単年で3曲の初登場首位を記録したのは男性ソロ歌手では初となり、これまでアリアナ・グランデが2020年、BTSが2021年に達成しています。

「Squabble Up」はケンドリック・ラマーにとってストリーミング指標6曲目の首位に。またホットR&B/ヒップホップソングチャート、およびホットラップソングチャートも制しています。

 

ケンドリック・ラマーは『GNX』収録曲がトップ5を独占。2位以下はレフティ・ガンプレイをフィーチャーした「TV Off」(ストリーミング4690万)、シザとの「Luther」(同4440万、「Wacced Out Murals」(同3800万)、およびドディ6を迎えた「Hey Now」(同3120万)となっています。

ソングチャートのトップ5独占はケンドリック・ラマーが4組目。テイラー・スウィフトはトップ5のみならず10位までを独占した唯一の歌手であり、2022年11月5日付および2024年5月4日付で達成。後者においては14位までを占めています。またドレイクは2021年9月18日付で6位を除くトップ10寡占を達成。最初に記録を成し遂げたのはザ・ビートルズであり、1964年4月4日付にて「Can't Buy Me Love」「Twist And Shout」「She Loves You」「I Want To Hold Your Hand」および「Please Please Me」がトップ5を占めています。

ケンドリック・ラマーにおいては『GNX』から「Reincarnated」が8位(ストリーミング2790万)および「Man At The Garden」が9位(同2740万)がトップ10入りし、ケンドリックのトップ10ヒットは722曲となりました。なお最多トップ10ヒット保持者はドレイクの79曲であり、テイラー・スウィフトが59曲で続きます。

レフティ・ガンプレイおよびドディ6にとってはキャリア初のソングチャートエントリーにして初のトップ10入り、またシザはトップ10ヒットが11曲目となります。そのシザが参加した「Luther」はルーサー・ヴァンドロス(Luther Vandross)とシェリル・リンによる「If This World Were Mine」をサンプリングしており、同曲は1982年にホットR&B/ヒップホップソングチャート(当時はホットブラックシングルチャート)で4位を記録。なお「If This World Were Mine」はマーヴィン・ゲイとタミー・テレルがオリジナルであり、オリジナル版は1968年にホットR&B/ヒップホップソングチャート(当時はホットリズム&ブルースシングルチャート)で27位に達しています。

 

前週通算19週目の首位を獲得し、リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」の持つ最長記録に並んだシャブージー「A Bar Song (Tipsy)」は6位に後退。ホットカントリーソングチャートでは1958年以降において歴代5位タイとなる24週目の首位を獲得しています。

「A Bar Song (Tipsy)」はラジオ指標で18週目の首位に(記事では数値は記載されていません)。1990年以降において、グー・グー・ドールズ「Iris」(1998)およびマイリー・サイラス「Flowers」(2023)に並び首位獲得週数が歴代2位タイに。なお最高記録はザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(2020)の26週となります。

また「A Bar Song (Tipsy)」はダウンロード指標で前週比14%アップとなる9,000を記録し、通算15週目の首位に返り咲いています。この20年の歴史において、「A Bar Song (Tipsy)」は首位獲得週数が歴代5位となっています。

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が16→10位に上昇。米ビルボードによるオールタイムクリスマスソングチャート(Greatest Of All Time Holiday 100ソングチャート)で首位を記録している同曲は、当週ストリーミングが前週比52%アップの2680万、ダウンロードが同25%アップの2,000、ラジオが同68%アップの1570万を記録しています。

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は1994年にリリースし、2017年12月に初のトップ10入り。そして2019年のシーズンに初めて首位を獲得すると同年3週、2020年に2週、2021年に3週、2022年に4週および2023年に2週首位を獲得し、現時点で通算14週首位に立っています。同曲はマライア・キャリーにとって19曲目となる首位獲得作品であり、ソロでは最多に。歴代最高はザ・ビートルズの20曲となります。

なお米ビルボードは12月7日付よりクリスマス関連曲の週間チャート(Holiday 100)を再開。「All I Want For Christmas Is You」は通算61週目となる首位を獲得しています。なおHoliday 100は当週が69週目となります。

 

なお、米ビルボードの記事ではありませんが、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が首位に至るまでの経緯については、以前このブログで記載しています。

 

最新のトップ10はこちら。

1位 (初登場) ケンドリック・ラマー「Squabble Up」

2位 (初登場) ケンドリック・ラマー feat. レフティ・ガンプレイ「TV Off」

3位 (初登場) ケンドリック・ラマー & シザ「Luther」

4位 (初登場) ケンドリック・ラマー「Wacced Out Murals」

5位 (初登場) ケンドリック・ラマー feat. ドディ6「Hey Now」

6位 (1位) シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」

7位 (2位) レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」

8位 (初登場) ケンドリック・ラマー「Reincarnated」

9位 (初登場) ケンドリック・ラマー「Man At The Garden」

10位 (16位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

 

 

続いてグローバルチャートを紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。12月7日付ではGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.の双方にて、ロゼ (ROSÉ) & ブルーノ・マーズ「APT.」が初登場から6連覇を達成しています。

ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」はGlobal 200においてストリーミングが前週比21%アップの1億6060万およびダウンロードが同49%アップの20,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比20%アップの1億4100万おっよびダウンロードが同44%アップの13,000を記録しています。

「APT.」はGlobal 200において初登場から2週続けてストリーミング2億回超えを達成し(2億2450万→2億750万と推移)、同チャートにて2億回以上を複数週で記録した最初の作品となったほか、今回は以下の記録も生まれています。

<Global 200 2024年におけるストリーミング週間再生回数上位7曲>

・2億2450万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(11月2日付)

・2億750万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(11月9日付)

・1億7680万 テイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」(5月4日付)

・1億6220万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(11月16日付)

・1億6060万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(12月7日付)

・1億4640万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(11月23日付)

・1億3270万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(11月30日付)

 

レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」がGlobal 200、Global Excl. U.S.の双方で2位をキープ。Global 200ではストリーミングが前週比1%アップの1億1570万を記録し、13週連続で1億回超えを達成。同チャートにおける最長記録を自ら更新しています。

 

ケンドリック・ラマーがGlobal 200においてトップ10内に5曲を、Global Excl. U.S.では1曲を初登場で送り込んでいます。Global 200では「Squabble Up」が3位(ストリーミング8260万)、シザとの「Luther」が4位(同7810万)、レフティ・ガンプレイをフィーチャーした「TV Off」が5位(同7490万)、「Wacced Out Murals」が6位(同6090万)およびドディ6を迎えた「Hey Now」が10位(同4880万)に。Global Excl. U.S.では「Luther」がストリーミング3410万を記録し、6位に初登場を果たしています。Global 200においてケンドリック・ラマーのトップ10ヒットは11曲、シザは7曲、そしてレフティ・ガンプレイおよびドディ6にとっては初に。またGlobal Excl. U.S.においてはケンドリック・ラマーのトップ10ヒットは4曲、シザは3曲となります。

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」がGlobal Excl. U.S.で14→5位に上昇。ストリーミングは前週比33%アップの3810万、ダウンロードは同40%アップの2,000を記録しています。Global Excl. U.S.では2020年のチャート開始以降通算13週の首位を獲得しており、ハリー・スタイルズ「As It Was」(2022)およびマイリー・サイラス「Flowers」(2023)と並び首位獲得週数最長タイとなっています。なお、史上最長となる通算18週首位を獲得しているGlobal 200では、当週9位をキープしています。

 

G-DRAGON feat. TAEYANG & DAESUNG「Home Sweet Home」がGlobal Excl. U.S.で7位に初登場。ストリーミング2920万およびダウンロード8,000を記録しています。TAEYANGはSOL、DAESUNGはD-LITEであり、BIGBANGのメンバー3名による作品。グループとしては2022年4月に「Still Life」が3位を記録しています。G-DRAGONとDAESUNG(D-LITE)はソロ名義で初のトップ10入り、TAEYANG(SOL)はBTSのJIMINをフィーチャーした「Vibe」が2023年に9位を記録して以来2曲目となります。

 

ストロマエ & ポム「Ma Meilleure Ennemie」がGlobal Excl. U.S.で8位に初登場。ストリーミング3230万およびダウンロード1,000を記録しています。Netflixのアニメーションシリーズ『アーケイン シーズン2』サウンドトラックに収録されたこの曲のヒットにより、ストロマエ、ポム共にこのチャートで初となるトップ10入りを果たしています。