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【海外ビルボード】ヒップホップのディス応酬関連曲が米で4曲トップ10入り

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現地時間の5月13日月曜に発表された、最新5月18日付米ビルボードソングチャート(集計期間：5月3～9日)。前週まで2連覇を達成していたテイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」は4位に後退、ケンドリック・ラマー「Not Like Us」が初登場で首位を獲得しました。

また前週11位に初登場したケンドリック・ラマー「Euphoria」は3位に、ケンドリックがフューチャーおよびメトロ・ブーミンと共演した「Like That」は8→6位に上昇し、ドレイク「Family Matters」は7位に初登場を果たしています。

これらはいずれもケンドリック・ラマーとドレイクによるディスの応酬に関連した作品であり、ケンドリックがドレイクおよびJ. コールに対しディスを浴びせた「Like That」を皮切りに、エイサップ・ロッキー、リック・ロス、ザ・ウィークエンドおよびイェー(カニエ・ウェスト)も(ディスされる等にて)関わる形となっています。

 

(なお米ビルボードではこのディスの応酬を記事にしています(Drake, Kendrick Lamar Diss Tracks: Which Could Make the Next Hot 100?参照)。日本のメディアではケンドリック・ラマーVS.ドレイク、USヒップホップビーフで何が起こっている? ラップシーン全体を巻き込む大抗争を解説 | Mikiki by TOWER RECORDS等にて解説されています。またMikikiの記事にもあるようにディスの応酬に端を発したと思しき暴力事件が発生していることを踏まえ、ドレイクの自宅を示したとみられる衛星写真をジャケットに用いたケンドリック・ラマー「Not Like Us」の公式オーディオ動画については掲載を控えます。)

 

ケンドリック・ラマー「Not Like Us」は5月18日付米ビルボードソングチャートの集計期間3日目にあたる5月5日日曜深夜にリリースされ、ストリーミング7090万(同指標1位)、ダウンロード15,000およびラジオ500万を記録(ストリーミング指標以外の順位は記事未記載)。「Not Like Us」は米ビルボード65年の歴史において1,171曲目の首位作品、初登場での首位獲得は79曲目となります。なお初登場首位獲得曲は米ビルボードの記事にてまとめられています(Hot 100 No 1 Debuts: Complete List参照)。

＜ケンドリック・ラマーによる米ビルボードソングチャート首位獲得曲＞

・「Bad Blood (テイラー・スウィフト feat. ケンドリック・ラマー)」(2015年6月6日付 1週)

・「Hamble.」(2017年5月6日付 1週)

・「Like That (フューチャー、メトロ・ブーミン ＆ ケンドリック・ラマー)」(2024年4月6日付以降 3週)

・「Not Like Us」 (2024年5月18日付 1週)

ケンドリック・ラマーは「Not Like Us」にてストリーミング指標5曲目となる首位を獲得。米ビルボードソングチャートのストリーミング指標には動画再生分が含まれますが、YouTubeにおいてカウント対象となる動画からUGC("歌ってみた"や"踊ってみた"に代表されるユーザー生成コンテンツ)が除外された2020年9月以降、「Not Like Us」はR&B/ヒップホップジャンル(米ビルボードのホットR&B/ヒップホップソングチャートにランクインする曲と定義する)において最大の再生回数を記録しています。これまではドレイク feat. フューチャー ＆ ヤング・サグ「Way 2 Sexy」が2021年9月18日付にて記録した6730万が最高記録を保持していました。

 

ケンドリック・ラマーは「Euphoria」が3位に上昇。同曲は4月30日にリリースされ、前週5月11日付米ビルボードソングチャート(集計期間：4月26日～5月2日)にて11位に初登場を果たしていました。初の1週間フル加算となる当週、ストリーミングは2890万→4900万、ダウンロードは6,000→7,000に上昇し、一方でラジオは250万→190万にダウンしています。

「Not Like Us」および「Euphoria」のトップ10入りに伴い、ケンドリック・ラマーの米ビルボードソングチャートにおけるトップ10ヒットは15曲に。ケンドリック・ラマーによる初のトップ10ヒットはドレイクや2チェインズ共々客演参加したエイサップ・ロッキーによる「F**kin' Problems」(2013年2月)でした。

 

さらにはフューチャー、メトロ・ブーミン ＆ ケンドリック・ラマー「Like That」が8→6位に上昇。4月6日付米ビルボードソングチャートを初登場で制し、3週連続で首位を記録した同曲はストリーミングが前週比22％アップの3420万、ダウンロードが同76％アップの3,000およびラジオが同13％アップの2940万を記録しています。

 

一方でディスの応酬の相手であるドレイクが5月4日にリリースした「Family Matters」は7位に初登場。ストリーミング3800万、ダウンロード5,000およびラジオ646,000を記録しています。これによりドレイクによるトップ10ヒットは78曲(最初のトップ10ヒットは2009年の「Best I Ever Had」)、またソングチャート100位以内エントリーは331曲となり、後者では自身による歴代最多記録を更新しています。

＜ソングチャート最多トップ10輩出歌手＞

・78曲 ドレイク

・59曲 テイラー・スウィフト

・38曲 マドンナ

・35曲 ザ・ビートルズ

・32曲 リアーナ

・30曲 マイケル・ジャクソン

・29曲 エルトン・ジョン

・28曲 マライア・キャリー

・28曲 スティーヴィー・ワンダー

・27曲 ジャネット・ジャクソン

・26曲 ジャスティン・ビーバー

・25曲 リル・ウェイン

・25曲 エルヴィス・プレスリー

(※エルヴィス・プレスリーは米ビルボードソングスチャート開始前にキャリアを開始。)

 

最新のトップ10はこちら。

1位 (初登場) ケンドリック・ラマー「Not Like Us」

2位 (2位) トミー・リッチマン「Million Dollar Baby」

3位 (11位) ケンドリック・ラマー「Euphoria」

4位 (1位) テイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」

5位 (3位) シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」

6位 (8位) フューチャー、メトロ・ブーミン ＆ ケンドリック・ラマー「Like That」

7位 (初登場) ドレイク「Family Matters」

8位 (4位) サブリナ・カーペンター「Espresso」

9位 (5位) ベンソン・ブーン「Beautiful Things」

10位 (6位) テディ・スウィムズ「Lose Control」

 

トミー・リッチマン「Million Dollar Baby」は2位をキープ。ストリーミングは前週比54％アップの5830万、ダウンロードは同58％アップの6,000、ラジオは同518％アップの190万を記録しています。

テイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」は首位から4位に後退。ダウンロード指標は前週比1192％アップの77,000を記録しています。この上昇は、集計期間中にCD73,000枚が発送されたことに伴います。

ラジオ指標はテディ・スウィムズ「Lose Control」(総合10位)が5連覇を達成。前週比4％アップの7300万を記録しています。

 

 

続いてグローバルチャートを紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。5月18日付では前週まで2連覇を記録していたテイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」がGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.の双方で後退。Global 200ではケンドリック・ラマー「Not Like Us」が初登場で、Global Excl. U.S.ではサブリナ・カーペンター「Espresso」が前週から2ランクアップし首位を獲得しました。

(なお米ビルボードによるグローバルチャートの記事ではGlobal Excl. U.S.が先に紹介されていますが、ここでは通常通りGlobal 200についてまずは紹介します。)

 

ケンドリック・ラマー「Not Like Us」がGlobal 200を初登場で制覇。ストリーミング1億800万、ダウンロード17,000を記録しています。ストリーミング1億800万という数値はGlobal 200が2020年秋に発足以降、ヒップホップ曲(米ビルボードホットラップソングチャートにランクインする曲と定義する)としては過去最高を記録。これまではドレイク feat. フューチャー ＆ ヤング・サグ「Way 2 Sexy」が2021年9月18日付にて記録した9690万が最高記録を保持していました。また「Not Like Us」はGlobal Excl. U.S.にて9位に初登場。ストリーミング3750万およびダウンロード2,000を記録しています。

ケンドリック・ラマーは「Euphoria」がGlobal 200にて18→4位に上昇。ストリーミングは前週比120％アップの8150万、ダウンロードは同22％アップの9,000を記録しています。ケンドリック・ラマーによるトップ10ヒットはGlobal 200で6曲、Global Excl. U.S.では3曲となりました。

 

Global 200ではトミー・リッチマン「Million Dollar Baby」が10→2位に上昇。ストリーミングは前週比86％アップの9380万、ダウンロードは同63％アップの7,000を記録しています。またGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比184％アップの3580万を記録し、75→8位に上昇しています。

 

Global Excl. U.S.ではサブリナ・カーペンター「Espresso」が前週から2ランクアップし初の首位に。ストリーミングは前週比7％アップの5960万、ダウンロードは同15％アップの3,000を記録しています。一方でGlobal 200では2→3位に後退しています。